表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

悲しみの再会

彼女がいなくなってから僕の心の中はぽっかり穴が空いたようだった。


仕事も手につかなくてまた、先輩に怒られた。


「お前何ぼーっとしてるんだよ!彼女とケンカでもしたのか?」


「いえ。。」


「それより、お前ニュース見たか?また、前に現れたような光が今度は地上から空に向かって上がっていったみたいだぜ!ほんとにUFOなのかな?てか、前にもこんな話したよな!たしかこんな話したとき、前もなんかぼーっとしてたもんな。。。」


「そうっすね。。。そんなこともありましたね。。。」


「今日はなんか前の時とちがって元気ないな。ほんとに何があったんだ?話してみろよ!」


「。。。」


「とりあえず仕事さっさと終わらして飲みに行こーぜ!」


「わかりました。」


-----


先輩が仕事を手伝ってくれたので早く終わることができた。


「よし!近くの居酒屋でも行くか!」


「はい。」


「とりあえずビールでいいよな?」


「はい。」


「すみませーん!ビール2つお願いします!あと、枝豆と焼き鳥盛り合わせ。。。お前もなんか、頼めよ!」


「はい、あとで頼みます。」


「で、なにがあった?」


「こんな話先輩が信じてくれるはずないと思いますので大丈夫です。」


「どんなことでもお前のことは信じるよ!話したら少しは楽になると思うから話してみろよ!」


先輩はいつも以上に優しく言ってくれた。


僕は彼女とのことを全部話した!


先輩は最初とても驚いていたがどうやら、信じてくれたようだ。


「で、お前どうするんだよ?彼女に会いに行かなくていいのか?」


「だって、彼女が今どうしてるのかわからないし、もしすでに亡くなってたりしたら僕は耐えれない。」


「何ウジウジしてるんだ!彼女、お前のことずっと待ってるんじゃないのか?」


「。。。」


「何のために天使になってまでお前に会いに来たんだよ!今度はお前が会いに行く番じゃないのか!彼女の入院先、先生に教えてもらったんだろ!行けよ!仕事のことは気にするな!お前ごときの仕事くらい俺1人で充分補えるしな!」


「先輩。。。ほんと大好きです。」


「だから、俺に告白してどーすんだよ!その言葉ちゃんと彼女に伝えてこいよ!」


「はい!ありがとうございます。」


------


僕はアメリカに向かった!


彼女に会いたくてたまらないがもしものことを考えたら恐くて仕方なかった。


病院の前に着いた。どうやら、彼女はまだ入院中のようだ。


生きていた!僕はとてもほっとした。


だが、部屋に入ると彼女は人工呼吸器に繋がれていた。。。


まるで眠っている天使そのものだった。


もう1ヶ月ほど眠ったままだそうだ。。。


このまま、目が覚める可能性は極めて低いとのことだった。


僕は彼女に話しかけた!必死で名前を呼んだ。


「小雪さん!小雪さん!やっと君に会いに来れたんだよ!2人で交わした幼い頃の約束果たしにきたんだよ!目を覚ましてくれよ!」


僕は何度も何度も彼女を呼んだ!だが彼女は返事1つしてくれない。


何のために会いに来てくれたんだよ!あんなに元気だったじゃないか!どうして君は今ここで寝てるんだよ。。。


小雪さんのご両親が部屋に入ってきた。


「もしかして君は祐一くんかい?」


「はい。」


「小雪が毎日、祐一くんのこと話してくれてたのよ!手術する日も元気になって祐一くんとの約束守らないといけないからがんばるって言ってね。。。でもね、あれから1度も目を覚ましてくれなくて。。。まもなく帰国して日本の病院に戻るところなのよ。このままこっちにいても仕方ないから。。。」


「そうだったんですか。小雪さんが目を覚ますまで僕が毎日会いに来ます!小雪さんと約束したので!ずっと一緒にいると。。」


「ありがとう。。。小雪、よかったねー。あなたの大好きな祐一くんが会いに来てくれたよ!はやく目を覚まさないとダメよ。」


「なんだか、小雪が笑ってるような気がするわ。本当にありがとう。こんな遠いところまで会いに来てくれて。」


「きっと小雪さんは目を覚ましますよ。彼女は約束を必ず守る人だから。」


「そうね、この子変なところ頑固だからね。」


-----


僕はアメリカにいる間、毎日小雪さんに会いに来た。


彼女の手を握りながら仕事の話や、先輩の話などたくさん話をした。


彼女の手はとても冷たかった。。。


明日、彼女は日本の病院に移ることになっていたので僕は、一足先に日本に帰ることにした。


「小雪さん、先に日本に帰ります。あちらで君のこと待ってますから気をつけて帰ってきてください。」


僕はそう言っていつものように彼女の手を握った。


すると、かすかに握り返してくれたような気がした。


気のせいかもしれないが僕には彼女が返事をしてくれたように思えた。


「わかりました。」と言ってるかのように。。。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ