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天使との出会い

それは、雪がチラチラと舞うある夜の日のことだった。


入社1年目でまだ仕事に不慣れで帰るのが遅くなってしまった僕は、終電を逃し歩いて帰ることにした。


ふと夜空を見上げると一筋の光が見えた。その光はだんだんと大きくなり、僕の元へと近づいてくる。


なんだ?あの光。眩しいな。


目の前が一瞬パァーッと、一際明るくなったかと思うと白く大きな羽を着けた美しい天使が僕の目の前に舞い降りてきた。。。


僕は一瞬なにが起きたのか理解できなかった。。。


仕事のし過ぎで疲れて幻覚でも見てるのかな?!


呆然と立ちすくんでいると、天使が僕の方を見て「やっと会えた。」と言ったかと思うと目の前に倒れた。


すると、天使の羽がフワッと消えていき、そこには美しい女性が横たわっていた。


もう、なにがなんだかわからないが、とにかく僕は彼女を抱き抱えて、自宅へと連れて帰った。


彼女は、とても冷たい体をしていた。


とにかく暖めなくては。。。


彼女がなかなか目を覚まさないので、死んでしまったのかと思って不安になった。


しばらくすると、彼女はようやく目を覚ました。。。


僕は彼女に聞きたいことが山ほどあったが、グッとこらえた。


「私、何でここにいるんですか?」


「えっ!!何にも覚えてないの?」


「はい。。。」


彼女は、空から羽を広げて天使のように地上に舞い降りてきたことを覚えていないようだ。僕が本当のことを言うと彼女はどんな反応をするのだろうか。。。いきなりそんなことを伝えると混乱するかもしれないのでしばらく様子を見ることにした。


「道端で倒れていて話しかけたのですが、反応がなかったので、そのままこの寒空の下には置いておけないと思ってとりあえず僕の家に連れてきました。」


「そうでしたか。ご迷惑をおかけしました。あのー、申し訳ないのですが、しばらく私をここに置いてもらえませんか?」


こんなキレイな女性とこの狭いアパートに2人きりはまずいだろ。。。冷静でいられる自信がない。。。


「こっここにですか?とりあえず、今日はもう遅いので泊まってもらっても大丈夫ですが、、、明日一緒に病院に行きましょう。」


「いえ、大丈夫ですので。。このままここにいさせてください。お願いします。」


「えっっ。。。僕は構いませんが。。。体の方は大丈夫ですか?それに、見知らぬ男とこんな狭いアパートに2人きりというのは抵抗ないのですか?」


「私は平気です。あなたなら安心できる気がしますので。」


変に安心されてもなぁ。。。僕も一応正常な男なんだがな。。。

こんな美人と同じ屋根の下で冷静でいられる自信まじでないかも。。。


「わかりました。。。体も冷えてると思いますのでお風呂でゆっくり暖まって来てください。僕はソファーで寝ますのであなたは、こちらのベッドを使ってください。」


「ありがとうございます。」


「ちなみに僕の名前は、松下(まつした) 祐一(ゆういち)と言います。君は?!」


「私は、小雪(こゆき)と言います。しばらくお世話になります。」


「いい名前だね。何か思い出せるといいですね。僕に何か出来ることがあれば協力しますので何でも言ってください。」


「ありがとう。祐一さん。」


下の名前で呼ばれて僕はドキッとした。


そう言えば、高校卒業以来彼女いなかったからなー。大学の時はサークルや就活で何だかんだ忙しかったし、今なんか仕事ばっかりでただただ時間だけが過ぎていくつまらない毎日を送っていたからな。。。なんだか、これからいいことが起こりそうな気がするな。


まさか、彼女との出会いがこれからの僕の未来を変えていくことになることは今の僕はまだ知るよしもなかった。。。


こうして、僕はひょんなことから彼女と同棲?!同居することになったのだった。


「お先にお風呂いただきました。」


あまりのかわいさに僕は一瞬固まってしまった。。。


「。。。いえ。暖まりましたか?今日はゆっくり休んでください。」


「はい。祐一さん、おやすみなさい。」


「小雪さん、おやすみなさい。」


僕がお風呂から出てくると彼女は、すでに眠っていた。


本当に天使のような寝顔だった。。。


いったい、彼女は何者でどこから来たのだろう。たしかに、空から降ってきたはずだし、背中には白く大きな羽が生えていたはずなんだが。。。


この世界に何かを探しにきたのだろうか。僕を最初に見たときに「やっと会えた」と言っていたような。。。


そんなことを、一晩中考えていたら全然眠れなくて気づいたら朝になってしまっていた。。。


うわー!やばい。仕事行かなくちゃ!


彼女はまだぐっすり眠っているようだ。


僕は起こすのはかわいそうだと思ったので机にメモを残して仕事に行くことにした。


(冷蔵庫にあるものは何でも好きなものを食べてもらって大丈夫です。僕は仕事で遅くなるかもしれないので部屋は好きに使ってください。)


そして、合鍵を置いておいた。


------


僕は寝不足にも関わらず何故か目が冴えていた。


家に帰るといなくなってないかなぁ?


彼女のことが気になって仕事がはかどらない。。。。


すると、仲のいい先輩に怒られてしまった。


「お前、何ぼーっとしてるんだよ!ここに心あらずみたいな顔してなんかあったのか?」


「ぃぇ。。。昨日ちょっといろいろあって眠れなくて。。。」


彼女のことを話したところで先輩が信じてくれるはずもないしな。。。


すると、先輩が


「そう言えば昨日、夜中1時頃空が光ってたらしいぞ!お前見たか?なんか、すごいニュースになってるぜ!ufoじゃないかって!」


「いや~、全然気づかなかったっす。」


皆にもあの光は見えていたんだ!だからって、天使が舞い降りてきて今、僕の家にいるとは言えないしな。。。


「ニュースくらい見ろよー!夜中だったけど、ものすごい光だったから俺、びっくりして目が覚めたんだよ。最初カミナリでも落ちたかと思って窓開けたら雨も降ってないし、空から1本の光が見えたんだよ。てか、お前起きてたのに気づかなかったのかよ!かなり重症だな。。。今日、飲みに行こうぜ!お前も仕事覚えないといけないことがありすぎてストレスたまってるだろ。おごってやるよ!」


「今日は、、、ちょっと早く帰りたいので。」


「なんだよぉー。ならお前んちで飲もうぜ!」


えーっっ!どうしよう。。。。


「今日は疲れてるので早く寝ようと。。。」


「まーそう言うな!明日休みじゃないか!俺が話聞いてやるから!」


「はい。あざーっす。」


これ以上断る理由がなく、先輩に押しきられてしまった。。。


彼女のこと先輩になんて説明しよう。。


わぁー。。ますます悩むー。。。

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