こいのぼり
ぼくは、こいのぼり。
うちのぼうやには、「こんもこりさん」って呼ばれてるよ。
ゆきがとけてあったかくなって、いろんなお花がさきはじめたころ、
はれの日は、おうちのおにわでおよいでるんだ。
おとうさんとおかあさんと、いもうともいっしょだよ。
ぼくのおうちのちかくには、「しょうがっこう」があってね、
まいにち、たくさんのこどもが通るんだ。
ぼくにお話ししてくれる子もいるんだよ。
ときどき、ひみつの話もきいちゃったりして…ね。
あのね、ぼくは、ぼくのおうちのぼうやが、げんきにそだつように、ってうちに来たんだって。
でも、ぼうやがおにわでおさんぽしたり、ちょうちょをおいかけたりしているのに、いっしょにあそべないんだ。
そしたら、おとうさんが、おしえてくれた。
ぼくたちは、みんなをにこにこみているのが、おしごとなんだって。
にこにこしてるぼくたちをみて、みんながにこにこするんだって。
あれ、いつものあの子が、手をふってくれてるよ。
なあんだ、おにわにいるぼうやとおはなししてる。
ぼくもにこにこ。
ぼうやもにこにこ。
あの子もにこにこ。
ぼうやとおともだちになってくれるといいなあ。
ぼくはうれしくなって、しっぽをいつもよりたくさん、ぱたぱたさせたんだよ。