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なんでやねんと歌姫は笑った。  作者: 烏有
第1章
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第3話 最初のテスト


週明けの月曜日。少し雲が重たそうで雨に当たると憂鬱だ。今日からテストで昼で下校になるので帰りまで持てばいいのだが。

テスト期間は少し早めに登校する。学校で教科書を見直したり、色々足掻いておく。家でやるよりは直前までできるし、竜がいたなら息抜きにもなりえる。

自席に着いて勉強をはじめる。朝ごはんとしてカロリーのメイト的な棒を食べる。もそもそとした食感とパックの牛乳が最高の相性だ。

暫くペンを走らせていると教室に続々と人が増え始めた。一際声の大きな彼はこちらが勉強しているのを見ると近づいて来ないみたいだ。朝から勉強する気は無いらしい。

顔を上げたついでに腕を上に伸ばして肩を動かす。コキコキっと心地よい音がなった。そのまま目を閉じて手を組み伸びをする。目を開けると隣の席の彼女と視線が交差した。メガネの奥の瞳は眠たそうだ。

「……朝から体に悪そうなの食べてますね。」

朝ごはんの後をみてそう言った。

「牛乳も飲んでるからセーフだよ。おはよう長月さん。」

「おはようございます。」

「おはよう!時人!長月さんも!」

いつの間にか竜が来ていた。彼女と話すタイミングを察したらしい。軽く手を上げて返す。

「……おはようございます。」

自分と挨拶を交わしたあと無視するのは気が引けたようで渋々といった様で口を開いた。が、そのまま席を立ち教室から出ていった。

「あちゃー逃げられちった。」

「本格的に避けられてるんじゃないのか。どんまい。」

「流石にこれはもうやめたほうがいいかもなあー。」

あまり悩んでもない顔でそう言い放った。それが本音かどうか全くわからない。おそらく違うな。明日にでもタイミングが来たら話しかけるだろう。

「時人今回のテスト自信ある?」

「平均よりは取れると思う。」

「目標低いってー。満点目指そうぜ。まあそれなら最後の足掻きがんばれよー。」

そう笑いながら去っていった。朝の時間はもうそんなに無い。軽く見直してテストに挑もう。



「テスト終わったー。バイトだー!」

竜が机に来てそう言った。その顔は嬉しそうでテストからの開放感からか、楽しんでやっているバイトからかあるいは両方か。

月曜日から金曜日まであったテストも終わり教室の雰囲気も花の金曜日といったところ。

週の半ば頃から天気は崩れ始めて今日も朝から雨が降っていた。どうやら梅雨入りらしい。

「お疲れ。じゃあ帰るから。」

「展開早いって。昼ごはんつきあってよ。昼過ぎからバイトなんだ。」

今日は雨だしバイトも無いしで、帰って一日楽器で遊ぼうと思っていた。とはいえそんなに遅くならないことも予想できたし竜につきあうとしよう。

学校近くのハンバーガーチェーンに入る。チーズバーガーセットを。竜はチキンカツサンドセットを注文した。

「テスト期間は朝から勉強してたみたいだけど、出来はどうよ。」

「ボチボチ。竜は?」

「バッチリ。各教科90は固いな。」

ピースしながら満面の笑みでそう言い放った。そこに嘘は一つもないようだ。

ハンバーガーとポテトを食べつつ会話を進める。店には自分たちと同じようにテスト終わりの学生が集まりつつあった。

「そういえば月曜日だけだったな。」

「なにが?」

「時人が長月さんと話してたの。」

「あー。火曜から長月さんも教室で勉強していたけど挨拶しただけだしな。」

「話してるじゃん。」

「挨拶だけだし。」

俺も朝早く来とけばよかったなー。と悔しそうに呟いた。

「長月さんがクラスメイトに挨拶するなんて今まで見たことなかったし。時人いつの間に仲良くなったのさ。」

一人暮らししていることも彼女が隣に住んでいることも竜には言っていない。強いて上げるなら、先週の家の前での出来事くらいしか思いつかなかったために、理由なんてわからないと両手を上げて小首を傾げた。

「まあいいけどさー。なんか時人がそうやって誰かと進んで仲良くなるなんて違和感あったから。俺以外にもようやく友達つくったかー。」

「何目線だよ。」

「んー、兄貴目線?」

ニヤつきながらそう言った顔がムカついたので最後のポテトを竜の口に突っ込んだ。



話が進むまで暫くは投稿頻度を高くしていく予定です。

ブックマークやいいねなどしていただけるとめっちゃ喜びます。


物語を進めるのって難しいですね。

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