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なんでやねんと歌姫は笑った。  作者: 烏有
第4章
163/166

第159話 実家


生きてます。更新が遅れて申し訳ありません。




迎えた週末。今日は朝からバイトのシフトが入っている。

休みの日ではあったがアラームの音で目が覚めた。

「……おはようございます」

「おはよう。ごめん起こした」

「……大丈夫です」

隣で眠そうにしている朱音はまだ瞼が重たそうだ。

苦笑いをして朱音の髪を撫でる。バイトがあるとはいえ時間にはまだ余裕がある。

目を細めて撫でられ続けている朱音が可愛い。それを見ているだけで目も覚めていく。

「時人くん」

「なに?」

「おはようです」

しっかりと目を開いた朱音が微笑みながらそう言った。改めて言われた挨拶に笑顔になる。

「おはよう。朱音」

挨拶を返すと朱音が抱きついてきて体温を直に感じた。そのまま抱きしめ返して朱音を見つめると目を閉じられる。

「まだ眠い?」

「……時人くんは意地悪です」

頬を膨らませた朱音にごめんと言ってキスをした。クスクスと笑うそんな朱音に朝から元気をもらえる。

「朝ごはん作りますね」

「ありがとう。おなかすいた」

空腹をアピールしてお腹を擦ると更に朱音がクスクスと笑った。

「では、いってらっしゃいです」

「ありがと。いってくる」

朝食後、少し時間を過ごしてから朱音に見送られて家を出る。それだけでバイトも乗り切れる気がした。

マスターの店まで歩く道のり。色々と考えながら歩くのは好きだが、今日は悩みも多い。

月子に電話で相談して帰った後、朱音にも話した。

「……で、今週末、俺の実家に行かない?」

「行きたいです!」

朱音の食い気味の返事を思い出して少し笑顔になる。

バイトのシフトが入ってはいるが短い時間だったしちょうど良かった。終わる頃に朱音と待ち合わせをして家に向かう予定だ。

少し天気が悪い。だが、雨は降らないだろう。そんな希望的観測をいれながらバイト先に向かった。足取りは思っていたよりも軽かった。



モーニングの時間。常連のお客さんが毎回同じ注文をしている。

コーヒーはもちろん案外ミックスジュースも人気がある。俺もこの店のミックスジュースが好きだ。牛乳との割合がちょうど良くて甘すぎず柔らかい味わいがする。

「時人くん、こちらおねがいします」

マスターが準備したモーニングセットをテーブルに運ぶ。この老夫婦の二人も常連さんだ。

「おまたせしました」

「ありがとうねえ」

音をたてず配膳して一礼してテーブルから離れる。

「次はいつ弾き語りするんだい?」

去り際声をかけられる。ライブにも来てくれている常連だ。楽しみにしてもらえてるようだ。

「日程はまだ決まっていません。また決まり次第お知らせしますよ」

「楽しみにしてるよ」

まっすぐな応援に心も弾む。あくまで音楽は趣味で、個人で楽しむものだという割り切りはある。

それでもこうして期待されると嬉しいものだ。

「時人くん。では来月辺りまたしましょうか」

「問題ないです。またシフト組みますね」

来月か。大須たちとここに来る予定もある。その日にライブは重ねないが、それを知られたら来たがりそうだ。大須だけでなくクラスメイトたちも。

近くになるまで朱音にも内緒にしておこう。

そっと心の中で思った。



昼過ぎ。早めの退勤となった。店も相変わらずの雰囲気で早引けしても問題はなさそうで助かる。

スマホを取り出して朱音に連絡をいれた。昼ご飯も実家で食べることになっている。朱音にも出かける準備をしといてもらわないと。

バイトのために髪も整えているし、特に汗をかいたわけでもない。俺はこのままでいけそうだ。一先ず家に向かった。



ここまで読んでいただきありがとうございます。

続きが気になる方はブックマークなどしていただければ喜びます。


4月も終わりました。

今月、片手分くらいしか更新できず申し訳ないです。5月からまた頑張りますので、応援していただければ幸いです。



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