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なんでやねんと歌姫は笑った。  作者: 烏有
第1章
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第9話 彼女の素?



「よかったら少し弾いてみる?」

「え、いいん?」

彼女にキーボードの椅子に座らせる。ギターと違って音を出すだけなら簡単だし何もわからなくても楽しめるのはいいところだ。

ポジション等は気にせず好きに音を出させる。どの鍵盤がどの音か理解はしていないようだが、楽しいらしい。ニコニコ、と笑顔で弾き続けた。

「ここがドの音で、そのまま白い鍵盤がドレミファソラシドって続くから。」

「そーなんやー。じゃあこの曲なら弾けるわー。」

そう言って人差し指できらきら星を弾き出す。この曲は弾けるらしい。

「きーらーきーらーひーかーるー」

せっかくなので歌ってみる。彼女も嬉しそうだ。

そのまましばらく楽しんだ。


「ありがとう。水樹くん。」

「楽しんでもらえたみたいでなにより。」

楽しそうな笑顔で彼女が言った。

なぜ違うように振る舞うかわからないが、この明るくて人懐っこい方が彼女の素なのだと思った。

この彼女なら竜が言っていたように周りも放っておかないだろう。

とはいえ今更突っ込む気にもなれない。この方がこっちも話しやすい。

「そういえば長月ってキーボード持ってるの?よければ1台貸そうか?」

「……買おうか迷ってたから助かるけど……いいん?」

「普段は今弾いてた方をメインに使ってたから構わないよ。」

「じゃあありがたく借ります。」

黒いキーボードをキーボードバッグに入れる。コードも忘れない。スタンドは予備がないので貸せないが机くらいはあるだろう。

キーボードバッグを背負った彼女を玄関まで見送る。

「今日はありがとう。楽しかった!」

「こちらこそ。カレーごちそうさまでした。本当に残りもらっていいの?」

「うん。朝ごはんにでもしてー。」

「じゃあありがたく。」

「じゃ、おやすみ!」

「おやすみ。」

玄関のドアを締めると途端に静かになる。鍵をかけてリビングに戻るとまだカレーのいい匂いがした。たくさんあるわけではないが、これで豪華な朝ごはんとなりそうだ。





短いですが、キリやすいタイミングだったのでここまでを一話とします。

続きも同時に投稿してますので読んでください。

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