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なんでやねんと歌姫は笑った。  作者: 烏有
第1章
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第0話 隣に住むのはクラスメイト

第0話は導入というかこんな話ですといったあらすじ説明を兼ねています。


「行ってきます。」

一人暮らし故に返事は来ないが、そう言って俺は家を出る。

ばたん。ばたん。とドアの音が2つ重なった。どうやら隣人も同じタイミングで家を出たらしい。

俺とそんなに変わらない身長に長い手足。

肩までのボブカットのポニーテール、少し残した顔周りの髪で小顔が余計に小さく見える。

切れ長の目に、小さめの口元。銀の細いフレームのメガネをかけた奥に潜むその表情は読み取れない。

全体的にクールな印象を持たせる隣人の女の子は俺と同じ学校の制服を着ていた。というか同じクラスである。


「おはよう。」

「……。」

目があったので挨拶をするも会釈のみで、返事は来なかった。

彼女はあまり口を開くことはない。

自分を嫌っているとかではなく、他人に距離をおいていた。

目的地は同じ場所であるものの、一緒に登校するほど仲が良いわけでもない。たまたま同じクラスのたまたま隣に住む赤の他人だ。


「じゃあ、先に行くから。」

そう宣言して彼女を置いて廊下を歩いた。スマホにつないだイヤホンを着け学校に向かう。俺だって仲良くないのに話をもたせる技術なんてない。彼女もそれを望んでいないだろう。

このイヤホンは外部の音をシャットアウトすることなく外の音も聞こえるもので、音楽を流そうとした瞬間の彼女の呟きが聞こえた。


「……歩くん速すぎやろ。」

コンプレックスなのかその理由は知らないが、彼女が関西弁で人と話したくないことを知っていた。

だからあまり人と話すことはない。

「関西弁、親しみがあっていいと思うけどなあ。」

そう小さく呟きながら階段を降りた。

イヤホンからシャッフルで音楽が流れ始める。たくさんのジャンルがスマホに入っているため何から始まるか毎日の楽しみだ。今日はロックバンドのアップテンポな曲からでテンションもあがる。


「……なんで聞こえてるねん。」

自分の独り言が聞こえていると思ってもいなかったし、既に音楽に集中していた俺には彼女の呟きが聞こえていなかった。

なんならその頬が赤くなっているなんて予想もしていなかった。




初めての投稿です。

誤字脱字等あれば連絡いただけると幸いです。

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