お醤油<五円玉
また肩が痛くなった。
醤油が周りになかったので夫が手を使って払ってくれた。
私の肩は軽くなったものの、夫を見ると手を押さえている。
「ど、どしたん…?」
「や、手痺れて痛い…」
「醤油やる?」
醤油ボトルを置いてみても効かず痺れているらしい。醤油は私にしか効かないのか…?
しばらくすると、
「引いてきたから大丈夫だと思う。」
と、普通にお酒を飲んでいた。
この時、ふと疑問が沸いた。
醤油は除霊道具のひとつなのでは…?
夫が素手で払うと手に痺れが行くってことは、
醤油は本人にダメージが行かない為の道具なのでは…?
何故醤油なのかよくよく話を聞くと、
母親が姉に付いた何かをとる時に醤油瓶でドンドン叩いてたのを見たことがある。
との事だった。
どうもお母さん側の家系に痛みをとる力があるみたいで、夫が小さい頃はおばあさんの元にはよく色んな人が痛みを取ってもらいに来ていたらしい。
お義母さんもよく痛みを取っていた様な記憶はあるり、どちらも手どこかしら痛くなっていたようだ。お2人はもう他界されているので実際の所どうなのかもう話は聞けない。
またある日、コレは疲労だよな…と思うものの
念の為、醤油トントンやってもらったが、変わらない。
うん、そりゃそうだよな。疲労だもん。
何でもかんでも霊のせいにしてはダメなのである。
私は、変わらず墓地コースを歩いて帰宅していた。
ある休日、
部屋で休んでいると、また肩が痛くなってきた。
うーん…痛い…
あ、ちょっと気持ち悪くなってきたかも…
と呼吸も荒くなってきた。
なんか変なもんでも食べたかな…
私は割と体調悪くなることが多いので、今回もなんか調子悪いんだろうなと思っていた。
どんどん気持ち悪くなってくる。
吐き気がする。気持ち悪い(||´Д`
と、夫の元へ向かう。
気持ち悪いから背中さすって欲しい。
そう言って背中を向ける。
背中をさする夫。
吐き気モロモロ一気に取れた。
え?
今回もそっち系?
と振り返ると、手を押さえて痺れに耐えている。
ここまで痛がってたことはない。
顔が苦痛に歪んでいる。
だ、大丈夫…と近づくと
触らないで!今めちゃくちゃ痺れてるから!
!コレはヤバいのか…?
醤油!醤油や!これ置けばきっと!
と手に醤油ボトルを置いてみても何も変わらない模様
変わらない?
変わらない 何やってもダメだと思う
軽くなる気配もないらしい。
えー…どうしようか
周りを見渡した所、5円の入った今年の袋が目に入った。
毎年、新年になったと同時に地元の神社に行ってお参りをするのだが、その時にみかんとその年の干支が書かれたポチ袋に5円が入ったものを渡される。
コレなら神様の力が有るのでは!?
と思った私は、ポチ袋を痺れている手に握らせる。
と、瞬間、
ばっと顔をあげ、夫がこちらを見る。
「…取れた!」
「えっ!?」←半信半疑だった
「凄い!」
「マジか…神様凄いね。手は大丈夫?」
「少し痺れてるけどなくなってきてるから大丈夫!」
こんなことってあるんか…
って感じた出来事でした。
お読み頂きありがとうございました。