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金木犀の使徒  作者: 冷泉夏目
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プロローグ「       」

 それを形容するならば、まさに"地獄"という言葉が適切であろう。あたりには倒壊した建物の大量の瓦礫が散乱している。辛うじて残っている建物も、窓ガラスは割れ落ち、床は崩落し、残るは骨組みだけだ。火事の址もある。木造物は炭化し原型をとどめていない。埃と煤が酷く宙を舞い、まるで霧のように視界から光を奪う。


 そんな焼野原の中、一人の少年が目を覚ます。少年はすぐに体を起こそうとするが怪我が酷くうまくいかない。外傷だけでも火傷、打撲、切り傷、裂挫創とみるに絶えないほど惨たらしい。しまいに右目には瓦礫の破片が突き刺さっており、体液と血液がその傷口から滴っている。


 そんなボロボロの彼は、ほとんど悲鳴に近いうめき声をあげながらやっとのことで体を起こす。そして何が起起きたのかを確認するようにあたりをゆっくりと見まわす。


 すると何かを思い出したのか、今度は何かを探すように彼は周りをキョロキョロと見まわしてしている。お目当てのものが見つかったのか、彼は震えながら手を伸ばす。彼が手を伸ばした先には一人の少女が瓦礫の中に横たわっている。少女の怪我は少年ものより凄惨であった。少年と同じような外傷に加えて、右足が欠損し、左手は手首から先がなくなっている。


 少年は今にも泣きだしそうな表情を浮かべながら、少女の手に触れる。


 声にならない声を絞りだしながら、彼の瞳から涙があふれる。少年は嗚咽に体を震わせながら、震える手で彼女の体をゆっくりと抱きしめる。するとあふれる涙は一層勢いを増す。


 そしてついに少年は叫んだ。彼の涙交じりの叫び声が大気を震わせる。彼の声は絶望に満ちていたが、どこか誰かに助けを求めているようでもあった。


 しかしその声に応える者は誰もいない。




 その姿は彼の在り方を物語っているようであった。




 



どうもみなさん初めまして!冷泉夏目と申します。

読んでくださりありがとうございます。

まだシステムなどがよくわかっていないので読みづらかった部分があったら申し訳ないです。

今回はプロローグなので次回から本番になります!

ではまた次回!

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