表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/17

【チンギスカン編】7.奴隷隊vs防衛隊

○戦場


「前に進め!!」

『え』

思いがけない命令にピックリする一同。


「後ろに行けば、敵や黒牛からの攻撃を受けて、死ぬ可能性が高い。

 だったら、前に行けば黒牛もワシらに攻撃する暇がなくなるから、生き残る可能性が高い」

「でも、相手は50艦あるんですよ。」

「解ってる。勝つ確率は少ないがやるしかない。覚悟を決めろ!!」

バンと机を叩いて鼓舞した。


「私はカン様を信じます」

「よし。魚雷で打ち落とせ。」

「はい。カン様。砲撃準備」

サーシャの目の所に、ピンクの透明なレンズが現れた。

目標を自動的に捕捉してくれるレンズだった。


「3、1、12、10、当たれーーーーーー」

時計の方向に見立てて、魚雷を発射していった。

敵の黒い丸い物をどんどん落として行った。


「ダメ。数が多すぎる」

津波のように次から次にくる敵の黒い玉を打ち落としながら言った。


「アルク」

カンはアルクの方を向いた


「解ってます。カードを使いましょう」

「ワシもそう思っていた」

( ̄▽ ̄)ニヤリと笑った。


「カード IN 範囲攻撃 」

挿入口にカードを入れた。


「範囲攻撃を使うには、どすれば良い?」

「カード 範囲攻撃 ON」

アルクが言った。

モニターが光った。


「サーシャ。間隔を開けて打て」

「解りました。カン様」

間隔を開けて打つと、魚雷の爆発が敵の黒い玉を複数個巻き込んだ。

そうすると、次々に爆発が起きて周辺の黒い玉が消えた。


「やったー(^○^)!!一気に黒い玉が一気になくなったーー!!」

喜ぶサーシャ

銀の球体も左右に揺れながら、喜びのダンスをした。( ̄▽ ̄)/イエーイ



○敵伏兵部隊


「我が部隊の攻撃が全て消滅」

「く。誰だ。攻撃を防いでいる者わ」

葉巻を吸っていたイカ男が、地面に葉巻を捨てて怒鳴った。


「隊長。私が目障りな者を始末してきます」

黒イカ男がが言った


「よし。我が部隊の精鋭で一気に潰せ」

「は!!。隊長はその間、敵左軍に攻撃をしていて下さい」

「よし。長遠距離攻撃開始」

イカのモンスター艦は、体全体が透明から黒に変化して、口から黒い玉を次々発射された。


黒イカ精鋭部隊は、一列に隊列を組んでカン達の方に向かった。

進み方は8本の足を同時に曲げて、水中を泳ぐように伸ばして進んでいた。

周りには、大きな岩が沢山あった。


「何だ。我が部隊の攻撃を防ぐくらいだから、

 強いモンスター艦かと思えばランクC2のイルカか」

カン達のモンスター艦を見て、落胆した様子の黒イカ男が言った。

 

 「よし。直ぐに始末して帰るぞ。一斉に触手弾だ」

 『了解』

8本の足から、水で円錐の形をした弾が同時に発射された。

他の艦も同じ攻撃をした。


沢山の攻撃がカン達を襲った。

だが、スイスイ宙を舞う様に華麗に避けた。


「何!!!イルカごときが、我が部隊の攻撃を避けるだと信じられん」

動揺する黒イカ


「どーーーーーーん」

大きな爆発音がした。


「どうした?」

「1艦やられました」

「何----------------(°д°)!! 

 こっちはランクB1だぞ!! 

 胴体のHPが1000あるから、ランクC2の攻撃が最大で399としても、3発当たらないと沈まないはず。

 それがたった1発で沈むなんて・・・くそおおおおーー( ̄△ ̄)!!。

 避ける方だけでなく攻撃も強いとは、なんと凄いイルカだ。認めたくないが性能は俺達より上だ。

 距離を置いて、あみあみの陣で攻撃する」


『了解』

4艦はカン達から、上下左右に分かれて距離を置いた。

黒イカは、モニターを叩いて悔しがった。



○ピンクイルカ


「やったー(^○^)!! 1艦倒した!!」

「良くやった。サーシャ」

「デヘヘへ。嬉しい!!カン様に褒められたよ~(^^)/」

凄く嬉しいそな表情するサーシャだった。

銀の球体も周りが喜んでいるので、ピョンピョン空中でジャンプして喜んだ。(○▽○)/


「ただ、相手の錬度も良いですね」

「そうだ。各艦が同時に素早く距離を置いたからな。十分に訓練されている部隊だ」

「どうしますか?」

「もちろん。攻撃する。打て」

「ハイハイ(^○^)♪♪」

上機嫌のサーシャ。


魚雷は、左の方にいる艦に向って発射された。

イカのモンスター艦は、8本の足を曲げ伸ばす回数を増やして、必死に逃げようとしていた。


「よし。今度も当たり~」

魚雷が当たると確信して喜ぶサーシャ。


「え?」

別のイカ艦が、水で円錐の形をした触手弾によって、魚雷を落とした。


「仲間がフォーロをして危機を防いだか。

 ならば、今度は右の艦だ」

「今度は当たれーーーーー!!」

気合を入れて魚雷を発射するサーシャ


だが、さっきと同じ様に別の艦が、魚雷を落とした。


「カン様~どうしよう?」

涙目の顔でカンを見た。

銀の球体は、サーシャの顔を見て、( ̄▽ ̄)ケラケラ笑っていたが、

周りをキョロキョロ見て、笑ってはいけない状況だと感じ、

直ぐにサーシャの方をチラリと見て真似をし、涙目になってカンを見た。(TдT)涙


「こちらの攻撃が全く効きませんね。」

「ああ。そうだな」

考えるカン


「敵が攻撃して来ました。」

「く!!速い」


4つのイカ艦が銀色に光った。

足を伸ばして細い槍の様に変形して、上下左右から同時にカン達を目掛けて突進してきた。


「どうする?」

「うぁあああ。どうしよう。逃げ場が無いよーー」

上下左右を同時に攻撃されて、サーシャは混乱していた。


「真正面の敵に魚雷を撃って」

「は、はいカン様。行けーーーーーーー」

真正面の敵に魚雷を発射した。


真正面の敵は、魚雷の攻撃を避けきれず爆発した。

「やったーー」

喜ぶサーシャ。

敵を倒して、直ぐに前進した。


「!!!!!!!」

だが、何かに引っかかって前に進む事が出来なくなった。


「どうしました?」

「解らない。前に進まない」

敵が後ろから攻撃をしかけた。


「左に旋回する」

カンは操縦管(そうじゅうかん)を左に倒して、瞬時に左旋回した。

イカ艦は槍のように一直線にカン達を狙ったが、ギリギリの所で避けられた。

そして、周りにあった2つの大きな岩に激突したが、それぞれ貫通させた。


「うぁ。何あの貫通する威力。当たったら、一発で終わりじゃん」

銀の球体は、目が飛び出すくらいビックリした顔だった。(○_○)ビックリ


「早く脱出しないと」

焦るアルク


「解ってる。とにかく、色々な方向に進んで逃げ道を探す」

頭から汗が流れるカン



○黒イカ


「はははは。アミアミの陣はどうっだったかな?

 魚を大量に捕まえる時に使う見えないアミを、包囲した時点で用意してたのさ。

 はははは」

高笑いをする黒イカ男

  

「逃げ場が無いから、後はじっくり倒す。

 全艦。アミの外に出て攻撃せよ」


「カード IN アミ」

テーブルにある挿入口から、カードを入れた。


「カード 通り抜け ON」

モニターが光った

    

イカ艦達は、レーダーに写っている網を確認して、網の外にするりと出てた。


「よし、触手弾で攻撃」

黒イカ男は命令した。


8本の足から水の円錐が、カン達めがけて攻撃を開始した。



○ピンクイルカ


「敵複数攻撃してきます。」

レーダーに水色で丸い点が近づいて来るのを見て、アルクが言った。


「くそ。逃げれない」

色々動こうとしているが見えない網にひっかかて、思うように回避出来なかった。


「ドーーーーーン」

「キャーーー」

「くそ。当たったか。被害は?」

「頭に被弾しました。でもダメージは軽微」

モニターにピンクイルカのHPが表示されていた。

HPが50%以下になると緑色、30%以下は黄色、10%以下は赤色に変化する


口を開けてオロオロする銀の球体 (゜○゜)オロオロ


「第2波来ます」

「避けるのは止めて、敵の攻撃を打ち落とす。」

「でも、後ろから攻撃されたら、死んでしまうかも?」

不安そうなサーシャ


「そうならないために、ダメージを軽減する。アルク、敵の攻撃は何属性だ?」

「水属性です」

「よし、水カエル 水属性防御」

ピンクイルカの下にいる水カエルの口から、水の膜を吐き出して全体を包んだ。


「後ろは捨てて、他の攻撃を防いでダメージを最小限に抑える

 そして、範囲攻撃を使う」

 モニターに範囲攻撃の回数が2と書かれていた。

 

「カード 範囲攻撃 ON」

モニターが光った。範囲攻撃の回数が残り1と表示された。


「サーシャ。さっきの要領で打ち落とせ」

「解りました。カン様」


「10、12、1、3、落ちろーーーー!!」

時間の方角を見立て、次々に攻撃をした。

すると、水の円錐に当たり爆発した。すると他の弾にも誘爆して、敵の弾が綺麗になくなった。


「ぐうううう」

「きゃーーーー」

だが、後ろから攻撃してきた弾が当たりダメージを負ってしまった。

艦が大きく揺れた。


「アルク、状況は?」

「胴体に大ダメージ。HPが50%以下になりました」

モニターに、胴体のHPが緑色に表示された。


「くそ。もう1回攻撃された。まずい」

焦るカン


「どうしよ。カン様~」

銀の球体も体を左右に揺らして、落ち着かない表情だった。<(◎_◎)>ブルブル


「第3波来ます」

(どうする?考えろ。考えろ。何かあるはずだ)

カンは腕組みをして、必死にこの危機から回避する方法を考えていた。



○奴隷軍の右軍


カンが戦っていた左軍に伏兵が攻撃したように、右軍にも伏兵が出現し攻撃を受けていた。

それにより、左軍と右軍が足止めを食らって、中央軍だけが大きく前進して孤立してしまった。

        ・・・・

左軍への攻撃は、偶然いたカン達の活躍により損害は少なかったが、右軍の損害は大きかった。


右軍では、沢山のモンスター艦が混乱していた。

敵の攻撃してきた黒い丸い物の中には、ミニモンスター艦ダニが10体いたのである。

モンスター艦に当たると割れて、10体のダニが出現し、モンスター艦のHPを吸い取っていた。


「くそ。このいまいましい。ダニめ」

黄色サルのモンスター艦にいる、白いヒゲを生やしたサル族のサル爺100艦長が言った。

自分の艦についているダニに向って、モンスター艦の手に持つ杖から雷を放ちどんどん倒していった。


突然、隣のカマキリ艦からいきなり、炎に包まれた大鎌が襲い掛かって来た。

だが、サル爺はさらりと避けた。


「何をするんじゃ。ボケ」

「解らん。勝手に攻撃するんだ。あーーー止めてくれ~」

カマキリ艦は連続で、炎に包まれた大鎌を振り回していた。


「ダニに乗っ取られたな。南無阿弥陀仏」

サル爺は、両手を合わせてお経を唱えた。


カマキリ艦は、また炎に包まれた大鎌をサル艦に向って攻撃した


「電撃3連波」

サル艦は杖を振り上げた。

すると、横3列に電撃の衝撃波が、炎に包まれた大鎌だけでなくカマキリ艦の本体も三つに斬った。


「ぐわあああ。なぜーーーー」

カマキリ艦は爆発した。


「ダニ如きに乗っ取られるお主が悪いのじゃ。南無阿弥陀仏。

 これを収束するのは、時間が掛かりそうじゃ」

サル爺が、周りの状況を見て独り言を呟いた。


他の所でも、ダニに乗っ取られたりして、味方同士の争いが始まっていた。

これにより、混乱して右軍は進軍が出来なくなってしまった。



○ボボとトンボ


右軍で混乱が起こって大変な時に、ボボとトンボは、艦内でくつろいでいた。


「兄貴。外が騒がしいね」

イスに座って読書をするトンボ


「そうだな。弟よ」

寝そべって、りんごを食べてゴロゴロするボボ


「まさか。僕達がここにいるとは誰も思わないだろうね」

「だな。俺達みたいに弱い奴は、戦闘に参加すれば直ぐに死んでしまう。

     ・・・・・・・・・・・・

 だから、地上に降りて木に擬態する事で、

 戦闘が終わるのを待つ戦法こそが、弱者の戦いよ」


ボボ達が乗るカメレオンのモンスター艦は、

戦闘が始まる前にステレスカードで消えて地上に降り、

大きな木に擬態していたのだった。


「でも、カンガルーにばれないかなぁ~」

「大丈夫。大丈夫。ステレスカードを使ったから、

 見えないし、レーダにも写らないから、攻撃出来ないさ」

「そうだね」


「所で弟よ。食料カード持っているだろ?よこせ」

「な、何を言ってるんだい?

 奴隷になった時に没収されたじゃないか」

動揺するトンボ


「カードボックスの方はな。でも、検査をしない靴下の所にあるんだろ?」

じろりと見るボボ


カードボックスは、カードを持ち運ぶ必要がなく、魔法を唱えれば直ぐに取り出せる便利なボックス。


「し、知らないな~」

目が泳いでいた。


「じゃ。調べるか」

ボボは起き上がった。


「解ったよ。兄貴~」

トンボは観念して、靴下の中から食料のカードを取り出し、渋々ボボに渡した。


「やっぱり、俺達の大好物じゃないか。一人で食べようとしたな」

「ち、違うよ」

「じゃ。俺が食べても良いんだな」

「良いよ。でもちゃんと残しておいてよ」

「解った。解った。カード IN 食料」

食料のカードを挿入口に入れた。


「カード 納豆 ON」

すると、大量の納豆パックとお箸のセットが出てきた。


「うひょう~~~美味しそう(^○^)/)」

パックを開けて、お箸を使ってバクバク食べ始めた。


「何で隠し場所が解ったんだろ」

「それは、兄弟だからさ。うめぇ~~~」

どんどん、納豆を美味しそうに食べ始めた。


「所で、スッポン族の女ビビ100艦長は、ここを見つけないよね」

「ごほ、ごほごほごほ」

納豆を詰まらせた。


「いきなり、何を言うんだ。弟よ。見つかるわけないだろ

 まさか、地上に降りているとは思わないだろうし、木に擬態しているから大丈夫だって」

「でも、あの執念は凄いからな~」

「さすがにそこまでわな~」


「!!!(°д°)!!!!」

二人は思わず外を見てビックリした。


カメのモンスター艦に乗っているビビが、木の周辺を探していたからだ。


「どこに行ったのよ。あなた。」

キョロキョロ探しているビビ。


すぐ隣の木に擬態しているカメレオンは、見つかるかもしれない不安から汗がどんどん流れた。


「ビビ100艦長。そろそろ戻られた方が」

ビビのモニターに、フグの男が言った。


「うるさわいね。行きたいなら行きなさい。おらは探し物を見つけてから行くから」

「俺達だけで行ってもな~」

モニターに写っていた他の10艦長達が、お互いを見て言った


「だったら、探しなさいカメレオンのモンスター艦よ。きっと隠れているに違いないから」

『解りました』

10艦長達は、自分達の艦隊を引き連れて捜索しに行った。

 ・・・

「絶対に探し出してやるんだから」

ビビはそう言って、どこかへ行った。


「あぶねぇ~。危うく見つかる所だった。スッポン族だけに凄い執念だな~

 捕まったら何されるか解らんぞ」

ボボは、両手をクロスさせて肩を掴みブルブル寒気を感じた。(×_×)ブルブル



○ドラゴン戦艦


「くそーー。伏兵がいたとわ。最初から我々がここに来る事を見越して、伏兵を用意してたな。

 向こうの指揮官の戦術は、さすがだ。状況は?」

アリ族のブンブン軍曹は、相手の指揮官の力量を認めて冷静に分析しようとしていた。


「左軍の損傷約27艦で、残り270艦。

 中央軍は損害なし。 残り400艦。

 右軍の損害約200艦で、残り100艦」

 

「何!!右軍がそんなにやられたのか」

「はい。レーダーで確認しました」

「くそーーー」

テーブルを叩くブンブン軍曹


ブンブン軍曹にとって、大きな誤算だったのは、

ビビの部隊100艦が戦場を離れて実は、カメレオンを探してるのを知らなかった事だった。


「ブンブン軍曹。早く事態を収拾しなければ」

「解ってる。左軍ベルンザ100艦長と右軍サル爺100艦長に伝達。

 状態回復の魔法を唱えよと伝えよ」

「了解」


部下がサル爺100艦長達に伝えた時、レーダーに動きがあった。


「大変です。敵が中央軍に接近してきました。」

「やるな。こっちの隙を見て攻撃するとわ」

「どうしましょう?」

「中央の1番前にいる蚊族のササグ100艦長に、防いで貰おう」

「了解」


「それにしても、ここまで混乱するとわ。情けない。

 やはり、寄せ集めの部隊はこうも弱いのか」

渋い顔をして嘆く、ブンブン軍曹だった。



○防衛軍


「左軍の攻撃が余り効いてません」

    ・・・・

「左軍に優秀な奴がいたんだろ。構わん。足止め出来れば十分だ」

常勝と書かれた白いマントに、黒い軍服を着たリス族のリータが言った。


奴隷軍は横一列で進んでいたが、左軍と右軍が伏兵の攻撃で混乱し足止めを受けたので、

中央軍だけが孤立して、大きく前に出る形になった。


「孤立している中央軍に突撃!!」

持っていた剣を前に出して言った。

リータの乗る赤いライオンのモンスター艦が、先頭を走って突撃した。



○中央軍


「ほほぉ~。生きの良い奴が来たな。全艦先頭を狙って打て~」

蚊のモンスター艦に乗る蚊族のササグ100艦長が言った。

中央軍の艦隊が、先頭の赤いライオン目掛けて攻撃した。


青いイワシの形をした水属性の攻撃や無属性の魚雷など、様々な遠距離攻撃が、一斉に放たれた。



○防衛軍


「サウル兄弟」

『御意』

リータが乗る赤ライオンの前に、ギリシャ神話に出てくる顔が3つある犬のケルベロスが、2体出てきた。


「行くぞ。サウ」

「おう。ウル」

『カード IN シールド』

二人同時にカードを挿入口に入れた。


『カード シャボン ON』

二人のモニターが同時に光った。


すると、リーターや後ろのモンスター艦を守る様に、広範囲に大きなシャボン玉が出現した。

攻撃してきた青いイワシの形をした水属の攻撃は、

シャボン玉の中に入ると更に小さなシャボン玉に包まれて、爆発せずクルクル回っていた。


他の遠距離攻撃も同じ様に、小さなシャボン玉の中に入りクルクル回っていた。


「やるぞサウ」

「OKウル」

『解放』


すると、シャボン玉の中から遠距離攻撃が飛び出して、奴隷軍の方に向けて行った。


○中央軍


「何!!!!こちらの攻撃が全部戻ってきたぞ」

「ギャーーーー」

「ぐうううぅうう」

自分達が攻撃した遠距離攻撃が次々に被弾して、爆発して死んでしまう者もいた


「反則だぞ。そんなのありかよ」

蚊族のササグ100艦長が悔しがる。


「こうなれば接近戦で叩くしかない。ササグ隊前に出るぞ」

攻撃艦が多数いるササグ隊の80艦が前に出た。


「赤ライオン。お前の首を取ってやる。死ねーーーー」

ササグは、蚊が血を吸う口を槍の様に前に出して、(はね)()ばたかせて突撃した。



○防衛軍


リータの赤ライオンは速度を弱めず、駆け抜けて行った。


「サウル兄弟。下がれ」

『御意』

サウル兄弟は、後ろに後退して隊の中に入った。


「我に続け」

「オウーーーーー!!」

後ろにいる部隊に鼓舞をして、さらに加速した。


「カード IN 魔道剣」

リータは、カードを挿入口に入れた。


「カード モード1 ON」

モニターが光った。


赤ライオンと同じくらいの大きさで、長方形の黒い剣が現れ口にくわえた。

「必殺、バーニングアッパー切り」

赤い炎に包まれた剣で、斜め下から上へ剣を振り上げた。


「こしゃくな。必殺、一点ちゅうー突きだ」

ササグ100艦長が、口の部分が真っ赤に変わって、リータ目掛けて突いた。


両者が交錯した。


「ぎゃーーーーーー」

ササグ100艦長の蚊が上空に浮かび上がり、体と口の両方とも斬られ火だるまになって爆発した。

しかも、周りにいた5体のモンスター艦もササグ100艦長と一緒に斬ってしまっていた。


「雑魚に用はない」

赤ライオンは、首を器用に使いながら口にくわえた大きな魔道剣で、ササグ隊を切り刻んでいった。


「なんて強さだ。ぎゃーーー」

口にくわえた大きな剣を横に一振りする事で、5体から10体を剣で一気に斬り、火だるまにして爆発させた。

そして、ササグ隊を蹴散らし、どんどん倒して先に進んでいった。


「死ねーーー。消化液」

カタツムリが口から消化液を赤ライオンに向って掛けた。


「カード 呼び寄せ ON」

チラリと左を見たリータは、少し離れた左にいるバッターのモンスター艦を、

突然赤ライオンの所に、呼び寄せた。


「何で? ぐうぁあああ」

バッターのモンスター艦は、赤ライオンの身代わりとして、消化液を受けた。

そして、溶けてしまった。


「く、何て方法で防ぐんだ。もう1度くらえ」

「同じ手は通用しないよ。バーニングフェニックス」

赤ライオンは、消化液を素早く上にジャンプして避け、燃え盛る炎の剣を振り抜いた。

すると、剣から全身炎に包まれた火の鳥フェニックスが放たれて、カタツムリに攻撃した。

カタツムリは、避ける事が出来ずに首を斬られ、顔が炎に包まれて死んだ


そして、中央軍を突き抜けて分断する事に成功した。


「よし、左に旋回して分断した左の部隊を叩く。

 カード モード2 ON」

リータが言うと、口にくわえた黒い剣が、両方が鎌の形をした銀色の武器に変化した。


『了解!!』

後ろにいる部下達が言った。


「また、あの赤ライオンが来るぞ。連携攻撃だ」

スズムシのモンスター艦が、連射性能が高いバルカン砲で、土属性の小さな岩を発射した。

赤ライオンは、左右にステップして軽やかに避けた。


今度は、パンダのモンスター艦が、自分の体毛を伸びした。

赤ライオンは、体毛を斬ったが次々に体毛が襲ってきて、体の胴体に体毛が絡み付き、動きが遅くなってしまった。


「よし。今だ。」

「カード 巨大化 ON」

ゴリラのモンスター艦3体が、巨大化して赤ライオンに襲った。


3体ともジャンプしてパンチを繰り出した。

赤ライオンは、口にくわえた両方が鎌の武器で防いだ。


「ぐぐぐぐぐぐ」

3体のゴリラが感電して、しばらく動けなくなった。


天殺氷槍(てんさつこうそう)

赤ライオンの後ろに追走していた、ユニコーンが魔法を唱えた。

すると、パンダやゴリラ達の上空が黒くなって、沢山の氷槍が雨の様に降ってきた。


『うぁあああああ』

「助けてーーーーー」

感電して身動きが取れないゴリラは、次々に氷槍がささり、体全体が凍って落下した。

パンダやスズムシも避けていたが、あまりにも沢山の氷槍が降ってきたので、

避けきれず凍って落下した。


ユニコーンは、赤ライオンに取り付いてる体毛を槍で斬った。


「助かる。シャルル」

「どういたしまして」

水の妖精ウンディーが言った。


「さぁ。一気に行くぞ」

「おーーー」

リータが鼓舞した。


防衛軍は、リータが勢いに乗じて、分断した左の部隊に攻撃した。

訓練された部隊と寄せ集めの部隊の差が大きく表れ、左の部隊は抵抗空しく全滅した。


「よし。右に旋回して残る右部隊を全滅させる」

「リータ様。敵に動きがありました。」

「どうした?」

「左軍と右軍がそのまま本部の方へ向かいました。」

「なるほど。敵の中央軍で足止めさせる気だな。

 隊を2つに分ける。シャルルの部隊200は、中央軍の残りを殲滅もしくは足止め

 私とソーダの部隊は本部へ向う」


モニターに写っているシャルルとカマキリ族のソーダに言った。


「解りました。」

「はいよー」

二人とも答えてモニターから消えた。


「イエーイ。いよいよ俺っちの仕事。リータも終わりじゃん」

青い帽子のツバを逆側に被ったソーダがガムを噛んで、風船を作って言った。



◎残りの戦力


 ・シャルル部隊200 vs ブンブン軍曹200


 ・リーター部隊150 vs 右軍のサル爺部隊100

  ソーダ部隊100    左軍のベルンザ部隊270

          

 ・黒イカ部隊3 vs カン

 ・左伏兵部隊45+右伏兵部隊50

 ・ビビ部隊100【戦闘に参加せず、ボボを捜索中(^○^)w】


◎合計戦力

防衛軍548 VS 奴隷軍671



○ハイヤーとランラン


アヒル号は、緑の大きな球体の上に、小さな黒いビラミッドが乗っている本部の所までやってきた。


「いよいよ。はじまりだな」

「奴隷ちゃんどうするの?」

「まずは、敵の砲台を黙らせる。それには・・」

「うん。解った」

アヒル号は本部の下から上へ飛んだ。


「バカ。まだ説明がまだだろ」

「え?そうなの。もっと早く言ってよ」

「言おうとしただうがーーーー」

怒るハイヤー


「あ!!敵が撃ってきたよ」


緑の球体から赤い鬼の顔が出現した。

口から発射砲が出てきて、鬼の周りに赤い魔法陣出現し、

クルクル回転して徐々に口にある発射砲に近づいた。

そして、ピカリと光ると赤い炎の玉が、アルヒ号に向って撃ってきた。


ランランは、ひらりと回避した。


「鬼さんが一杯こっちを狙ってるね」

「結構速い攻撃だったが、大丈夫か?」

「大丈夫。大丈夫。ランランに任して~(^○^)♪♪」

嬉しそうなランラン


「いや。それが心配だよ。何だか胃が痛くなった」

お腹を抑えるハイヤー



○防衛室


「たった1艦ではないか。早く仕留めろ」

長官のオーディスが言った。


「ですが、速くて当たりません。」

「数を増やせ」

「ハ」

黄色いヘルメットを被った小さいトカゲが、1人から10人増えた。

モニターを見ながら、両手で長方形の操縦管(そうじゅうかん)を握ってボタンを押して攻撃をした。


一気に10倍の鬼砲台が現れ、攻撃を開始した。

雨の様に降り注ぐ火の玉をアヒル号は、左右に避けたかと思えば、1回転して軽やかに避けた。



○ハイヤーとランラン


「ね!!大丈夫でしょ」

「ああ、そうだな。うぁああ」

ギリギリで火の玉を避けているので、不安でしょうがないハイヤー


「逃げるのは良いんだけど、攻撃が全く効かないよ」

「もちろん。カードを使う」

ハイヤーは、カードを1枚取り出した。


「え?今度は何何何( ̄○ ̄)?」

興味深々のランランが、ハイヤーの方を向く


「バ、バカヤローーーーー前を見ろ!!」

「あ!!そうだった。テヘ」

下をぺろりと出すランラン

火の玉が当たりそうになったが、1回転をして避けた。


「良いか。よそ見をするな」

「ホイホイ」

軽い調子で答えた。


「何だその言い方わ

「ホ~~~~~~~~~イ(^○^)/」

片手を上げて楽しそうに返事をした。


「ふぅ~。言っても無駄だな」

ため息を付くハイヤーだった。


「よし。やるか。カード IN 攻城兵器」

カードを挿入口に入れた。


「カード 秘密兵器 ON」

モニターが光った。


「よし。鬼砲台に接近して、俺が合図したら攻撃しろ」

「うん。解った」

ランランは、避けながら鬼砲台に近づいた。


「今だ」

「はいは~~~い(^○^)♪♪」

ランランは攻撃ボタンを押した。


アヒル号のお尻から、茶色の塊が次々に発射された。

鬼砲台の口や顔にぺちゃりとくっついた。

鬼砲台は、眉間にシワを寄せて凄く嫌そうな顔をした。


「あれ?全く攻撃しなくなったけど、どうしたんだろう?」

「クククク、今攻撃をした奴らは大変な事になってるだろうさ」

( ̄▽ ̄)ニヤリと笑うハイヤー



○防衛室


「ぐあああああ」

「おえええええ」

鬼砲台を扱っていたヘルメットを被った小さなトカゲ達が、一斉に吐き気や鼻を押さえていた。


「どうした?」

オーディス長官が言った

              ・・・・・・

「く、臭すぎるんです。まるでウンチの匂い・・・おぇええええ」

イスから崩れ落ちて、両手を地面について嗚咽していた。


「何と卑劣な攻撃をする奴らめ。鼻を押さえて何とか攻撃しろ」

「は・・・・い」

一人の小さいトカゲが、鼻を押さえて攻撃した。


「ボン」

爆発した音が聞こえた。


「今度は何だ?」

「鬼砲台が破壊されました」

「何?どうやって?」

「どうやら、あの茶色物が鬼砲台の発射砲を塞いでしまい、

 暴発して壊れてしまったみたいです」


「く、これじゃ。攻撃出来ないではないか。

 茶色物が付いてない鬼砲台を探して、攻撃しろ」

「は、はい」

鼻を押さえながら、相当臭そうな顔で言った。


「こんな攻撃を思いつくとは、良い性格してる」

オーディスは、顔をしかめ腕組みをした。


○ハイヤーとランラン


「はくしょん」

ハイヤーがくしゃみをした。


「どこで、俺の噂をしたな。( ̄▽ ̄)フフフ」

鼻をすすりながら言った。


「ねぇねぇ。あの茶色物は何の?」

「・・・・・・・・・・・・・・」

ハイヤーは、何か言って欲しいそうな顔をしたが、ランランはスルーして質問をした。


「ああ。あれはウンチだ。」

気を取り直して質問に答えた。


「ええええ( ̄○ ̄)!!ウンチなの」

目を大きくして驚くランラン。


「そう。ウンチが鬼砲台にくっ付くと、操作している人に臭い匂いが伝わるんだ。

 そして、発射砲の所にくっ付くと、固まって塞ぐんだ。

 そうすると、攻撃した時に暴発して、鬼砲台が壊れて使えなくなるわけさ」

得意げに話すハイヤー


「じゃ。みんなウンチの匂いで臭いんだ」

「そういう事。臭すぎて少しの間、何も出来ないはずさ」

「奴隷ちゃん。やる~~~(^○^)!!」

親指を立てて、ハイヤーを褒めた。


「まぁな。当然さ。フフフ」

嬉しそうなハイヤー


「じゃ。どんどん。ウンチ攻撃するね」

「ああ。思いっきりやれ」

「やった~~~(^○^)/

 ウンチ、ウンチ、ウンチ~~~♪♪」

ランランは楽しそうにリズムに乗って、ボタンを押してウンチを発射した。

アヒル号のお尻から、ウンチがどんどん出て、鬼砲台に次々とウンチが付いた。


操作している連中は、・・・・・想像にお任せします( ̄▽ ̄)ニヤリ



○防衛室

           

防衛室は混乱していた。

      ・・・・

ハイヤー達の嫌がらせにより鬼砲台を操作していた者が、あまりの臭さに床に倒れていたからだ。


「もう許さん。あれを使うぞ」

「え?あれですか? でも、勿体ないのでは?」

      ・・・・・     ・・・・・

「かまわん。たった1艦で、鬼砲台の35%もの数が使えなくなってしまったからな。

 準備しろ」

「は」

部下は、慌てて準備を始めた。


「あのいまいましい。アヒルもこれで絶対に終わりだ」

握り拳を作って、怒っているオーディス長官が言った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ