第五話 買い物をしていただけなのに
「…得意な武器何?」
おお、いつもより喋る。じゃなくて武器ね
得意な武器ないんだよな〜。
「特に何もないけどおすすめとかある?」
「…私は近接専門。パーティ組むんなら遠距離頼む。」
やっぱいつもよりよく喋る。
「投擲とか?」
なんか邪魔になる気がs「ただの邪魔」
最後まで喋らさせて〜!
いまいちピンと来なかったので防具を見る
うわ、本当にゲームっぽい防具が並んでいる。ん?あれ忍者衣装じゃない?いや、けど忍者。うーん、やだ。ん?あの黒いローブがいいかもしれない。
「あのローブとか良さそうだと思わない?」
店員さんに確認してから試着して見る。
「どう?なんか意見が有れば」
「…ん。似合ってる。」
やっぱ普通男女逆じゃない?
結局俺はローブとナイフを買い店を後にした。
「どっかでご飯食べて行かない?」
昼だしお腹空いたしデートらしいことしたいし。…最後の一つが本音で最初の二つは建前です。いや、だってさ?可愛い子が目の前にいるんだよ?そりゃさそうでしょ。
ナンパじゃあるまいし。
「ん。奢って。」
…もとよりそのつもりだったよ?だけどそこまでストレートに言わなくても良くない
ですか?まぁオッケーだったから良いんだけどね。
そんなこんなで無事?リンさんとご飯が食べられる感じになった。
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「なんか食べたい料理ある?」
ここは彼女に選択してもらおう。あれ?だけどさっきからずっとリンさんに任せっきりかもしれない。
「ん。食べられるものならなんでも」
雑食かよ!
じゃなくて、ん〜無口な人に食べさせるのは…オムライスとか?って、そもそも異世界だからそんなものないじゃん!○○焼きとかしかないし、あ、市場で卵が売ってたはず。オムライスのことを考えたら食べたくなったから、ってよくよく考えたら調理場がなかった。
どうしよう…
- - -
結局ランチはちょっと高いけど美味しいお店にきた。(いつもは食べ○グ使ってたけどスマホがないから滅茶苦茶苦労した。)
だが、
「んっ!めっちゃ美味しい!こんなところあったんだ〜!」
えーっと誰?って感じてリンさんのキャラが変わった。というか笑った顔めっちゃ可愛い。
「美味しい?それは良かった。」
いつもの感じもいいなと思ってだけどやっぱり女の子は笑顔が1番可愛いや。
うん?リンさんの顔が赤い。熱でもあるのかな?
「リンさん?熱でもあるの?大丈夫?」
ヤバイ、全く聞く耳を持ってない。
大丈夫かな?ん?なんか言ってる?
「….可愛いって言われたどうしよう、うーん。初めてそんなこと言われた笑顔が1番可愛いって恥ずかしい///」
うーん。聞こえない。まぁいいや、
「熱あるか確認するよ?」
リンさんのおでこに手を添える。
…平熱だ。恐らく36.5ぐらい。大丈夫かな
「…恥ずかしい…って…………ふぇ?
え?ふぁ?」
あ、リンさんから湯気が出た。りんご病かな?
「ちょ、ちょっと、恥ずかしいよ。」
ああ、そういうことか。普段のキャラが崩れて恥ずかしがってた訳ね。
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会計を終わらせて外に出ると少し顔が赤いリンさんが待っていた。
「ん。有難う」
あ、口調が元に戻ってる。
「もう普通に喋れば良いのに。」
あ、また顔が真っ赤になった。相当恥ずかしかったのかな?
「う、うん。こんな感じで良いの?」
やっぱ可愛い。
「うん。その方がいい。どっか行きたいところとかある?」
この世界娯楽がないから行くところなど無いのだが。まぁ、一度言ってみたいセリフだったし言えてよかったでしょう。
「モンスターでも狩らない?」
…物騒だな、おい!って娯楽がないから行くとこないのか。
まあ、装備の具合も確かめたいし行って見るか。まずは冒険者ギルドへ!
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「パーティー登録ですか?」
2人で依頼を受けようとしたらパーティーを組むという話になった。けど、2人ともパーティーなど組んだことが無いから手続きに困っているということだ。
「取り敢えず1ヶ月組んでみる?」
その時、彼女の顔に翳りが見えたのに俺は気が付かなかった。
「う、うん。そうする?」
それ以外は順調に進んでいった。
やー、けどメインの武器どうしよう。
取り敢えずはナイフと魔法かな?
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やってきました『鬼の迷宮』!
メンバーは俺とリンさんだ。
まさかこの世界に迷宮なんてものがあるとは思わなかった。迷宮からは倒したモンスターの属性の魔石がドロップするらしい。
しかも、しかも!なんと宝箱が存在するらしい。『THE FANTASY』!って感じだ。
他にも色々取れるらしいが今は魔石とかが欲しい。あと、ボス部屋の前には食料や
回復アイテムがあるらしくとても親切設計らしい。
ということで、let's go!
まずはリンさんの戦闘スタイルを見て合わせられるか判断する。
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〜第一階層〜
出現モンスターはゴブリンが出るらしい。
あ、見慣れてるゴブだ。リンさんはというと…あ、歩いただけで殺されてる。これ、
俺必要ないやつやん。
リンさんは拳や体に魔力を纏わせて敵を倒す戦闘スタイルで、イメージにそぐわない戦い方でした。まぁ、精密な魔力コントロールが必要らしく扱いが難しいらしいのだが。
「ねぇ、瑠衣はどんな感じで戦うの?」
…あれ?地味に名前呼ばれたの初めてじゃない?というか俺まだ戦闘スタイル決まって無いんだけど?
「魔法での遠距離攻撃かな」
うん。嘘はついてない。一応一回やったからね。…昨日。ゴブリンに怖気付いてたけど。
そんなことを考えてるとゴブが群がってきた。纏めてやっちゃいますか。
思い浮かべるのは…打ち水、いや、
「水属性魔法:夕立ち!」
俺とリンさん以外の場所に雨を降らせる。
地面が濡れたところで、
「雷属性魔法:落雷」
その瞬間、第一階層のモンスターが、1匹残らず魔石に変わった。何故かって?
俺が取った作戦はこうだ。水属性魔法で俺とリンさん以外の地面を水びたしにして、
そこに雷を魔法で落として漏電させる。そうすれば広範囲まで落雷の威力が届くって訳だ。
「…え?ねぇねぇ?何今の?ゴブリンが全滅したように見えるんだけど?私の見間違い?あ、夢か〜。最後にこれだと現実味が薄れるな〜。」
あ、ヤバイ。リンさんが現実逃避してる。
さっきからぶつぶつ言ってる。
「いえ、現実ですよ?目の前に転がる魔石を見てください。」
だけど…この数の魔石どうしよう?
拾うのめんどくさいな〜。掃除したはいいけど、ゴミを集めるのが面倒なやつだ。
うん?ゴミ掃除?掃除機。うん。できる。
「風属性魔法:ル○バ!」
あっという間に魔石を回収できた。
あ、リンさんが大変なことになってる。
やっぱ現代科学の力は凄いわ。
「ねぇ、これ私必要なく無い?」
いや、それは無い。俺ができる広範囲魔法ってこれぐらいしか無いし、魔力切れたら終わりだしソロで潜ってもたまらないし…
必要ない理由が思いつかない。
「逆に必要ない理由がないですよ?」
そんなこんなで無事迷宮の1階層を制覇することができた。
「今日はちょっと色々あったし、明日から迷宮に本格的に潜らない?」
そんなリンさんの提案もあって俺らは
『月見亭』に戻った。とても充実した1日だった。では、ステータスを見るとしよう
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名前:立花 瑠衣
性別:男
種族:人間族
称号:隠れスキル保持者・緑鬼皇帝殺し
(他人からは視認不可)
加護:なし
職業:1.暗殺者2.賢者
スキル
鑑定眼Lv2/10
超回避Lv1/10
自動回復Lv1/10
一撃必殺Lv1/10
忍足Lv6/10
全世界万能辞書Lv3/10
賢者の頭脳Lv7/10
生存本能Lv1/10
創造Lv1/10
レベル60
体力:3250/3250←500up
魔力:110026/12000←2000up
防御力:500/500(職業上限値)
回避力1000