第1話はしゃいでいただけなのに
あれから散々考えた挙句、俺のステータスはこうなった。
名前:立花 瑠衣
性別:男
種族:人間族
称号:隠れスキル保持者
(他人からは視認不可)
加護:なし
職業:1.暗殺者2.賢者
スキル
鑑定眼Lv1/10
超回避Lv1/10
自動回復Lv1/10
一撃必殺Lv1/10
忍足Lv1/10
全世界万能辞書Lv2/10
レベル1
体力:300/300
魔力:1500/1500
防御力:150
回避力200
- - -
こんな感じだ。
職業を選んだらスキルも追加された。
これは後から知ったことだが、最初にステータスをいじる時は時の流れが自分だけ遅くなるらしい。
「で、どんな感じだったんだ?」
俺は自慢げにステータスを報告する。
勿論、2ndjobは転移者の、しかも隠しスキルを手に入れなければでない物なので、
暗殺者にしておいた。
「はぁ、この歳でレベルが1のやつは初めて見たぞ。どうしたらそんなことになるのだ?蟻を踏んでも最初はレベルが上がるのだぞ?」
…マジか。
蟻を踏むだけでレベルが上がるのか。
それゃあ不思議がられるな。
「まぁ色々あって」
いや、何もないのだが。
「ふむ、レベルドレインの魔物に運悪く出くわしたか。それよりついたぞ。ここが冒険者ギルドだ。」
おお〜、なんか年季の入った建物だな。
中に入ると酒の匂いがぷんぷん…ということもなく、とても綺麗な建物だった。
受付に行くと、エロフ…ゴホンゴホン
エルフが受付をしていた。やっぱこの世界にもそういう人達いるのか。
「新規登録をお願いします。」
「はい。ではこの紙の説明に従って記入してください。」
そういった手続きをしたら冒険者カードが貰えた。
「貴方はFランクからのスタートになります。冒険者カードは紛失すると再発行に
銀貨3枚が必要になりますのでお気を付けて下さいね。では良い冒険を!」
冒険者カードを見てはしゃいでいるとメイプルさんは私用があるらしく俺と別れるという話になった。
「私は忙しいのでこれで失礼する。何か困ったことが有れば頼れ。さらばだ。」
「有り難うございました」
ふう、これで一通り終わった。あとは宿にでも…って俺無一文字じゃん!
「えーっとクエストの受注は掲示板を見るんだっけ?」
冒険者は自分のランク上下1つ差までしか受けられない。俺の場合FだからEかFの二択ということだ。で、今受けられるクエストは、
リニア草採集
報酬銅貨 3枚
リニア草を10束ほど持ってきてくれんかのぅよろしく頼む。
期限 あと10日
迷い犬探し
わんちゃんがいなくなっちゃったから
ぼーけんしゃのみなさんさがしてください
報酬 銅貨 2枚
期限 無制限
・
・
・
こんな感じだ。そんでもって宿が大体1泊大銅貨3枚だからEランクの討伐依頼をこなした方がいいな。
- - -
よし、まずはレベル上げだ。
ということでやってきましたゴブリンとの出会いの草原。ちなみに今武器はメイプルさんにもらった剣だけだ。
ゴブリンにリベンジマッチ。
とりあえず『全世界万能辞書』で事前に
調べておいた。
ここら辺に生息しているのはLv5〜10の雑魚ばっからしい。
お、先ずは一匹目。
まだ距離がありそうなので『忍足』を使ってゴブリンの背後に回る。そこからメイプルさんにもらった剣で真っ二つにする。
「うげぇ、気持ち悪い」
ヤバイ。最初から人型の魔物を狩るのは負担が大きかったかもしれない。
※※※『精神攻撃耐性』を獲得しました。
うぉ、びっくりした。
これがこの世界のスキル獲得時の通知か。
いきなり頭の中に声が入ってくるというのはなかなかどうして新鮮だね。
2体目のゴブリンを発見。
また『忍足』で近づいて一閃。
あれ?あの、気持ち悪さがなくなった。
スキルってスゲーわ。
しかもゴブリンの顔直視してもなんとも思わなくなったし。というか、ゴブリンの顔って精神攻撃に入るのか。
結局調子に乗ってゴブリンを狩りまくって
その日の宿代を稼いだ。
暫くはゴブリンと採集依頼を受けて生活費を稼ぐか。
宿は素材買取の窓口で並んでるときに聞いた。
「えーっと、此処を左で、その突き当たりを右か、」
5分ぐらいで宿に着いた。
宿は『月見亭』っていう冒険者に似合わないところだ。中は冒険者に合うような感じらしいが。
とりあえず中に入ってみる。
おお!ケモ耳や!マジか!エルフいるから獣人も居るかなとは思ってたけどこんなに早く出会うとは!マジで感激!
「あの〜お客様?聞いてるかニャー?後ろがつっかえるから早くしてほしいニャ。」
うわ、やべぇ転移前に友達に連れられて語尾が「ニャー」になってて、つけ耳のメイドか沢山いる店に行ったが、あんなのとは比べ物にならないくらい自然だ。
「あ、すみません。1人部屋で一泊お願いします。」
やー、この宿神だ。
「大銅貨4枚となります」
…え?三枚って言ってなかった?わっつ?
俺三枚しか持ってないんだけど。
「此処って一泊大銅貨三枚じゃないんですか?」
「昨日値上げしたニャないならどいたどいたニャー。」
え?どうしよう。うわ、めっちゃ笑われてる。最悪どうしよう。俺の異世界ライフ終わった。
「ん。これ。大銅貨1枚。明日2枚にして返せ。」
どうしよう誰かーってえ?今の幻聴?
「ほら足りないんでしょ。私は204号室に
いるから、明日2枚にして返せ。」
横を見ると『the無口!』っていう感じの女の人が俺に大銅貨1枚を差し出してきた。
「有り難うございます!えーっと…」
「リンだ。じゃあ明日返せ。」
リンさんっていうんだ。漢字に直したら
確かにそんな感じの名前だ。
「おい。あのリンさんから金借りたって本当か?」
チェックインを済ませて階段を登ろうとしたら酒を飲んでた冒険者に絡まれた。
「あ、はい借りました。」
え?俺なんか変なこと言った?
めっちゃみんな俺のこと見てるんだけど。
「ああ、すまん。あいつが喋るのってほんとに必要な時だけだからみんな驚いてるだけだ。」
リンさんは巷で『寡黙姫』と呼ばれているらしく、この辺で最強のソロ冒険者らしい
で、俺に普通に喋りかけてきたから、
「こいつ何者だ?」っていう話になっていたらしい。
- - -
俺の部屋は205号室でリンさんの隣の部屋だ。勿論ただの偶然だ。秘密を探ろうとかそんなことは微塵も思ってない。
とりあえず今日でどれだけステータスが伸びたか調べてみよう。
「ステータスオープン!」
ちょっと声に出して雰囲気出してみた。
- - -
名前:立花 瑠衣
性別:男
種族:人間族
称号:隠れスキル保持者
(他人からは視認不可)
加護:なし
職業:1.暗殺者2.賢者
スキル
鑑定眼Lv1/10
超回避Lv1/10
自動回復Lv1/10
一撃必殺Lv1/10
忍足Lv1/10
全世界万能辞書Lv2/10
精神攻撃耐性Lv1/10←new!
レベル5
体力:500/500←200up
魔力:2000/2000←500up
防御力:200←50up
回避力:300←100up
こんな感じだった。
明日は大銅貨荒稼ぎしないと。
異世界での初日はこんな感じで終わった。
一般人の平均のステータス(レベル1時点)と主人公のステータス(レベル1時点)は完全に同じですが、主人公の方がレベルが上がった時のステータスの上がり幅が大きいです
今後とも読んでいただけると幸いです。