第13話 迷宮を探索していただけなのに⑨
すみませんスマホが壊れてとうこうできませんでした
あれから俺らの体幹時間で何ヶ月か経った
途中何回も死ぬかと思った。時にはオーガに踏み潰されそうになったし、ハイオーガって言う危ない魔物に囲まれて貞操の危機に晒されたし、というか普通なら襲うのがオークで襲われるのが女騎士で、
「くっ…殺せ。」
くっころがファンタジー名物な筈なのに何故、何故ハイオーガに犯されそうになるんだ!俺は男だぞ。まさかハイオーガはゲイなのか?それかあいつら全員雌?
どちらにせよ怖くて鑑定出来なかった…
まぁオーガは途中で紫ゴブリンから手に入れた『毒物生成』で、青酸カリ作って飲ませて、ハイオーガは無茶苦茶に暴れて難を逃れた。
で、今いる場所はボス部屋の扉の前だ。
前のボスの扉より装飾が施されていて綺麗だ。
恐らく最下層なのだろう。
「開けるよ。」
俺は扉に手をかける。いざボス戦へ!
「うぉっ!」
…扉は自動だったらしい。勢いよく開かれて全体重を扉にかけていた俺は盛大に転けた。
しかも転けた先に落とし穴が作られてて一歩間違えたらボスと戦わずに死んでたかもしれない。初見殺しも度が過ぎるだろ。
中は普通の部屋だった。テレビやソファー
が置いてあり…ってなんでボス部屋がリビングになってるんだよ。しかもダイニングテーブルに、コーラとポテチが置いてあんじゃん!
「よくぞ来おった。ワシはここの迷宮主じゃ。それにしてもまさか神域に来るとは天晴れなものじゃ。あ、そうじゃ。お主が転移したのはモン○ンの発売日前日じゃったな。どうだ。ならないか?」
中から出てきたのは仙人みたいな格好にサングラスをかけたおじいちゃんだった。
「「へ?」」
ちょっと待て。こいつなんで俺がモン○ン
発売日知ってんの?というかなんで滅茶苦茶楽しみにしてたの知ってんの?というかなんで部屋が現代風なの?というかなんでサングラスかけてら仙人がこんなところにいるの?
「一度に何個も質問するで無い、ワシは神であって聖徳太子じゃ無いんじゃ。」
神?神がダンジョンマスターしてるってどゆこと?まさか自分が神だと思ってる滅茶苦茶痛い爺ちゃんとか?その年で厨二病は恥ずかしい。見てるこっちの気持ちも考えて〜。あ、でもファンタジー世界ならそういうこともあるのかね。まぁいい。
『鑑定』
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名前:やーステータスを覗いてるそこの君
性別:さっきから考えていることが失礼!
種族:ちょーいい神
称号:邪神殺し・からかい上手・うっかり者・
スキル:『全知全能』
体力:測定不能
魔力:測定不能
防御力:測定不能
回避:測定不能
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…勝てる気がしない。いやいや、ふざけすぎでしょ。ステータスを変えられるとか聞いてないし。
「驚いたか?いいものを見させてもらったのじゃまぁ儂は厨二病などでは無いのでな。」
この爺さんと戦わなきゃいけないなんて無理ゲーだろ。
「む?儂は戦うという野蛮なことなぞせんぞ?お主らにやって貰うのは儂の弟子になることじゃ。」
「「は?」」
今日はリンさんとマジで気が合う。というかもうリンさんがいなかったら一人で迷宮攻略絶対出来なかったと思う。
「迷宮主が俺らを鍛えてなんの意味があるんだ?」
むしろ障害になるだけだと思うのだが?
「ああ、今は儂が迷宮を支配している故な。元は狂鬼神だったのじゃ。ほれ前の階層にいたどす黒いオーラー出してた奴のことじゃ。」
…成る程。俺らはもう迷宮主を倒したと。
「なら返してくれよ。俺たちは外でやることがあるんだよ。」
「それについても心配は要らんぞ。何故なら儂が時間をとめてやってるからのぉ。それに神域と迷宮についていたじゃろ。さっきの迷宮主は『真・鬼の迷宮』の迷宮主じゃ。まだ、神域までは行っておらん。」
「…じゃあ何するの?」
「お主そんなに冷たくなるでない。いつも
“二人っきり”の時はしっかり話しておるのに。老いぼれには優しくするものだぞ?」
二人っきりを強調するな。
めっちゃ赤くなってんじゃん。
「そんなことより修行じゃー!ほれ、儂に一撃でも当ててみろ。」
…当然のことながら当たるわけがなかった。