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そう、私は委員長。


 私は月島彩音。高校二年生女子。だけどそこいらに居る様なごくごく普通の女子高校生とは一味も二味も違う。


 そう! 私は背が低いけど可愛くて、穏やかで面倒見が良く、性格も良い学級委員長なのだ! 勿論来年は生徒会長になる予定である。

 と、言う体で暮らしている猫かぶりの天才なのだ。欠点はバストサイズくらいのものだ。


 だがしかし! そんな完璧超人を演じる私の前に立ちはだかる者が現れた! 




 あれは良く晴れた日の放課後。まだ賑やかさが残る教室。

 ある者は部活へ行く準備を、ある者は机を囲んでお喋りをしている。その生徒達の中に私の野望を阻む者が居ない。そう、居ないのだ! この教室にも、この学校にも!


 何故なら、ヤツは不登校! そうである、そもそも学校に来てすらいないのだ。


 ヤツの名前は佐々木京介。私はヤツの名前も顔も家も知っている。と言うかお隣さんの幼馴染ってやつなのだ。別に仲が良い訳でもないけど、まさか物理的に私に近い人間が不登校になるとは思ってもいなかった。


 そう、それは半年程前の事、ヤツは何の前触れも無く、何の脈略も無く突然学校へ来なくなったのだ。私には全く理解出来ない。そんな事を続けていたらせっかく入った高校を中退する事になってしまう。

 そうなったら就職をはじめ、将来大変な事になるのであるぞ!? 分かってんのか?


「おーい、月島!」


 私を呼ぶ声に振り返ると、担任の山田先生が教室の入り口で手招きをしているのが見えた。手にはプリントらしき数枚の紙を持っている。


 もう何度目だろうか。今回も同じ要件に違いない。私は少しうんざりしながらも、その態度が表に出ないように先生の所へ馳せ参じる。


「山田先生、私に何か御用ですか?」

「すまんがこれを佐々木に届けてやってくれ」

「はい。分かりました」


 またこれだ! そう、私が委員長でお隣さんだからヤツへプリントを贈り届ける係になってしまっているのだ。いや、確かに帰宅ついでに寄れるけどね、正直面倒くさい。

 だが、担任の前で嫌な顔をする事など私に出来ようか? いや、出来ない。私は優秀でパーフェクトな学級委員長なのだ。表向きは。


「それと、佐々木が学校に来るように説得してくれないか? 月島は学級委員長だろ?」

「そう言われましても、彼には彼の事情があるのかも知れませんし……」

「だがウチのクラスから不登校で中退する生徒が出るとワシの評価が下がってしまう。勿論学級委員長の月島の評価も下がるかも知れない」

「……は?」


 ちょっと待てこら。私全然関係無いんですけど? 何故私の評価が下がるのでありますか? それは山田のさじ加減じゃないのかい? うん? 


「だから何とか学校へ来るように説得してみてくれ」

「は、はぁ……一応やってみます……」


 何と言う事でしょう。私がヤツにプリントを贈り届ける係どころか、ヤツを更正させる係になってしまった。これはかなり面倒くさいぞ。人に散々迷惑をかけおってからに。



 部活動をしていない私は、少し勇み足でまだ賑わいの残る学校を後にした。この胸にたぎる憎しみをどの様にぶつけてやるかを考えながら、家路を急ぐのであった。



 夏が終わり、秋の気配が顔を見せる様になった九月の終わり。少しずつ夕暮れが早く訪れる事に季節の変わりを感じながら公園の横の道を歩く。

 学校を出た時より少し冷静さを取り戻した私は、ヤツをどうやって説得しようか考えながらゆっくりと家へ向かう。


 ふと、前方から走ってくる小さな男の子が目に止まった。男の子は片手にソフトクリームを持って、嬉しそうにはしゃいでいる。後ろには母親らしき女性が声を掛けながら追い掛けていた。


「……そんなにはしゃぐと転んじゃうぞ」


 そんな事を呟いた瞬間、案の定男の子は盛大に転びソフトクリームは遥か彼方へとすっ飛んで行った。

 泣き出す男の子と、なだめる母親の横を通り過ぎる。


「……今日はもう帰るだけだし、使っても良いか」


 私は眼を閉じて集中する。一瞬地面が消えた様な浮遊感を覚え、次に眼を開くと私は先程通り過ぎた公園の手前に立っていた。


 聞いて驚け! 私は普通の女子高校生などでは無く、何と特殊能力を持っているのである!

 その能力はタイムリープ。一日に一回限定で、最大二時間しか戻れないのが欠点だけど、誰も持っていない私だけの特別な能力なのだ。ふふん。すごいでしょ?


 私は何事も無かったかのように先程歩いた公園の横の道を歩く。今度は少しだけ早足だ。

 そして先程と同じ様に前方から走って来る男の子を見付けると、ササッと近寄り、優しく男の子に声を掛けた。


「そんなに走ったら転んでソフトクリーム落としちゃうよ?」

「あ、うん! でも大丈夫だよ!」


 男の子を引き留めて話しているうちに、母親が追い付いて来た。


「まー君、あんまり走っちゃ駄目って言ったでしょう。すみません、引き留めてくれてありがとうございます」

「いえ、子供は元気な方が良いですよね」


 母親と軽いやり取りを交わし、公園を通り過ぎた。ヤツの家まであと少し。

 


 突然勢いで書き始めてしまった。今は反省している。1ページが短めなので気楽に読んで頂けたら幸いです。

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