EKWordsを使って校正してみる 校正の例 ラピスの心臓
ラピスの心臓
http://ncode.syosetu.com/n4006r/
ラピスの心臓は文章も上手く、読者の評価も高い作品です。書籍化され、数年にwわたって執筆され、くり返し何度も読んでいるという感想やレビューを書かれる方が複数います。なかなか無い作品です。誤字や脱字の報告も感想でなされています。
が、人間の注意力だと限界があるのと、何度も読むという場合は、どうしても読み飛ばす箇所が出てきます。あと、おっさんの名前とか肩書とかどうでもいいという読者の方が多いのか、ラピスの心臓に限らず、おっさんまわりは校正においても冷遇されています。
そのような場合でも、ツールを使えば誤字や脱字が発見しやすくなります。ラピスの心臓の凄いところは、ツールを使っても誤字があまりないと分かることです。
校正にいたるまでの手間。
Windows PCの有料ツールであればpdfに含まれているテキストを簡単に校正できます。無料ツールの場合はテキスト形式のファイルを得るところからになります。
自分の場合は、
小説家になろう 電子書籍化 ツール
にて、横書きレイアウトでEpub形式ファイルをダウンロードして、オンラインEPUBコンバーターで、EpubファイルをTXT形式に変換しています。
なぜTXTファイルにするかというと、EKWordsで校正するためです。やっと本題です。
以下の画像は、TXTファイルをEKWordsに読み込ませたものになります。読み込ませた当初は「出現数」が多い順番にソートされています。「キーワード」をダブルクリックすると、ソートの順番が変わります。英字優先、カタカナ優先など変化していきます。
カタカナが順番に並んでいる画面が、最初の校正には便利でしょう。慣れると右寄せソートなどで、語尾のゆらぎをチェックできるなど、やれることの幅が広がってきます。
おっさんであるヴィシキさん、ヴィキと誤記されて放置されているの図。
キーワード順でソートした場合に見るべきところの一つは、「出現数」が多いキーワードの近くです。「ヴィシキ」さんは56回出てくると表示されています。その近くにある出現数が1回の「ヴィキ」。
「ヴィキ」をダブルクリックすると、画面左のテキスト表示領域が「ヴィキ」が出てくるところへ移動します。ヴィキの周辺を読むと、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ヴィシキは孫娘の特徴をジェダに語り聞かせた。
日常での癖や性格にまで話が及び、ジェダは思わず吹き出していた。
「なにがおかしい!」
「いえ、申し訳ありません。ただあなたの語る言葉を聞いても、なにひとつとして記憶にないことばかりで」
ヴィキは眼を血走らせ、ジェダの頬を思い切り叩いた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ヴィキ」は「ヴィシキ」の誤記であることがわかります。
よく見ると、別のおっさんであるヴィシャさんの名前も並んでいます。「ヴィシャ深く溜息」。クリックして該当箇所を見ると「ヴィシャ深く溜息をついた。」とあるので、おっさんがらみでさらなる脱字が発見されます。かわいそうなおっさん達。
結果として誤字になりやすい漢字の「進」まわりを見た図です。「進入経路」があります。「侵入」は10回以上使用されており、「進入経路」は「侵入経路」の間違いの可能性が高いことがわかります。あわせて「進入路」という単語が複数回でています。「進入路」は不動産がらみの単語です。
不動産がらみの変換辞書の鍛え方になっていると判断できた場合には、同一作者であれば不動産がらみの単語まわりを優先的に調べていくなどもできます。
誤字をちまちまと直していくには、誤字ぺったんでパッチ当てまでを行うと、作者の方も手間が減って楽になると思います。