表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/10

4-そうだ、借金をしよう

30歳を過ぎても借金の経験がなく、クレジットカードを持ったこともない人間のことを、金融の世界ではスーパーホワイトと呼んでいます。

格好良さそうなのは名前だけで、言わば「やらみそ」と同じラベリングです。人格破綻者同様の扱いで、社会的な信用度はゼロということです。

どれだけダメ人間かというと、この文章の筆者もスーパーホワイトです。


政府が国民に、これだけ「借金しろ」「借金しろ」と勧めているのですから、借金をしない人間は反政府勢力と同じです。

国民が借金をしないと、銀行が見せ金詐欺もとい信用創造を行なえず、経済成長が鈍化してしまいます。

だから借金をするのは国のためでもあります。


もし借金で首が回らなくなったら、自己破産すれば済むことです。

それで借金は棒引きになります。

不良債権が積み重なり、たとえ銀行が潰れても、税金で穴埋めされるから誰も困りません。

いくら税金を使っても、経済官僚の懐は痛みません。


年収30万円では、銀行はおろかサラ金でさえ金を貸してくれません。

けれども税金はきっちり取られます。

破産した人の負債は、金を借りられない貧乏人が肩代わりするわけです。

貧乏人が金持ちを助ける、実に美しい相互扶助システムです。


ですから金を借りられるうちは、どんどん借金するのが正しい生き方です。

借りた金で無駄なものをどんどん買って、贅沢の限りを尽くしましょう。

そうすれば景気も良くなって、アベさんもクロダさんも大満足です。


ところで、景気はなぜ変動するのでしょうか。

キチンの波は在庫投資、ジュグラーの波は設備投資などと、教科書には書いてあります。

けれども、もっと根本的な原因があります。

いらないものを作っているからです。

最低限の食料など、それがないと死ぬようなものであれば、売れなくて困るということはありえません。


経済学、経世済民の学とは、生産力が低い時代には、いかに物不足を補い、困っている人を助けるかという学問でした。

現代の経済学の主要テーマは、いかにいらないものを売りさばき、困っていない人を儲けさせるかという問題になっています。


失業するのは、いらない仕事だからです。

端的に言えば、経済成長とはいらない仕事を増やし、いらないものを大量に生産することです。

みんながいらないものを欲しがっている限り、好景気が続きます。

しかしあるとき、「こんなものいらない」と気づいてしまえば、景気は悪くなります。


だとすれば、不景気は怖くありません。

最低限の生活に不可欠な食料や衣料品は、十分な量が供給されているはずだからです。

それでも食うに困るというのなら、誰かが不当に利益を独占しているせいです。


底辺から言わせてもらえば、景気は悪いほうが楽です。年30万程度なら不況でも稼げます。なにより物価が安くなるのは大歓迎です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ