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DARK´KNIGHT  作者: あごひげ
7/10

六章  襲撃 終

「―――――――――――――――――ッ!!」


 ネーアの悲鳴が町中に響き渡る。


「逃げろ!!」


 ゾルとカーンが同時にこう叫ぶ。

 だが、ネーアは完全に腰を抜かしてしまっている為、その場から動けない。


 ネーアに、トロルの棍棒が音を立てて迫る。

 しかし、その棍棒は、彼女の目の前で止まる。


「…!?」


「…………大丈夫か?」


 アレンが、トロルの棍棒を受け止めていた。


「ギュアアァ?」


「食らえ!!」


 そして、その棍棒を刀で横に薙ぎ、そのまま体を軸にして、刀をコンバスのように回転させた。

 刹那、トロルの腹から大量の鮮血がほとばしり、トロルの体が胴体から真っ二つになる。

 そして、その巨体は血の池の中でしばしの間痙攣し、ついに動かなくなった。


「へへん!」


 アレンは、自分の頬に付いた返り血を拭う。


「…………はぁ〜、やるねぇ〜」


 ヴァルドが呟く。


 

「…………………あっ、ありがと」


「いいよ、いいよ、

 それより、立てるか?」


 アレンが、倒れているネーアに手を差し伸べる。

 それを、ネーアは無言で掴み、立ち上がった。


「あ、ありがと………」


「ええよええよ」


「あ、あのね、さっきはゴメンね。

 聞かれたくないようなコト聞いちゃって」


 ネーアが恐縮そうに謝罪する。


「あ、そのことならもう気にしてないよ!」


 アレンは、笑いながら言う。



「それより、早くアミノさんの所に行かなきゃ!」


「………うん!」


 アレンの発言に、ネーアが相槌を打つ。

 そして、走り出した。



                          †




「………闇魔法ダーク・マジック・確実なる死」


 アミノの魔法が、トロルの大軍勢の中心で炸裂する。

 その魔法に直撃したトロルは、一瞬にして砕け散り、何とか生き延びた者にも致命的なダメージを負っていた。

 そして、生き延びていたトロルを、アミノの合成獣キマイラが縊り、バラし、斬り殺し、突き殺し、刺し殺し、惨殺していく。


「…………フン、面白くない奴等だネ」


 アミノは、この十分で、トロルを百体は撃破していた。

 しかし、そのトロルは減るどころか、逆に増えつづけ、アミノの周りを取り囲んでいる者だけでも、裕に三百体を越えている。                            



 ―――誰かが、こいつ等を召喚しているようだネ……


 

「アミノさーーーーーん!!」


 背後から、自分を呼ぶ声が聞こえる。

 振り返ると、日本刀を右手に握って、こちらに走ってくるアレンと、ヴァルドらの姿が見えた。


「……フン、やっと来たのかネ」


 アミノが嫌味ったらしい口調で言う。



 ―――ぐしゃ…………


「……!?」


 アレンの背後で、生々しい音が聞こえる。

 アミノの合成獣キマイラが、倒れこんでいた。


「……こいつも、そろそろ限界だネ」


 アミノは、倒れている合成獣キマイラを睨みつけ、こう言った。



「このトロル共は、誰かに召喚されているようだヨ。

 餓鬼、お前にはこれからヴァルド等と¨召喚者¨を殺しに行ってもらう。

 ここは、私1人で十分だヨ」


「えっ、

 でも、アミノさんの合成獣キマイラは、もう限界なんじゃ…………」


  

五月蝿うるさ

 早く、合成獣キマイラがへばる前に、さっさと私の命令に従え…………」


「はっ、はいいいいい、

 す、すいませんッ」


 アレンは、アミノの眼から発せられる鋭い殺気から逃れるように後退りする。



「で、その¨召喚者¨は何処に………」


「ネーア、探せ」


「うん、やってみます」



 ネーアが始動語を低い声で詠唱する。

 刹那、大気中の魔力がネーアの掌に集中する。



「………見つけた!!」


「どこだ!?」


「………飛空船の上に、人が見える。

 ……………帝国の……飛空船……?」


「!!」


 その言葉に、アレンは驚嘆する。


「そこから、魔法反応が確認できる………」


「じゃあ、そいつがトロルを………?」


 アレンの問いに、ネーアは黙って首を縦に振る。


「………っの野郎!!」



「あっ、

 今飛空船が動き始めた!!」


 ネーアが叫ぶ。


「逃がすかよ、この街を滅茶苦茶にしやがって!!」


 ゾルが、飛空船ターミナルへと走っていく。



「待って、走ってももう間に合わないわ!」


「じゃあ、このまま逃がしっちまえってのか!?」


「私が、魔法で皆をその飛空船まで飛ばします!!」


 刹那、ネーアの始動語を呟く声が聞こえる。

 次の瞬間、アレンたちの周りを光が纏う。



「風よ!我等に力を!!」 

 

 ネーアの凛とした声が響く。

 刹那、アレンの体が軽くなり、そして、そのまま何処かへと飛ばされて行った。



                        †



 気が付くと、アレンは飛空船の甲板に立っていた。


「どこだ、帝国兵!!」


 ゾルが叫ぶ。


 すると、アレンらの眼前の昇降機から、男が現れた。

 その男は、鋼の鎧や鉄仮面と軍刀で武装した帝国兵だった。



「何事だ!?」


「出やがったな、覚悟は出来てんだろうな!」


 刹那、ゾルの手からナイフが音を立てて帝国兵に飛んで行く。

 しかし、そのナイフは、帝国兵の体に命中する前に、軍刀で振り払われる。


「貴様ら、何者だ!?」



「お前が、セレスにトロルを召喚したんだな?」


 アレンは、帝国兵の問いには答えずに、こう質問した。


「お前には関係のないことだ……………」


「いいから答えろ!!」


 帝国兵は、一つ溜息をつくと、鉄仮面の奥からアレンを睨みつけ、こう言った。



「だったら、どうするのだ?」


「…………チッ、舐めやがって」


 ヴァルドが呟く。


「セレスの街をこんなに滅茶苦茶にした報い、受けてもらうぞ!!」


 そう言うと、カーンは腰の剣を抜き、帝国兵に突進しようとする。

 しかし、カーンが斬りかかる前に、アレンがこう叫んだ。


「待ってください!!」


「!?」


 アレは、自分の愛刀【神気風斬】を抜き、こう言った。


「こいつは、オレに倒させてください」



「ふん、お前なんぞに、私が倒せる訳がない!」


 帝国兵は、そう叫びながらアレンに突進してくる。

 アレンも、帝国兵に突っ込む。

 

 ガンッ!!


 しかし、アレンの刀は帝国兵に軍刀で受け流される。


「甘い!!」


 軍刀が、音を立てて振り下ろされる。

 しかし、その軍刀はアレンの魔法防壁に弾かれ、砕ける。


「なっ!?」



「せあっ!」


 一閃。

 帝国兵の胸に、刀が突き刺さる。


「………ぐあっ!?」


 帝国兵は、そのまま血の泡を吹きながら倒れる。



「ぐっ、………ぐおおお………

 く、くくくくく、くくははははははは、はははははははははははは!!」


「!?」


 帝国兵が、せきを切ったかのように笑い出す。


「ふん、私がお前のような餓鬼にやられるとはな、

 だが、貴様らももう終わりだァ!!」



 刹那、帝国兵を、巨大な魔力が包む。


「?! みんな、伏せて!!」


 ネーアの声。 

 その瞬間、セレス上空で、青白い閃光が炸裂した。

え〜と、

六章掲載送れてすいません;;

PC壊れちゃいまして…………  byあごひげ

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