貧窮問答歌:や、ら、わ_山上憶良へのオマージュ
【や】
夜叉の顔
鏡に映した
オノレの眼
逃げ隠れもせぬ
覚悟はあるや…
病んだ身に
制服返せと
吐き捨てる
病んだ身を
いたぶる餓鬼は
そこにあり
してやったのにと
恩着せ100遍
安んじる
言葉の一つもかけられぬ
口の達者な
人の多さよ
役立たず
言われて悟る
一歩かな
安んじる
言葉を一つ吐けぬ身を
差し置き奉じる
おのれが言葉
やけくそに
なりたる自分
かばいてぞ
世の常たるは
仕事のつとめ
柔らかな 言葉をかけて
福きたる
【ゆ】
許さねば
許してくれぬ人生に
するもしないも
おのが身一つ…
指さして
話を聞かぬと
他者責めて
己が聞く耳
どこにあるやら
許すべき
心はおのが内にあり
朋を赦せぬ
いじけた心
許せぬと言い放つ
その前に
おのれが言葉を
見返るぞよし
揺るぎ無き
心のあかり
求めしは
世のあかりとぞ
為すが道なり
【よ】
なけなしの
万札折りて
立たせれば
はるかに想う
札の束
喜びを
あらわすために
生きるべし
この一瞬の
迷いなければ…
世の中は金がすべてと
言い張りて
男を競う浅ましき技
流行りて
四畳半
雨露しのげる
幸せに
今日も明日も
慎ましくゆく
よりそいて
生きるは見返りあればこそ
そは無形なる至上のものなり
【ら】
ラーメンを
すすりて過ごす
貧しき日
夢見るカツ丼
我ぞ愛しき
来年の
見通し立たず働く身
世は他人事と
ふき流す風
【り】
履歴書を
書きたる数だけ
人を知る
理解者は
天のみなりと
知るもかしこし
【ろ】
労働の決意は深く
届かざり
したり顔して
見下す前には
老醜の
女を口説く
浅ましさ
やることなき
身の上かなし…
【わ】
ワイセツな
言葉に埋もれて御満悦
見通し立たざる
老後の一コマ
和合斬り
刺々しき言葉撒き
愛想振りまく
お気楽人生
我我と 孤独を醜く
垂れ流し…
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