1/1
タイトル未定2026/05/22 11:05
結論、世界は滅びる。
私は、数十年もの時間を数学に費やしてきた。
その度に新たな発見があり、胸から心臓が発射するような気持ちを何度も覚えた。
素晴らしい原風景。
数学の畑。
私は幸せだった。
しかし十年ほど前、大きな壁にぶつかってしまった。
私は頭をかきむしり、抜け落ちた髪を拾い、窓の外に投げ捨てた。
再び髪をごっそり抜き、今度は同僚にプレゼントした。
狂っていた。
なぜか。
1+1=0
小学校のときに習った全てが瓦解した。
私の脳は破壊され、境目のない曇天が訪れた。
未曾有の事態だ。
早速仲間に伝えなくては。
はたと立ち止まる。
誰が信じる?
「私は未来人だ」というような人間が現れ、それが真実だったとき、それを誰かに伝えるだろうか?
偽だ。
恐ろしい。
口は凍りつき、自らの頭を疑うだろう。
だから私は疑った。
宇宙の誕生を、光の速度の限界を、太陽系の回転を。
街に出た。
青空が咲いていた。
人が群れていた。
車が走る。
私は歩いた。
交差点の真ん中で引き裂かれ、しんだ。




