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カヌーの穴

だが、また問題が現れた。

カヌーはまだ、海の底にあるだ。

「この問題は忘れてた…」僕は考えた。

さっき考えていた死体方法を使えるが、あれは結構勇気がいる。

しかも、今考えてみればこんなに重いものは持ち上げることができない気がしたのだ。

「どうしたらいいんだろうか…」すると、横に圭太が現れた。

「どうしたんだ?そんなに悩んで…といってもまあ、あれのことか」彼は海底に寝ているカヌーを見た。

これをいったいどうやったら持ち上げられるのかがわからなかった。

「それなら俺が持ち上げようか?」彼はそのまま海の中に飛び込んだ。

そのまま見ていると、彼は海底に潜っていった。

そのまま彼は地面に足をつけた両手でカヌーの横を持つとどうしてかゆっくりと持ち上げ始めた。

すると、持ち上がったのだった。

「!?」僕は驚いて乗り出してしまった。

彼はまず、ひっくり返すことができたが、息が続かずに上がってきた。

「どうしてゆっくりしたんだ?息が続かないかもしれないのに」彼はため息をついた。

「理科で習わなかったか?というか習わないでもわかると思うけど」その言葉にイラっとしたが、わからなかったのは事実だった。

「カヌーは普通、そこまで重いものじゃない。だけど、水中だと水の抵抗がある。だから一気にやろうとしても逆に難しくなるだけだ。地上で腕を振り回すのと水中でするのでは違うだろ?」

僕は考えてみると同意さぜるを得なかった。確かに水中で泳ぐときは結構疲れるのに、地上で足をバタバタしてもそこまでは疲れない。勿論何時間もやっていれば疲れるが。

「でもあそこから持ち上げるのは…」すると、圭太がにやりとした。

「それが、いい方法があるんだ」彼は遠くに行くと飲み干したペットボトルを持ってきた。

「この中に空気をためてカヌーの中に入れる。そうすれば空気の浮く力で浮かんでくるさ。というか…」最後に何かを言った気がしたが、聞き取れなかった。

確かに空気の入ったペットボトルは浮く。そして、結構強い。それを何個もあの中に入れると浮くかもしれない。

僕はペットボトルをパシッととると、海の中に飛び込んだ。

そのままカヌーのところに行くと、あることに気が付いた。

カヌーがひっくり返っていなかったのだ。これではペットボトルを入れることができなかった。

ゆっくりやってみると、意外と簡単に浮いたのだった。

このまま上まで持っていける気がしたが、ペットボトルを試してみたかったのでペットボトルを中に入れると水面に顔を出した。

「後なん個入れればいいだろうか」それから何十個も入れた。そろそろあふれ出しそうだ。

すると、少し浮き上がった。だが、まだ完全には浮き上がらなかった。

もう一つ取りに行こうとすると、圭太に止められた。

「もうあれ、もって上がれるんじゃないか?」考えてみればそうだった。

僕はもう一度潜って上に軽く押してみると上がった。

そのまま持ち上げて行って水面に現れると、カヌーを山に乗り上げた。

「というかなんで沈んでたの?」そこへ佐々木が現れた。

一瞬意味が分からず、口から言葉が漏れ出てきた。「え?」

「だってここの中に空気があるはずじゃないの?だから浮いてるのかと思った」彼女はカヌーの壁を指さした。

「それをついさっき言ったんだけどな…」圭太がため息をついた。

どうやらほんの少し穴が開いていて、水が中に入ってしまったようだった。

「それをもっと早く聞いてたらよかったー!」だが、まだうまく使えた。

ちっちゃい子供たちが楽しんでいたからだ。

というか彼らは本田たちが見つけてきた人たちだった。

「ま、いいか」僕は受け入れる以外の選択ができなかった。

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