第7.5話 犯罪組織情報収集
前回は工藤を仲間に入れ、異世界の技術力を舐めてはいけないことがわかったところだ。
「忘れていました、私は人不と言います。」
「人不か、下の名前は?」
「力量です。こんな痩せていますが。」
「いや気にせんよ。」
工藤の能力はアイテム生成。私の能力は武器生成。二つが合わされば最強に見える。多分苦難は当分ないだろう。
「今、お前と同じこと考えてたかも知れないな。」
「そうかも知れませんね。」
このコンビには弱点はない。二人の考えていることは合致している。
「えーっとあの組織の場所は…」
そう言いながら地図を広げる工藤。私もそれを覗く。
「名前がわからなければどうにもならないんじゃないですか。」
「それもそうだ。まずは情報収集と行こうか。」
とは言ったものの、街ゆく人に聞いても分からない。そりゃあそうだ。犯罪組織なんて名前を知っている人は元の世界でも多くはない。この世界なら尚更だろう。
「ギルドならなんか知ってるかも知れません。行ってみましょう。」
「そうするか。大まかにはわかるかも知れんし。」
ギルドに行って聞いてみたが、帰ってきた答えは
「それは場所データに登録されていません。」
その一言のみだった。
「参ったな、これでは名前すらわからない。次にそれっぽい人にあったら捕まえて聞き出すか。」
「それが手っ取り早そうですが、いいんですかそんなことして。それをした後に問題はなさそうなんですか?」
「まあ問題はないだろう。あいつら住民票的なものに登録されてないらしいし。」
「なぜわかるんですか?」
「本人が言ってた。」
そう…それ言っちゃいけないやつじゃなかったかな。
「何かわかることはありませんか?なんというかこう…服装などがわかると役立つと思うのですが。」
「これは三人いたからわかるんだが、あいつらは同じスーツ姿だった。縦に一本水色のラインが入った黒いスーツを着ていた。」
「コンビニの制服みたいな?」
「まさにそんな感じだ。」
「しばらくはそれを探しながら何かすることになりそうですね。」
「ああ、果報は寝て待てだ。気長にやろうじゃないか。」




