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飼育部!!  作者: 掃晴娘。
自己紹介とか【ほっぺの痛みを添えて】
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自己紹介とか【ほっぺの痛みを添えて】③

 話がずれてしまったが。

 つまり、この学校で清く正しく青春をウフフあははと謳歌したければ、充実した食生活と健全な性癖を持つことが重要なのだ。

 

 え?

 

 何か間違ってる?

 

 異議のあるものは、是非とも挙手を願いたい。


 すべて却下する。



 さてさて。

 さっきの“3S”というのは、【生徒会部】【執行部】を指し示す言葉であり、、我ら学生は“裏校則”として“3Sには逆らわない”を遵守しなければならない。

 うん、うん。

 分かってる。

 きっと誰しも思っただろうね。

『え? 何? 裏校則?』

 でも、誰ひとりとして教職員に訊ねようとはしない。

 何か触れてはならないような気がしたし、校長が入学式で、

『皆さん、好奇心旺盛は素晴らしいことですが、これだけは忘れないで……いや、頭に刻み込んで下さい。いいですか? 世の中には、知らなくていいこともある』

 って言っていたし。

 怯えながら。

 

 また思ったよね。




 ……学校辞めてえって。



 まあ、そんなこんなで3Sとは、生徒会部と執行部と———……あれ?


「なあ、生徒会部と執行部と、あともうひとつは何だっけ?」

「……さあな」

 知ったかぶりを披露できなかったのが余程悔しかったのか、唇を尖らせ、小刻みに貧乏ゆすりをして不貞腐れる柿崎君に、力の限り平手打ちを放つ。

 もどってこーい。

「———……生徒会部と執行部と、あとは飼育部だ」

 乾いたばちーんという炸裂音が教室内に響き渡り、彼は一瞬白目をむき意識を失いかけるも、焦点の定まらないうつろな目をしながら答えた。

「飼育部?」

「ああ、飼育部だ。悪の巣窟、飼育部」

「飼育部って、あの動物とかを飼う、言うなれば動物係みたいなもんだろ? 何がそんなに怖いんだ?」

 そう訊ねると、柿崎は得意げに鼻を鳴らしながら講釈をたれ始めた。

「いいか? 飼育部っていうのは、押し付け“カンゼンチョウアク”部だ。それとな、同時に人さらい部っていう噂もある。さらわれる学生はカンゼンチョウアクした部内からだったり、適当に道端を歩いている学生だったりと、まあ本当無作為みたい。どこに連れていかれて、何をされるか一切が不明。ただ、一度連れ去られた学生は、生気が失われた廃人のようになって帰ってくるらしい。もうさあ、色んな情報やガセネタが錯綜しすぎてて、先輩でも飼育部の真相を把握している人がいないんだよ」

 分かっていることと言えば、今話した部活内容と、部長が2年の獅子丸っていうだけかな。

 と、柿崎は言った。


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