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第4話 どうしたんだろ

「おはよう悠人!」

「おお光輝。おはよう」


 毎日悠人は駅で光輝と待ち合わせている。今日も先に着き、光輝が出てくるのを待って、一緒に学校へと向かう。


「なあ悠人?」


 2人は駅前の商店街通りを歩いていると、光輝が悠人に話しかけた。


「ん? どした?」

「お前さ、昨日萌夏にLINEしたか?」

「ああ、返信は無かったけどしたぞ。なんでだ?」

「俺も昨日悠人と別れてすぐに萌夏にLINEしたんだが、すぐに返信が来たんだ」

「え? そうなのか。それでどうしたんだ?」

「[ごめん]って。それだけ」

「ごめん? 一体どういうことだ?」

「全く分からん。あと流しそうだったが、お前には返信無いんだろ」

「ああ」

「何かあったのか?」

「さっぱりだ。学校着いたら萌夏に直接聞いてみようぜ」

「そうしよう」


 そして、商店街を抜け、その先にあるバス停で心と合流する。


「おまたせ」

「おう、おはよう心」

「はよー神城」

「おはよう。行こ」

「「おう」」


 3人で学校へと続く上り坂を上り、常上学園の銘板が見えてくると、警備員さんに声をかけられる。


「おはようございます。学生証を掲示下さい」

「「「はい」」」


 3人は学生証を取り出して警備員に見せる。


「ありがとうございます。それではどうぞ」

「ありがとうございます」


 常上学園では安全性や緊急時のために門をくぐる場合には学生だけでなく、教師や来校者までも身分証の提示が必須となる。最初はめんどくさいと思ったが、直になれた。

 そして昇降口で上履きに履き替え、Sクラスへの教室へと向かう。


「「「おはよう~」」」


 悠人たちが教室に入ると、クラスメイトたちから挨拶される。


「おはよう」

「おっす」

「おはよう……」 


 3人はそれぞれ挨拶を返す。

 ここまで悠人たちにとって、何ら変哲のない日常の光景だ。

 しかし、明後日以降、変哲のない日常が変わろうとしていることに3人はまだ気づいていなかった。 



 そして朝のホームルームの時間になり、Sクラスの担任である佐藤先生が教室に入ってくる。

 そして萌夏はまだ来ていない。


「萌夏まだ来てない。LINEも返信無し、どうしたんだ?」

「わからない、後で先生に聞いてみるか」

「うん」


「皆さんおはようございます。今日は1月26日火曜日です。今から出席をとります――――本日佐々木原さんは家庭の都合で欠席すると連絡がありました」


「え? 萌夏が欠席!? 今まで一度も休んだことがないのに」

「ホームルーム終わったら先生に聞くぞ」

「おう」「うん」


「――――ではこれでホームルームを終えます。今日の授業も頑張って下さい」


 そしてホームルームが終わり、3人は先生の元に駆け寄った。


「先生萌夏休みなんですか?」

「ええ、昨日佐々木原さんのお父様から私の電話が来ましてね。本日は休むと」

「そうですか。ありがとうございます」

「いえいえ、それではまたホームルームで」

「よろしくお願いします」


「どうしたんだろうなあ萌夏」

「そうだ。今日の放課後時間あるか?」

「あるぜ」

「ある」

「じゃあ放課後に萌夏の家行こうよ」

「そうだな。行こうぜ」

「佐々木原の家分かるの?」

「私知ってる」

「じゃあ神城案内してくれや」

「まかされた」

「じゃあ決まり!」

 

 3人は放課後、萌夏の家に行くことを決めた。今日の授業が頭に入ったかどうかは知る由もない……

今日もお読みいただきありがとうございます。

次回の更新は3月8日です

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