第13話 エピローグ
今日も今日とておはようございます。
翌朝
萌夏は学校に登校する。この日の気分は上々だ。今日の天気が快晴と言うことや金曜日だと言うこともあるだろう。だがそれよりも昨日の男、私を辱めようとした男、冷水鳳凰。あの男にもう二度と会うことがなくなり、いつもの日常が戻ってきたと、そう思っていたからだ。
そして萌夏は教室に入室する。そして4つの顔がこちらに向く。その顔はどれも笑みを浮かべていて。
「「「「おはよう」」」」
と。いつもと変わらない日常だ。だから私は、
「おはよう」
そう返すのだ。
そして自席に座り、後ろを振り返り皆に昨日の出来事――冷水鳳凰に会ったこと、彼は冷水グループの御曹司だったこと。そして彼は腹黒かったこと、襲われたこと、貞操の危機だったことを。――を伝える。話の途中、「え?」とか「嘘だろ!?」とか「大丈夫だった!?」等と声がかけられる。その言葉はどれも温かくて、優しさがあった。私はあの男に取り込まれなくて良かった、この4人と友達で良かったと私は改めて思う。
その後、放課後にいつもの場所に行くことを決めた時、タイミング良くチャイムが鳴った。
放課後
萌夏たち一行は向かった。そして重い木の扉を開く。そしていつも通りの声色と笑顔で私たちは迎えられる。喫茶ひとやすみのマスターに。そしていつもの場所に座り、いつものメニューを頼む。いつもと違うのはここに池森花楓がいることと、悠人と心が隣同士で座っていることだ。だからこそ聞く。私は2人に。昨日外せない用事があると同行を断られた悠人がなぜいつもと違うのか。だから私は聞く。悠人に昨日の出来事を。だから私は伝える。私の気持ちを。私の告白を。
マスターが運んできたトーストとコーヒーを口に含んだ後、私は悠人に告げる。
「ねぇ、悠人」
「どうした萌夏? 何か深刻な顔をして?」
悠人は私の問いかけにいつも通り返してくれた。ただ、私が緊張しているからか、深刻そうな顔に見えてしまったんだろう。
「ああ、ううん。大丈夫だよ。ただ伝えたいことがあって」
「伝えたいこと? ああ、なんだ?」
「いきなりこんなこと言われても困るかもしれないけど、私は昨日嫌な思いをした。だからこそ私は安住の地を手に入れたいと思ったの。だから私は心に秘めた思いをさらけ出したいと思って……笑わないで聞いてくれる?」
「ああ、もちろんだ」
「……悠人。私あなたのことが……好き、大好き、だから私の彼氏になってくれませんか?」
言い切った。私の告白を悠人は叶えてくれるだろうか。そう願いつつ、悠人の顔を見ると、困惑していた。それはそうだろう。突然前触れもなくこんなこと言われたら驚くし、困惑するに決まってる。でも私は、それでも私は、この願いが叶うことを信じたい。そう思っていたのに。
「……まさか萌夏に告白されるとは……思ってもみなかったよ。なあ萌夏」
「何?」
「萌夏の気持ちは受け取ったよ。でも俺は萌夏の彼氏になることは出来ない」
「どうして……」
悠人は言い淀む。思考が停止した。まさかそんなことを言われるとは思わなかった。でもそれなら、聞かなければならない。なぜ私じゃダメなのかと。しかしそれは私たちの会話に割り込んできた声によって霧散した。
「悠人はもう私をもらったので!!」
という、心の声によって――――
萌夏の話はここでおしまいです。また悠人と心sideの話をしますので、残り2話あります。もう少しだけお付き合い下さい。今日も読んでいただきありがとうございました。




