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5.ペット

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


ミリアはアーツ『スラッシュ』を発動しました。

ウェアジャガーに5,200のダメージを与えました。

ウェアジャガーを倒しました。

7,000の経験値を得ました。

ミリアのLvが1上がりました。

ミッション”ウェアジャガーを倒せ (25/25)”を完了しました。

500の経験値を得ました。

1,000リルを得ました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ミッションクリアっと。

 MMOにあるミッションの中で、繰り返し受けられる恒常ミッションがある。

 これは経験値やお金を稼ぐ上で、非常に効率が良いので常に受けておくと良い。

 ミッションにはそれぞれ、メインミッションと呼ばれる、ストーリーに関係するミッション。

 そしてサブミッションと呼ばれる、メインミッションとは違い、ストーリーの合間に発生するミッションだ。

 受けなくてもストーリーには影響しないが、その後に繋がったサブミッションが発生するなど関連する事もあるので、できるだけ受けておきたい。

 また、NPCは分からないようになっていると言ったが、こういったミッションの為に存在しているNPCや一部店番のNPCのみ、頭上にNPCと表示されている。

 このNPCには触れる事もできないが、NPCも同じ事しか言わないので、置物みたいなものだ。

 メインミッションやサブミッションは、報告する事で報酬が貰える。

 ただ、この恒常ミッションだけは、受けて達成した瞬間に受け取れる。

 非常にお手軽だ。

 面倒なのは、繰り返し受ける為には再度話しかけに行く必要がある事か。

 メインミッションやサブミッションで、共通の目標の敵が居た場合、討伐数が同時にカウントされる為、多く受けていると効率が良かったりする。

 ただ、受けすぎるとどこに報告に行くのか忘れたりするので、ご利用は計画的に。

 VRじゃないMMOゲームなら、目的地をタップすればキャラが自動で走って行ってくれるのだが、VRMMOであるこのゲームは、自分で行かないといけないのだから。


 お金もある程度稼いだが、今はメインストーリーも発生しなければ、それに付随するサブストーリーも発生しない。

 それはサービスが開始してから発生するものだから。

 恒常ミッションは、ストーリーとは関連していない為、受ける事ができたのは幸いだった。

 明後日にはこの街は人で賑わうだろう。

 それまでに、一足先に次の街までは足を延ばしておくかな。

 モンスター狩りが飽和して、ポップ(モンスターが再度出現する事)した瞬間にプレイヤーに狩られるという事態になるのは目に見えているしな。

 というわけで、アークスから南、街道をのんびり歩いて進んでいく。

 上を見渡すと青い空が気持ちを良くしてくれる。

 まぁ、視線を下げると変なモンスターが徘徊してるんだけどね。

 モンスターには簡易的に、名前とレベルが表記されている。

 名前には色がついていて、青だと弱い。黄だと互角で、紫だと強敵って感じで、赤だと逃げろってレベルで強い、超強敵って事だ。

 また、プレイヤーやNPCの名前は黄緑で、プレイヤーキルをしたプレイヤー名は赤になる。

 もちろん正規の場所で、要はプレイヤーVSプレイヤーの場でプレイヤーを倒したからと言って、赤色になる事はない。

 それ意外のなんらかの方法でプレイヤーを倒しているプレイヤーの名前は、赤くなるのだ。

 そういったプレイヤーは、運営NPCに監視されるようになる。

 まぁこれはプレイヤーは知らない情報だ。


 ひたすら歩く事2時間程。

 次の街であるヒュッケバインに着いた。

 西洋の雰囲気のある街並みで、清楚な感じがする。

 通りも煌びやかで、なんか最初の街との違いが凄い。

 町ゆくNPCの方々に話しかける事もせず、恒常ミッションだけ受けに行く。

 ギルドなんてものもあるのだが、流石にサービス開始前から色々するのもあれだし。

 一応復活ポイントである泉に触れておく。

 これで、もしモンスターにやられても、ここで復活するはずだ。

 普通なら、だけど。

 後は、転送の巻物を使えば、泉で登録した街へは一瞬で飛べる。

 結構お高いんだけど、なんかアイテムボックスには一括りにされていて、x999ってなってる。

 姉貴の仕業だな……。

 まぁ、こういうサポートは正直助かるので、ありがたく受け取っておこう。

 ちなみに、アイテムボックスは一枠に一種類のアイテムをまとめておけて、基本50枠空いている。

 そして、タブを切り替えると倉庫があって、そこにもアイテム枠が50枠ある。

 倉庫は戦闘中などは取り出せないが、アイテムボックスからは戦闘中だろうと取り出して使えるという違いがある。

 この枠は課金で更に追加する事ができ、最大で500枠まで増やせる。

 また、ミッションをクリアする事で手に入るダイヤというもので、ガチャを回せる。

 このガチャ、課金で手に入るスターで代用する事もできるのだが……色々な人が悪循環におちいる罠だと俺は思う。

 ガチャにはアバターと呼ばれる服や装飾品が入っていたり、装備類が入っていたりする。

 装備に付与される効果、例えば攻撃力+1000とか、防御力+1000といった効果は、同じ装備に移す事が可能だ。

 同じ効果は高い方のみとなるが、一つの装備に最大で5つまで、効果を付ける事ができる。

 装備は鍛冶で創る事も可能なので、わりとガチャの中に入れるのは酷いと思う。

 また、パーティ編成外として、仲間として戦ってくれるペットもガチャの中にはある。

 ただし、ペットの出現率は0.01%ととても低い。

 そのくせ、かなりの種類が居る。

 更にはペット合成なるものもあって……あー!守銭奴がぁっ!と運営側の人間でありながら叫びたくなるわ。

 で、アイテムボックスの枠は、スターでしか開けられない。

 ……そこはダイヤでも開けられるようにしろよと。

 で、俺のアイテムボックス枠を見たんだが。

 20/∞となっていた。

 左が俺の持ってる個数だ。

 転送の巻物自体は999個あるけど、転送の巻物という単位で、1個とされる。

 装備とかポーションとか色々合わせて20個あるって事。

 で、右側が最大値なんだけど……無限ってどうなの。

 まぁ、課金しなくて良いのは助かるけど。

 倉庫がいきなり無意味と化したのだった。


 にしてもガチャ、かぁ。

 ペット、欲しいなぁ。

 大型の狐のペットとか引けたら、乗って移動できるんだよ!

 欲しい、是非欲しい。

 今手持ちのダイヤを見たらサービス開始プレゼントで貰える10,000ダイヤがあった。

 アプリゲームとかなら、これで欲しいキャラが出るまでリセマラ(リセットマラソンの意味。データを再度作り直し、欲しいキャラが出るまでやり直し続ける事)するんだけど、あいにくとこのワールドクロスオンラインは作り直しができない。

 俺はそもそもがログアウトできないんだけどね。

 一回のガチャは300。

 十連で3,000ダイヤ消費する。

 ペットが出る確率、0.01%……出るわけがねぇ。

 今まで、一度だって欲しいと願ったものをすんなりと引けたことは無い。

 だから、単品で一回だけ、ガチャをしてみる事にした。

 だって、これならダメージも低いし。

 というわけで、ガチャを回すボタンをポチっとな。


 ドゥルルルル……!


 ガチャ演出が始まる。

 お、おお、色がどんどんと変わっていく!

 単発だぞ!?単発でもしかして、もしかしてきちゃう!?


 ターン!!


 凄い輝きが画面を埋め尽くし、そこには金色に光る卵があった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


ミリアは一回ガチャ(300)を回しました。

おめでとうございます!

ペットボックス(ランダム)を獲得しました。

ダイヤ300を失いました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 お、おおおおおっ!!

 ひけ、引けちゃった!!

 くっそぅ、これだからガチャは!!

 アイテムボックスの中に、ペットボックスがある。

 ランダムって事は、これを使えば、俺にもペットが!

 頼む、大型の狐、もしくはトラでも良い!

 もふもふした大型の、乗れるペットこいっ!!

 そう願い、アイテムボックスからペットボックスを使用した。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


ミリアはペットボックス(ランダム)を使用しました。

おめでとうございます!

ペット(猫♀)を獲得しました。

ペットボックス(ランダム)を失いました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ……。

 …………。

 猫ぉぉぉぉっ……!

 猫じゃ乗れ、乗れないじゃねぇかぁっ!!

 悲しい気持ちになりながらも、猫をアイテムボックスから取り出す。

 ポンッという音と共に、黒猫が外に飛び出る。


「にゃー♪」


 鳴きながら、足元にすり寄ってくる黒猫。

 ……かーわいー!!

 俺は思わず黒猫を抱き上げる。


「なー♪なー♪ごろごろ……」


 くぅはぁっ!?なんて可愛いんだ!

 俺は実は、猫アレルギーだった。

 だから、猫が大好きだったのに、猫を飼えなかったんだ。

 触るとくしゃみがでまくるし、涙で前が見えなくなったから。

 でも、この世界でなら違う。

 くしゃみもでないし、蕁麻疹も出ない。

 思う存分、触れ合えるんだっ!

 俺は黒猫を抱きしめる。

 今も喉を鳴らしながら、なすがままの猫に癒される。

 そうだ、名前決めないと……!


「お前、どんな名前が良い?」


「にゃー?」


 うん、答えられるわけがなかった。

 ま、黒いからクロにするかな。


「よし、お前の名前はクロだ。よろしくなクロ」


「にゃー♪」


 可愛く返事をするクロが愛おしすぎて、しばらくクロと戯れていたのだった。



クロ(♀)

Lv.1

種族:猫


HP 200,000/200,000

MP 200/200

SP 20


攻撃力   400

防御力   200

魔法攻撃力 100

魔法防御力 1,500

速度    900

器用    1,400

魅力    1,900


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