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妄想全開で創ったキャラクターにログインしたら、ログアウト出来なくなった件~ワールドクロスオンライン~  作者: ソラ・ルナ


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15/30

14.初ボス戦

 それから俺達は、死の砂漠と呼ばれるダンジョンを進んでいった。

 俺はタンクと呼ばれる役割をする事にした。

 敵の攻撃を、全て引き受ける役割だ。

 この役割をする人は、攻撃力を捨て、防御力に特化するのが一般的だ。

 目の前に敵が居るので、それに引かないクソ度胸が必要だったりする。

 ほら、目の前にゾンビが居たら悲鳴を上げちゃう子には無理というか。


「『挑発』っと」


 目に映る全ての敵に、アーツ『挑発』を掛ける。

 敵は俺の方に集中して攻撃を仕掛けてくるようになった。

 俺はその場から動かず、なすがままだ。


「ミリアちゃんが、骸骨達に囲まれてタコ殴りにされてるよプリハドール……」


「え、ええ。それも異様ですが、そんな中で微動だにせず、こちらに攻撃しろって合図をしてくるミリアちゃんもまた、異様ですわね……」


 俺が攻撃しなくなったのにはもちろん訳があって。

 通常なら、パーティ全員誰が敵を倒しても経験値が入る。

 だが、俺のレベルが高すぎる為、途中から俺が倒すと経験値が入らなくなったのだ。

 こうなると、俺が倒してしまうと、二人にも入らなくなる。

 なので、倒すのは二人に任せる事にして、敵の引付のみ行う事にした。


「おーい、リーズにプリハドール。流石にずっと骸骨を目の前で見続けるのは気持ち悪いんだけど……」


「「!!」」


 その言葉にハッとした二人が、武器を構えて急いで殲滅に入る。

 道中で多少レベルアップをしたからか、敵を倒すスピードは速くなっていた。

 それに、二人とも戦い慣れている。

 自動補正に頼らず、自分の腕で戦っているのが良く見ると分かるのだ。



 そうして、ついにボスの居る部屋の前にたどり着いた。


「いよいよ、だね。ミリアちゃんのおかげで、全然苦戦しなかったけど」


「ですわね。こんなに頼りがいのあるタンク、初めてですわ。それを行っているのが、頼れるガタイの良い殿方ではなくて、こんなに可愛らしい女の子なのが衝撃ですけれど……」


 もはや俺は男だと突っ込む気も起きない。

 まぁ、自業自得だからね……。


「プリハドール、準備は良い?ミリアちゃんは、言うまでもないか」


 リーズが俺達に笑いかける。

 適度な緊張感を感じて、今からボスに挑むというワクワク感が、全身を震わせる。


「それじゃ、行こう」


 重苦しい扉を開け、中に入る。

 そこには、鎧を纏った騎士のようで、馬に乗っていた。

 けれど、本来あるべきところに頭が無く、腕に頭を持っていた。


「デュラハン!?こんな最初に出てくるボスじゃないよ!?」


 そう、デュラハンと言えば、前作のクロスオンラインでも、かなり後半のボスだったはず。

 それに、こいつは俺が見ても赤いネームプレート。

 これはヤバイかもしれない。


「一定確率で起こる、レアボスにあたったっぽいね。こいつ、俺が見ても赤い。本気で行かないと負けるよ二人とも」


 俺の言葉に、リーズとプリハドールは真剣な表情に変わる。

 そこへ、デュラハンは馬を走らせ突撃してきた!


「速いっ!二人は距離をとって!遠距離からダメージを稼いで!俺がヘイトを稼ぐ!」


「「了解!!」」


「デュラハン、お前の相手は俺だ!『挑発』!」


 アーツを発動させ、ターゲットを俺に固定させる。

 するとデュラハンは、手に持った頭を投げて俺にぶつけてきた。


「いったぁ!?そんなんありか!?」



 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 デュラハンの攻撃により、ミリアの『挑発』の効果が切れました。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 こいつ、デバフ解除まで!?

 なら、避けタンクするしかないかっ!?


「皆!次の『挑発』まで後40秒かかる!それまでなんとか避けてくれ!」


 そう大声で叫び、伝える。

 デュラハンはそんな俺達をあざ笑うかのように、後ろで攻撃を仕掛けようとしていた二人に突進していく。


「このっ!『影縫い』!」


 リーズが敵を拘束するアーツである『影縫い』を発動させる。

 あれは3秒間、敵を動けなくするアーツなのだが……


『オオオオオオッ――!!』


 デュラハンには効果が無いようで、止まらずにリーズ目掛けて突進している。

 リーズも走りながら弓で攻撃を仕掛けるが、デュラハンを止めるには至らない。


「この!止まりなさい!『レイ』!」


 プリハドールが放つスキルに合わせ、俺もスキルを発動させる。

 先程の『影縫い』に合わせなかったのは、恐らく効かないと思ったからだ。


「『ヒール』」


「「『ヒール』!?」」


 二人が驚いているが、何もおかしい事じゃない。

 デュラハンの属性は不死。

 『レイ』は光属性のスキル、そして『ヒール』も回復という違いはあれど、光属性のスキルだ。

 これらは、チェインするのさ!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


プリハドールはスキル『レイ』を発動しました。

ミリアのスキル『ヒール』の敵対象への発動を確認。

チェイン『スターライト』を発動しました。

デュラハンに154,900のダメージを与えました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ダメージは与えたが、全然堪えていないように見える。

 馬が前足で土を蹴っている。

 これは、また突撃してくるな。

 それも多分、俺の方向へ。

 なら、その力、利用してやるよ。


「二人とも、俺が『スラッシュ』を放ったら、重ねて!」


 そう言って、デュラハンの方へと駆ける。


「『分身』!!」


 パーティ人数の足りない3人を、『分身』を使いサポートさせる事にする。

 両端に生まれた分身体には目もくれず、デュラハンは俺の方へと駆けてきた。

 右手に持ったランスで、俺を突き刺すつもりなんだろう。

 良いぜ、こいよ!


『シ――ネ――!!』


 そう言葉を発して、俺にランスが突き刺さる。

 いっつぅ……!だけど、俺のHPを削り切るには、足らなかったみたいだな!


「この威力、お返しだ!『カウンタースラッシュ』!!」


 『カウンタースラッシュ』は待ち『アーツ』だ。

 『スラッシュ』と同じ『アーツ』として扱われるが、攻撃を受けた1秒以内であれば、受けたダメージを上乗せして『スラッシュ』が放てる。

 俺のアーツに分身体である3人と、リーズにプリハドールも合わせてくれた!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


ミリアはアーツ『カウンタースラッシュ』を発動しました。

分身体A~C、リーズ、プリハドールの同『アーツ』の発動を確認。

『カウンタースラッシュ』は昇華し『サウザンドカウンタースラッシュ』を発動しました。

デュラハンに13,849,512のダメージを与えました。

デュラハンを倒しました。

6,459,000の経験値を得ました。

ミリアのLvが15上がりました。


おめでとうございます!

ミリア・リーズ・プリハドールのパーティが

ダンジョン:死の砂漠 (レアボス)を最初にクリアしました!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ぶっは!!

 すんごいレベル上がったよ。

 流石経験値100倍。

 リーズとプリハドールも、結構レベル上がったんじゃないかな。

 そう思って二人を見たら、信じられないって表情をしていた。


「す、凄い……まさかデュラハンを倒せちゃうなんて……」


「『分身』による、クロスアーツ昇華での圧倒的なまでの火力の増強、更に敵の攻撃力をカウンターで上乗せするなんて……言葉で言うのは簡単ですが、それを行うのは至難の業ですわ……ミリアちゃん、貴女は本当に凄いプレイヤーなのですね……」


 二人が驚きと同時に、なんか憧れを含んだ視線というか……を向けてくるので、耐えられなくなった俺は、宝箱を見つけたので話題を振る事にする。


「ほら二人とも、宝箱あるよ。開けてきたら?」


 その言葉に、二人は顔を見合わせた。


「ふふ、私達はこの経験値だけでお腹一杯だよ。これ以上を望んだら、バチがあたっちゃう」


「ですわね。その宝箱は、ミリアちゃんが貰ってくださいませ」


 そう二人が言ってくれる。

 ホントに良い人と出会えたなって思う。

 ここで俺が遠慮しても、二人は受け取らないだろう。

 だから、宝箱を開ける事にした。

 ちょっとドキドキしながら、大きな宝箱を開ける。

 三人で中を覗き込んでみると、そこには弓が入っていた。

 手には取らず、詳しく見て見る。


破滅の弓(ユニーク武器)


攻撃力 +55,000

器用  +5,000


攻撃時MPを100消費する。


アビリティ

貫通Lv8 


 つっよ!未強化状態でこれとか、恐ろしく強い。

 んー、これは受け取れないな。


「リーズ、俺と握手しよ?」


「え?ど、どどどどうしたの急に、ミリアちゃん!?」


「良いから良いから」


「わ、わわ!?」


 無理やりリーズと握手をして、その手首を掴む。

 そして、弓に触れさせる。


「あっ!?ちょっと、ミリアちゃん!?」


 ユニーク武器は、トレードやプレゼントが出来ない。

 最初に所持した人の専用武器となる。

 だから、無理やりリーズに触れさせた。


「こ、こんな凄い武器っ……!?ど、どうしてミリアちゃん……」


「最初に言ったけど、俺は攻略を楽しもうってつもりはなくて。だから、リーズにそれはあげるよ。その、俺が男だと知っても、変わらずに接してくれた二人へのお礼というか……まぁ受け取ってよ」


 そう横を向いて話す俺に、感極まったのか、目に涙を浮かべてリーズが言った。


「もう、ユニーク武器じゃ渡せもしないじゃない……!本当に、ありがとうミリアちゃん!私、この武器大切にするね!」


「ふふ、名前は物騒ですけれどね?」


「それは言わないでプリハドール!」


「あはは!」


 二人が仲良く話しているのを見ていると、俺も心が和んだ。

 そうして、俺達はダンジョンから出た。

 出たタイミングで姉貴からチャットが届いたので、二人に伝える。


「お姉さんから?そっか、それじゃ私達は一旦ログアウトするね。そろそろ洗濯物取り込んじゃわないと……」


「私もそろそろ一旦戻りますわ。またですわリーズ、ミリアちゃん」


 二人に別れを告げて、俺はゆっくり会話できる宿へと足を運んだ。

 そこでまた衝撃的な話を受けるとは、思ってなかったよ。

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― 新着の感想 ―
[一言] とっても面白いです。 これからも頑張ってください。応援してます。
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