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52 彼女とキス

いつも有難うございます。

「ふー、さっぱりした」


「お、お帰りなさい」


お風呂から立花の元まで戻ってみると、彼女は何故か顔を赤くして出迎えてくれた。


はて、まだお風呂の効果が続いてるのかしら。


うちのお風呂はそんなに熱くないんだけどな。


「どうしたの、そんなに顔を赤くして」


俺は彼女の隣に腰かけて、優しく頭を撫でる。


俺の行為を受け入れてくれている立花は、こちらの方へ向いてきて、ぎゅっと抱きしめてきた。


柔らかい彼女の体と、甘い匂いが俺を包んでくれる。


俺に甘えてくれる彼女が、とても愛おしくて俺も優しく抱きしめ返す。


「…結城さんが悪いんです」


「悪いことした自覚が無いんですけど」


「お風呂上がりの結城さん、格好良すぎなんですっ」


俺の鎖骨あたりに顔を埋めて、表情を見られないようにする立花。


顔を隠すだけでなく、すんすんと匂いを嗅いでくるのでくすぐったい。


「立花も、とっても可愛いよ」


体勢があまり良くなくて抱きしめにくいため、一度彼女を優しく持ち上げて、太ももの上に乗せる。


楽なポーズを見つけて、彼女の背中に手を回した。


立花は持ち上げられたことに少し驚いたようだったけど、すぐに適応して俺の肩や首元に顔埋めてきた。


「…結城さんは、いつも余裕そうです」


「余裕そうに見えるだけで、全然そんなことないけど」


「じゃあ、私でどきどきしてくれてますか?」



「当たり前だよ、最高に可愛い彼女を抱きしめてるんだ。どきどきしない訳がない。実際に聞いてみなよ」



彼女はそっと俺の胸に耳を当てて、心臓の音を聞く。


俺はちょうど良い位置にある立花の頭を撫でて、満足するまで聞いてもらうことにした。


何分か経って満足したのか、彼女は顔を上げて見つめてきた。


「どうだった?」


「とっても、どきどきしていました。それに、結城さんの心臓の音はなんだか落ち着きます」


「そっか。俺はこうして立花を抱きしめていると、幸せで落ち着くよ」



「…好きです、結城さん」



「俺も立花が好きだ」



二人で見つめ合って、幸せな雰囲気が漂う。



今のところ、俺らの直接的な愛情表現は、触るとか撫でるとか、ハグとかしかない。



もう一段階くらい上のもの、いっていいかな。



ただでさえ近い彼女との距離を、さらに縮める。



嫌がるかな、そう思って立花の反応を窺ってみると、頬を真っ赤にして期待するような顔をしていた。



良いって、ことだよね。



彼女の頬に優しく手を当てて、もうすぐ鼻先がくっつくくらいまで近づいた。



「立花」



「はい」



呼びかけてみると、俺にだけしか見せない、最高に綺麗な笑顔で返事をしてくれた。



熱い彼女の頬をそっと撫でて、



「好きだよ、日向(・・)。ずっと、大切にして、必ず幸せにする」



「結城さん…。私も、結城さんが大好きです。ずっと、一緒にいてください」



「うん、ずっと一緒だ。…でも、名前は呼んでくれないの?」



「…!あ、あ…葵くんっ」



「その方が嬉しい」



そういって俺は立花にキスをした。



唇と唇が触れ合うだけの優しいもの。



それなのに、どうしてこうも幸せな気持ちでいっぱいになるのか。



数秒だけ触れ合って、すぐに離れる。



彼女は顔を真っ赤にして、視線を俺からずらした。



「ファーストキスはレモンの味って聞きますけど、分からなかったです…」



「俺も、よく分からなかった。だけど今幸せだ」



「…私も、今幸せです。…分からないなら、何度か試したら分かるかもしれませんよ?」



立花が上目遣いでそんなことを言ってくる。



これは、立花流の照れ隠しをしながらの誘い文句だ。



彼女からキスを誘ってくれたことに、胸が暖かくなりなって、俺は笑みをこぼした。



「そうだね、じゃあ確かめよう」



「はい」



一度離れた距離をまた元に戻して、彼女にそっと口付けをする。



今度はすぐには離れずに、お互いの気持ちを確かめ合うように、何分にも何十分にも思えるキスをした。



どちらからとも分からないタイミングでキスを終えて、顔を真っ赤にしながら微笑みあう。



「私、こういうの、好きです」



「俺もだ」



結局レモンの味がどうとかは分からなかったが、それでも、幸せな味はした。

















たくさんの評価有難うございます!嬉しいです!


今後とも頑張って行きますので、ぜひ応援のほどよろしくお願い致します


ブクマ、感想、下の☆☆☆☆☆を★★★★★にしてくださると、今後の励みになりますのでよろしくお願い致します(・▽・)


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