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42 彼女の許可

いつも有難うございます。今日は少し間に合いませんでした。申し訳ございません。

どれくらい抱きしめ合っていただろうか。


立花の柔らかい体や、良い匂いに包まれて。


一言で言えば幸せだ。


立花は熱い頬をすりすりとしてくる。


可愛い。


「…結城さん…結城さん…」


立花は熱を持った息を吐きながら、呟くように俺の名前を呼ぶ。


俺は右手をそのままにして、左手を彼女の髪まで持っていき、優しく撫でる。


俺が髪を撫でると、立花は嬉しそうに笑った。


うん。この状況は、幸せとしか言い様がない。


でも…。


そろそろ止めないと、暴走しそうで怖い。


「…立花。俺はいつまでもこうしていたいけど…。その、そろそろ…」


「…はっ。そ、そうですねっ」


立花は名残惜しそうに俺から離れていく。


ああ。やっぱり言わなきゃ良かったかも。



「…行こうか」


「…はいっ」


今度こそ、立花の手を取って歩き出す。


「お腹が減ったね。今日は何を作ってくれたの?」


「今日は、結城さんの好きな鳥の唐揚げにしてみました」


「やった!急いで食べよう」


「ふふっ。そうしましょう」


彼女と一緒に夕飯の準備をしていく。


立花の作る料理は本当になんでも美味しい。


その中でも今日は好物を作ってくれたということで、普段より準備をするのが早くなる。


テーブルにすべて並べ終え、立花と向かい合って座る。


「「いただきます」」


彼女の料理を食べて、自然と表情が緩む。


立花は俺の食べてる姿を見て、にこにことしている。


なんて幸せな空間なんだろう。


俺は元気よく食べ進めて、気が付けばお皿には何も無くなっていた。


「おかわり持って来ましょうか?」と笑顔で立花が聞いてくれる。


少し恥ずかしいような気もしたけど、こんなのいつも通りだ。


「お願いします」


彼女はすぐにおかわりを持ってきてくれて、感謝を述べてまた食事に手を付けた。


満足感と満腹感が得られる最高の夕食だった。


「今日も美味しかったよ。ご馳走様でした。」


「お粗末さまでした。よく食べましたね」


「そりゃ…とっても美味しかったし」


俺が恥ずかしくて目線を逸らすと、立花はくすくすと笑う。


そして立花は急に頬を染めて、ゆっくりと口を開いた。


「あの…結城さん。さっきのことなんですけれど」


さっきのこと。


それは俺が抱き着いて、そして彼女も抱き着いたことだろう。


俺は殴られることも辞さない覚悟でいる。


本当にあれは申し訳ない。


「うん…」


「さっきは、はしたない真似をしてごめんなさい。そ、その。結城さんに…だ、抱きしめられて。最初はびっくりしましたけど、と、とっても嬉しかったというか。せっかく抱きしめてくれたのに、すぐ離れちゃうから。あんな行動をしてしまいました。」




あれ?




休に抱き着いたことに怒られると思ったのに、怒られてない。


う、嬉しかった?


ま、まあ。とりあえず早く謝るだけ謝らないと。


「こちらこそ本当にごめん。立花が可愛すぎて、つい抱き着いてしまった。今後はこんなことしないように気を付けるから、許してほしい」


「か、可愛いって…。ってそうじゃないですっ!私は嬉しかったって言ったんです。なんでしないようにするんですか。…もっと、してください」


彼女が顔を真っ赤にしてそんなことを言う。


ほ、本当にもっとして良いの?


さっきは聞かなかったことにして流してたけど、本当に良いの?


立花は真剣な眼差しを俺に向けている。



どうやら本当のようだ。



「わ、わかった。立花が良いって言ってくれるんなら、俺もしたいし、ぜ、是非させてもらうよ」


「…はい。じゃあ今抱きしめてください」


…今?今ですか?


していいって言ってくれたけど…。


立花は立ち上がって、俺の横までやってくる。


立花は両手を前に突き出して、ハグを受け入れる体制になった。


「結城さん…?早く抱きしめてください」


良いって言ってくれてるし。


ええい、ままよ!


俺は彼女の背中に手を回して、立花と密着する。


二人の心臓がばくばくとしているのが分かった。


「…結城さん。私今とっても嬉しい気持ちです」


「お、俺も。嬉しいよ」


立花は嬉しそうに笑って、さっきのように頬をすりすりとしてくる。


俺は彼女の髪を優しく撫でた。




本当に…。



こんなの、幸せ過ぎるよ。





そして、こんな日々は体育祭前日の予行演習まで続くのであった。














嘘みたいだろ?付き合ってないんだぜ?これで(白目)


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