表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/63

24 彼女と料理練習

とても忙しいです…。私は今にも倒れそうですw


皆様いつもご苦労様です。

初めて一緒に夕飯を食べてから大体一カ月くらい経った。


立花はたまにで良いと言っていたが、頻度はというと週に三回くらいでだった。


いや、まあ一週間に一回くらいって思ってたんだよ。


別に悪いわけじゃないし、むしろ嬉しいんだけど、わざわざ時間を作ってまで来なくとも…。


さすがに毎日来るというのは、立花も勉強やそれ以外の事もあるので無理らしい。


いや俺が毎日来てくれみたいな事を言ったんじゃないよ?


立花が「本当はもっと来たいのですけどね」と言っていたからだ。


まあ何があったのか詳しく分からないし、今は教えてくれなくていいんだけど、立花は両親とあまり一緒に夕飯を食べていない感じだったから、人肌が恋しかったのかもしれない。


俺も一人暮らしをしているから、夕飯を一人で食べることが殆どだった。


だから相手が学校一の美少女だろうが、眩いばかりの容姿をしていようが、ただ単純に食事を共にするのが嬉しかった。


あれから立花は時間を作って、学校が終わったらすぐに下校し、食材を買い俺の家にて料理をしている。


アルバイトの日は当然料理をしている所を見れないのだが、アルバイト以外の日にも来てくれるので、沢山見学をした。


なぜ見学なのかと言うと、一度立花に「手伝わせてほしい」と言って料理をしようとしたことが原因である。


包丁を右手で握って、キャベツを切ろうとした。


俺はゆっくりと右腕を振り下ろしてキャベツを均等に切るつもりだった。


立花曰く、包丁を振り下ろそうとする時点でおかしいらしい。


キャベツに刃が入る少し前、立花が大きい声で「危ないですよ!結城さんっ」と叫んだ。


俺は驚いて、びくっと体を震わせ包丁の動きを止めた。


俺が「ど、どうかしたか?」と聞くと、立花は怒ったように「どうかしたか、ではありません!なんで振り下ろすんですか!そして左手を猫の手にして無かったじゃないですか。もしあのまま振り下ろしていたら、左手の指が真っ二つになっていますよ」


立花は「真っ二つですよ、真っ二つ」と言いながら俺をジト目で睨んでくる。


「はぁ…もし結城さんが怪我でもしたらと思うと、本当に怖いです」


そう言って立花はゆっくりと俺から包丁を取る。


「私がやるので、見ていてください」


立花はトントントンとリズム良くキャベツを千切りにしていく。


半分くらい切ったところで、立花は手を止めた。


包丁をまな板に置いて、立花はこちらへ向き直す。


「結城さん、お手伝いをしてくれるのは嬉しいですが、怪我をしてもらったら困ります」


「ご、ごめん」


「結城さんは悪くないです」


そして立花は顔を少し赤く染め、わざとこほんと咳をした。


「ですから、私と一緒に練習しましょう。安全にそして上手に料理を出来るようになりましょう」


立花は「私が頑張って教えます」と最後に言うと、まだ顔を赤くして少し笑っていた。


俺はその言葉を聞くと、少し顔を赤くしてしまった。


立花に赤い顔を見られないために、顔を逸らした。


心臓はというと どっどっ と元気良く跳ねている。


それと同時に胸のあたりも温かくなった。


「あ、ああ。美味しい料理を作れるようになるよ」


俺が聞こえる範囲で、ぼそりというと、立花は少し笑った。


「そうです。では、ここに来てください」


立花は一歩下がって、まな板がある位置に指を指した。


俺が移動して、包丁を握ると、立花が分かりやすくゆっくり指導してくれる。


最初はぎこちない動きだったが、だんだんと慣れて端に行く頃にはリズム良く切れたと思う。


「やった。うまく切れた」


立花と比べるとあまり綺麗な千切りではないが、俺が千切りをしたというのと、立花のお陰で少しコツを掴んだのもあって、自然に顔が綻んだ。


ふと立花を見ると、立花も笑っていた。


「よくできましたね。このまま上達すれば、私もお役御免になりますね」


立花は少し悲しそうな雰囲気を出しているが、顔は笑っていた。


「そんなことはないさ」


俺は立花の目をじっと見つめる。


「俺は立花の料理が食べたいけど、少しでも立花の負担を減らしたくて料理を上手になろうとしてるんだ。もし立花が居なくなったら、俺はとても困る。それに一緒に料理をしたほうが楽しいしな」


立花は俺の言葉を聞くと、少しだけ目をぱちぱちとさせたが、すぐ顔を赤く染めた。


そして立花は恥ずかしそうに「…そうですね」と言った。


「今後とも、俺に料理を作ってくれよ」


「結城さんも、私のために料理上手になってくださいね」


「もちろん」


俺がそういうと、立花も俺も、笑顔になったのであった。









次は完璧な一か月後の話ですかね。


ブクマ、感想、評価等よろしくお願いしますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ