17 彼女のために決心
何時も投稿が遅くて申し訳ありません。
今日は少し短めです。
立花を送り届けている間、家を出るときに彼女がぼそっと言った台詞が、ずっと頭をぐるぐると回っていた。
会話は少しあったものの、お互いが意識しすぎて会話が続かなかった。
俺が横を向いて立花の顔を見れば、彼女は白い頬を赤く染めてぷいっと顔を逸らす。
その行動自体可愛らしいと思うのだが、その事を表情に出さず、前を向いて歩く事にだけ集中した。
少し一緒に歩けば、立花のマンションの玄関前まで来ていた。
「とても朝が早いのに送ってくださり有難うございました」
立花はいつも通り、ぺこりと頭を下げる。
「いや、なんてことはないさ。立花には昨日沢山面倒見てもらったしな。また今度お礼させてくれ」
「は、はい。有難うございます」
俺はそう言って、立花に手を振ってから来た道を帰る。
帰る途中に立花にするお礼について、考えてみた。
今俺は一万円生活をしているので、立花にできるお礼というのは、物以外になってしまう可能性が高い。
行動か何かでお礼をするというのは、正直何をすればいいか全くわからない。
親しいとも、親しくないとも言えない、よくわからない関係が原因だ。
そもそも俺は立花と友達なのだろうか。
この関係を、友達と言えるのかも怪しくなってきた。
立花は俺に料理を作って持ってきてくれているが、一般的な友達はこういう事をしないだろう。
このよくわからない関係の相手に、行動で返すというのはやはり難しい。
もし俺が立花なら、料理を少し豪華にするとか、一品多くするとか色々出来るだろうが、如何せん俺は何もできない。
唯一の取柄である勉強も、立花より出来ないなら教えてあげることもできず、逆に教えられる立場だ。
前は店長さんのおかげで、ハンカチを買えてお礼をすることが出来たが、また店長さんにお金をもらうというのは出来ないので、また別の形になってしまう。
やはり物なのだろうか。
でも物を買うにもお金が無いし…。
俺はあまり体が丈夫ではないので、以前親にバイトをしたいと言うと、「色々大変だろうし、勉強に支障が出たら困るから止めておきなさい」と言われたことがある。
母親は俺が大学へ行くため、日々とても働いている。
お金が毎月一万円なのも、大学へ行くためのお金を貯めているというのがある。
母親には今からでも少し楽になってもらいたいし、今からバイトを始めるのは悪くないのではないだろうか。
幸いなことに、鳴海高校はバイトが出来る学校だ。
スーパーへ手伝いに行く頻度が減ってしまうだろうか、そこはまぁ…しょうがない。
自分の生活費から余ったお金で、立花にお礼もできるのだ。
将来俺も医者として働くだろうし、いい機会だと思って働くのは悪くない。
勉強に支障が出ない程度に働くし、ここは一度アルバイトをしてみるか。
俺は最寄りの駅に、アルバイト求人の冊子が無料で置いてあるのを知っているので、走って駅まで行き、取って家に帰ったのだった。
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