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家族ってね  作者: 宮原叶映
32/50

京介の心情

少し重い話です。

 今日は、めぐみ達の死から二週間がたった。


 めぐみ達が突然亡くなり、紘季は一週間引きこもり次の週になるとテストに追い込まれた。

 京介もまた追い込まれた一人である。彼は、病院のベットで内心焦っていた。

 それは、紘季のことについてだ。彼は、両親の死から少しずつ冷静になってきている。

 しかし今の彼は、テストでそれどころではないかもしれない。


 もしからしたら、あの事に気が付いて聞いてくるんじゃないのかと。

 

『あの子達をよろしくね』

 

 と、時雨がめぐみから聞いたという言葉だ。一見普通に感じるが、自分の子供に対してあの子達とは言わないはずだ。

 もし言うとしたら、『子供たちによろしくね』になるだろう。


 これが、刑事の勘なのかは分からない。京介は時雨から聞いたときに違和感を感じた。

 

 事故の真実を調べにつれて、めぐみの言葉の謎が解かれていった。

 めぐみは、自分よりも飛び出しをした他人の子供を庇い、事故を起こした。

 言い方を悪くすれば、時雨は嫁の行動のせいで事故に遭った。

 そして彼は命が失うことになろうとも、最期まで文句を言わなかった。いつもと同じように口が悪く冷静だった。

 

 まるで、正しいことをしたと言うように。

 

『あいつは、強いな』

 

 と、時雨は言った。京介は、その言葉にも少し気になっていた。

 他人の子供を守ろうとした行動に対してなのかは分からない。

 

 事故のときに、他に何か話していたのかもしれない。

 まだ、めぐみの車にドライブレコーダーは取り付けていなかった。

 京介は事故になる前に、めぐみたちと会ったときにドライブレコーダーを取り付けた方がいいと話をした。その後に、事故が起こった。

 

 もし取り付けていたら、その時の会話が残されていたのかもしれない。

 時雨の言葉以外に何か別の会話をしていて、彼はその事について言ったのかもしれない。たくさんのかもがある。


 それは、真実が正確に分からないからだ。

 

 京介は、時が戻れるなら戻したかった。二人に会わないということにしていれば事故は起こらなかった。誰も悲しむ必要はなかった。

 

 起こってしまったことに、今さら言っても仕方がない。誰だって後悔はあるものだ。

 二週間がたったとしても、まだどこかで二人は生きてると思った。何で、いないのか不思議なぐらいだ。

 

 

 

 もうニュースには、取り上げられていない。二人の事故死が取り上げられた時は、京介が言った事故内容だった。

 

 内容は、次のようなものだ。


 その事故現場は、普段人通りや街灯とカーブミラーも少ないので基本暗く見にくい。

 

 飛び出した子供は、前を見ずに何かから怯えるように走っていた。

 

 なぜ、子供がこの時間に飛び出したのかということだ。

 

 ブレーキ痕は、はっきりと残っていて止まろうとしたことが分かる。

 

 どちらが悪いかどうか。

 

 警察が事故の詳しい原因を調べているなどだ。


 めぐみが気付かなかったら、その子供はこの世から命が失っていた。

 何度もいうが、めぐみの行動が正しいのか分からない。未来のある二人の子供を助け、三人の子供を持つ二人の大人の命が失われた。

 

 誰かの命が失うと、新たに生命が誕生する。人の助けで、命が救われたり命を落としたりする。死があれば生がある。

 その反対もしかりだ。それが、世の(ことわり)だ。

 そのなかに、時雨とめぐみが入ってしまったということだろう。

 

 

 先程の時雨がめぐみに対して向けた言葉の裏には、きっと何かがあるに違いない。

 

 今動けない京介は、安堂が見舞いに来たときに二人の事故の原因となったある人物たちについて調べるように頼んだ。

 どんな結果になろうとも、二人は戻らない。それでも、事故のことを紘季に話せれるようにしたいと思ったのだった。

今思えば、めぐみと時雨の言葉に何か含まれていた。


ひとつの行動で、誰かが助かった。しかし、助けてくれた人は亡くなった。その行動をした人が正しいのか誰も分からない。


読んでいただきありがとうございます!

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