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家族ってね  作者: 宮原叶映
28/50

許さない

幸雅が、メイン?のお話が少し続きます。

 空き教室から少し離れた人気のない廊下。

 

「京介が、目を覚ました? 」

 

 幸雅は、麻酔で眠ってたのか?と疑問に思ったが、本当に京介は意識不明だった。

 

「はい」

 

「良かったです。本当に良かったです」

 

「目を覚ました時に、京介が言ってたそうです。二人にあって、怒られたと」

 

「えっ? 」

 

「時雨にはボロクソに、めぐみには優しく帰るように言われたそうです」

 

「二人らしいです。感謝ですね」

 

「そうですね。幸雅、ハンカチを使ってください」

 

「ありがとうございます」

 

 数分後。

 

 荻と幸雅は、空き教室に戻った。

 

「二人とも、待たせてすみません。話の続きは、あとでしますので、僕についてきてください」

 

「えっ? 」

 

「ほら、ついて行きなさい。大丈夫ですから。あまり、矢野先生を責めないであげてください」

 

 と、荻が言った。

 

「荻先生も来られますか? 」

 

「行きたいのですが、これから生徒に勉強を教えることになってまして。別日に行きます」

 

「分かりました」

 

「伝言だけお願いします。他人を助けるのは、いいことです。自分を大切にして下さい」

 

「分かりました。今のアイツにピッタリですね」

 

 四人は、教室を出た。幸雅とたかと絋季は、それぞれの荷物を持って教員の駐車場に向かった。車に乗り込む。

 

「シートベルトして下さいね」

 

 幸雅は、後部座席に座る二人に言った。

 

「では、出発しますね」

 

 二人が、シートベルトをしたのを確認して車を発進し、学校をあとにした。

 

「これから、病院に向かいます」

 

「えっ? 」

 

 と、たかが言った。

 

「京介が……」

 

 幸雅は、言葉を選びながら事情を話す。

 

「絋、大丈夫? 」

 

 絋季は、頷く。彼の顔は、青ざめていた。

 

「京介は、強い男です。とても勇気のいることをしています。でも、人を心配かけて欲しくないですね」

 

 二人は、頷く。

 

シーン

 

 車内は、静まり返る。しばらくしたら病院に着いた。時雨が亡くなった病院でもある。絋季は顔を曇らす。

 

「絋、無理するなよ」

 

 絋季は、すでに涙目になっている。体は、震えていた。京介が無事だと聞いても恐いのだ。

 


「京介は、生きてます。命は、別状ないです。意識も戻ったそうです。でも僕も恐いですよ。こんなことは初めてなので。とにかく会って、安心したいです。行きましょう」

 

 と、幸雅は絋季に視線を合わせて優しく言った。

 絋季は頷き、涙を拭う。意識が戻ったと聞いて少しは安心した。

 

「絋、行こう」

 

 三人は、車から降りて病院に入った。

 



 数分後。

 


 京介の病室に着いた。

 

コンコン

 

「はい、どうぞ」

 

 と、れんかの声が聞こえた。

 

ガラガラ

 

「幸雅先輩、絋君、たか君、来てくれたんですね。ありがとうございます」

 

 病室の奥には、ベッドに横たわる京介の手を握って泣いている空がいた。

 

「怖かったんだからね」

 

「うん。ごめんな」

 

 ズガズカ

 

「先生? 」

 

「幸雅先輩? 」

 

「幸ちゃん? 」

 

 京介以外のメンバーは、普段の幸雅と様子が違うのに驚いた。いつも優しくニコニコ笑顔が、元々の細目がギロっと目付きが悪くなった。

 

「京介!僕は、謝られても許さないからな! 」

 

 幸雅は、珍しく敬語ではなく口が悪い。彼は、京介を見下ろして言う。その目は、とても恐い目をしている。

 

「あぁ。それでいい」

 

 と、京介は彼の瞳に宿る怒りと悲しみを感じ取った。その瞳を真っ直ぐ見て答えた。

 

「幸ちゃん? 」

 

「あっ、すみません。僕は、もう帰ります」

 

 そう言うと、幸雅はくるっと向きを帰え出口に向かう。

 

「「ちょっと待って」」

 

 と、京介と空が言った。その声に、幸雅は止まる。

 

「俺は、幸雅の言う通りのことをした。みんなに、心配をかけ悲しませた。怒っていいからな」

 

 と、京介は幸雅の背中に向かって言った。

 

「京兄の言う通りだから。空は安心して、幸ちゃんみたいにうまく怒れないの。だから、空の代わりに怒ってくれてありがとう」

 

 と、空も言った。

 

「はい。すみません。ちょっと、頭を冷やして来ます」

 

 幸雅は、病室を出ていった。


「先生、言ってあげてください」

 

「でも、一人にした方が……」

 

「確かにそうですが、隣に誰かいてくれた方が安心します。私は、先生のお兄さんから教えてもらいました」

 

「れんかさん、すみません。あとのことはお願いします」

 

「任せてください」

 

 空も病室を出ていった。

 

「絋季とたか君、おいで。椅子に座りな」

 

 二人は、頷き、京介のベッド横にある椅子に座る。

 

「絋季、手を出して」

 

 絋季は言われた通り手を出す。京介は、手を伸ばして絋季の手を力強く握る。

 

「絋季、安心しな。俺は、生きてるからな」

 

 絋季は、握り返しながらうんうんと頷く。そして、涙がポタポタと落ちる。

 

「京介さん、俺たち心配したんですから。矢野先生が辛そうに俺たちにこの事を打ち上げようとした表情をみたら、もしかして何かにあったんじゃないかって……すみません」

 

 たかの瞳からも涙が溢れた。

 

「そうだよな。心配かけたな」

 

 京介は、幸雅からの言葉でごめんと言うのをやめた。

 


 数分後


 

「京介さん。怪我が治ったら、みんなとご飯に行きましょう。もちろん、京介さんの奢りで」

 

 と、さっきまで黙っていたれんかが言った。

 

「それいいですね」

 

 と、たかが乗っかる。

 

「今回、みんなに心配かけて泣かした罰です」

 

 と、れんかが言う。


「あぁ、もちろん」

 

 と、京介が言う。


「じゃあ、焼き肉にしましょう」

 

 と、れんかが言う。


「はぁ?じゃあ、焼き肉ってなんだよ」

 

「それは、みんなでご飯を食べるのは焼き肉で決まりですよ」

 

 たかが、フォローする。

 

「なぁ、絋も焼き肉食べたいよな? 」

 

 絋季は、頷く。彼は、お肉が好きだ。

 

「しょうがないな。うまいとこ知ってるからそこに行くか」

 

「「そうしましょう! 」」

 

 京介は、れんかにこっそり耳打ちをした。 

 

「れんか、安堂さんから聞いたんだろ」

 

「何がどういうこと? 」

 

「聞いてないなら、なんでもない」

 

 京介は、もしかしたら安堂から焼肉のことを空が聞いて、それをさらにれんかに話したのかと思った。そうじゃなくて安心はしたが、財布から飛ぶお金を見ないフリにしたくなった。  

 

 京介の病室で焼き肉だと盛り上がっている時に、幸雅と空は屋上にいたのだった。

読んでいただきありがとうございます!

数分後が、多いきがしますね。

京介の体は、すごいです。


僕も焼き肉が食べたいです。


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