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ムスティーク・バタイユ  作者: 沙φ亜竜
第1章 ミルちゃんは家族だから
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-2-

「あなたたち」


 不意に背後から話しかけられた。

 川原でぼへ~っと日差しに身を委ねていたあたしと留架は、揃って振り向く。そこには、ふたりの人物が立っていた。


 男性と女性。どちらもスーツ姿だった。


 声をかけてきたのは、女性のほうだ。

 その人は長い髪を優雅に風に揺らしていて、スタイルも抜群。サングラスをかけているから目は見えないけど、おそらく美人だと考えられる。

 隣に並んでいる男性は、清潔感漂う髪をなびかせながら、爽やかな微笑みを浮かべている。

 ふたりとも、少なくとも学生には見えない。あたしたちより何歳も年上なのは間違いないだろう。


「はい……?」


 あたしにそんな年上の知り合いがいるはずもなく、首をかしげながら応答する。

 すぐ横に視線を向けてみれば、留架も同じような表情をしていた。どうやら留架の知り合いというわけでもなさそうだ。


 女性は髪をふぁさっと振り乱し、サングラスを外す。

 切れ長の目。やっぱり美人だ。

 ゆっくりと、その人はこちらへ歩み寄ってくる。


 視線の先は……留架?

 いや、あたしが持っているヒモにくくりつけられたミルちゃんも今、留架の肩に止まっている状態だ。

 ミルちゃんってば、見た目的にもキュートだし、人目を引くのも当たり前だよね。


 あっ、もしかしたらこの人たちって、ミルちゃんがすっごく可愛いから、奪い取ろうなんて目論んでたりするんじゃない!?

 ミルちゃんになにかしたら、絶対に許さないんだから!


 あたしは息巻いて身構える。

 留架もまた、見ず知らずの相手に警戒しつつも動けないでいるようだった。話しかけられただけで逃げてしまうのは、いくらなんでも失礼に当たる、とでも考えているのだろう。


 次の瞬間……。

 女性は襲いかかってきた。


 否。

 その表現はちょっと正しくなかったかもしれない。

 狙いは思ったとおりミルちゃん……ではなく、留架のほうだった。

 留架は今、女性の両腕に包み込まれ、抱きしめられている。


「きゃ~~~ん、可愛い~~~♪」


 わしゃわしゃわしゃと、留架の髪の毛を乱すように頭を撫で回し始める女性。

 タイトスカートのピシッとしたスーツ姿で、サングラスも似合っていた、さっきまでの姿からは想像もできないほどの変貌ぶり。

 あたしはぽかーんと口を開け、呆然としてしまった。

 なお、ミルちゃんはすぐさま留架の肩から飛び立ち、あたしの持つヒモをピンと張って周囲を旋回している。


「ちょ……ちょっと! なにするんですか、おばさん!」


 留架が必死になって抵抗する。

 どうにか腕を振り払おうとするものの、女性はがっちりと抱きかかえていて離れる気配がない。


「おばさんじゃないでしょ? お姉さんでしょ~? あっ、名前で木乃々(このの)さんって呼んでくれてもいいわよぉ~?」


 そう言ってたしなめながらも、抱きしめ&撫で撫で攻撃は止まらない。

 それだけに留まらず、女性はさらに自分の顔を寄せていくと、留架に激しく頬ずりまでし始めた。


「ああ~~ん、ほっぺたもモチモチで最高~~~♪」

「うわああああっ!? な……なに、この人!?」


 困惑至極の留架を、女性はひたすら愛でまくる。

 もうひとりの男性は、微かな笑みをたたえたまま、その様子を黙って眺めていた。止める気なんて毛頭なさそうだ。

 あたしだって、止めるつもりはない。


「はう~~~~ん、可愛い~~~~~!」

「うあああああ~~~~っ!」


 留架は悲鳴を上げているけど、べつに危害を加えられているわけではない。

 むしろ可愛がってもらっている状態なのだから、どうして止める必要があろうか。

 女性はさながら犬とか猫とかを可愛がる飼い主のように、ひたすらスキンシップを繰り返している。


「この人、おかしい! 姉ちゃん、助けて!」


 留架が懇願してくる。

 あたしはそれを無視して、女性に向かって声をかけた。


「留架の可愛さをわかってくれるなんて、とても嬉しいです! もっと可愛がってあげてください!」

「うあっ、姉ちゃんもおかしかった!」


 失礼なことを言う留架。

 そんな留架が女性の腕から解放されたのは、それから優に十分以上経ったあとだった。




「こほん……」


 咳払いひとつ、乱れかけていたスーツもピシッと正し直して、女性が話し始めた。


「少々取り乱してしまったけど……。私は《みくらざか》御倉坂木乃々(このの)。とある施設の研究員よ。改めて、よろしくね」

「あ、はい……」


 柔らかな物腰で頭を下げる木乃々さんに、あたしも慌てて頭を下げ返す。


「それと、こっちは助手の《ちねん》知念爽星(そうせい)よ」

「知念です。助手をやっています。木乃々さんの犬です。よろしくお願いします」

「い……犬!?」

「はい。オレは木乃々さんの犬です。木乃々さんの命令には絶対服従です。靴を舐めろと言われれば、喜んで舐めます」

「姉ちゃん、この人変だよ!?」

「そ……そうね……」


 さすがのあたしでも引いてしまう。


「知念、あなたは黙ってなさい」

「御意」


 木乃々さんが命令すると、知念さんは了承の意を示して口をつぐむ。


「おふたりの名前を伺ってもいいかしら?」


 木乃々さんは今の知念さんとのやり取りなんてなかったかのように、澄ました様子であたしと留架に微笑みかけてくる。

 留架のことを可愛がってくれたのは嬉しいけど、考えてみたらかなりおかしな気がする。

 知念さんは自分を木乃々さんの犬だと称して絶対服従を誓っているみたいだし、とある施設の研究員だなんて詳細をぼかしているのも実に怪しい。


 とはいえ、一応は相手のほうから名乗ってくれたわけだし、無視するのも悪いかもしれない。そう考え、あたしは躊躇しながらも自分と弟の名前を伝えることにした。

 留架もそれを止めはしなかった。ただ、警戒は解いていないようで、木乃々さんと知念さんをあからさまに睨みつけていた。

 まぁ、いきなり抱きしめられて頭を撫でまくられて頬ずりまでされていたのだから、それも当然か。


「あの……それで、あたしたちになにかご用でしょうか?」


 お互いの自己紹介だけは終わったものの、この人たちがいったいどういうつもりで話しかけてきたのかは、まったくもってわかっていない。

 まずはその真意を探るのが先決だ。

 あたしの問いかけに、木乃々さんは凛とした声でこんな答えを返してきた。


「理葉さん! ムスティークのエルヴァーとなって、ムスティーク・バタイユに出場してくれない?」


 一瞬、なんのことやら、わけがわからなかった。

 いや、一瞬だけではない。よくよく考えてみても、やっぱり理解できなかった。


 むすてぃーくのえるばー?

 むすてぃーく・ばたいゆ?


 聞き慣れない言葉の連続に、あたしの繊細な頭脳が理解不能の信号を送り出してくる。

 頭上に疑問符を浮かべるばかりのあたしに対し、隣に並んでいる留架は、どうやら少しは理解できているようだった。


「ムスティークって……もしかして、ミルちゃんが……?」

「ええ、そうよ。その蚊……ミルちゃんって呼んでるのね? その子は、ムスティークに間違いないわ。どこかの施設から逃げ出した幼生が野生化した個体だと思う」

「そうか……それなら、いろいろと合点がいくかも……」


 ひとりで納得顔になっている留架に、あたしは説明を求める。

 ムスティークというのは、専用の施設で培養された特殊な蚊らしい。

 そのムスティークに血を与える飼い主が、エルヴァーと呼ばれている。

 そしてムスティーク・バタイユというのは、そんなムスティーク同士を戦わせる競技なのだという。

 詳しくは知らないけど、テレビで蚊を戦わせているような映像を見たことくらいはあった気がする。


「それで、その競技にあたしを出場させたい、ってことなんですか?」

「ええ、そうよ。実際に戦うのはミルちゃんになるけど、ムスティーク・バタイユではエルヴァーの存在も重要になってくるの」


 まだよく状況が呑み込めてはいなかったものの、木乃々さんの目的だけは伝わってきた。

 つまり、ミルちゃんを連れ去るとかそういうやり方ではなく、飼い主であるあたしを納得させた上で引き入れよう、と考えているのだろう。


「私たちの施設からも、過去に数匹の幼生が逃げ出してるの。識別タグをつけたりはしていないから確認できないけど、ミルちゃんはおそらく、うちの施設で育ったムスティークだと考えられるわ。だからこそ、こうして迎えに来たってわけ」


 木乃々さんが優しげに諭してくる。

 あたしとしては、言われたとおりにしてもいいのかな、と思い始めていた。

 そのとき。


「うん、わかった……」


 留架が大きく頷くと、あたしの手を握って引っ張る。


「姉ちゃん、行こう! やっぱりこんな変な人たちに関わることないよ!」

「あっ、留架、ちょっと……!」


 戸惑うあたしを引っ張り、留架はずんずんと歩き始めてしまう。

 でも、そうよね。なんだかおかしな人たちみたいだし、このままサヨナラしておくべきなのかも。


「それじゃあ、あたしたちはこれで」


 なにも言わずに去るのは失礼かと考え、そんな挨拶と軽い会釈を残し、あたしは留架とともに川原を突き進み始めた。

 直後、背後から落ち着いた声がかけられる。


「ふふっ、いいの……?」

「え……?」


 あたしは思わず立ち止まり、振り返っていた。


「その子……ミルちゃんだっけ? このままだとすぐに死んじゃうわよ?」


 ミルちゃんが、すぐに死んじゃう!?

 あたしは木乃々さんの言葉に驚愕していた。


「騙されちゃダメだよ、姉ちゃん! もともとミルちゃんは蚊なんだから、すぐに死んで当たり前なんだってば!」

「そうでもないわよ? なにせ、戦うために培養されたムスティークなんだから。さすがに人間ほどの寿命はないけど、普通なら数年は生きられるはずよ」


 留架の指摘にも慌てることなく、木乃々さんは反論してくる。

 とすると、数年は生きられるはずのミルちゃんが、このまま連れて帰ったらすぐに死んでしまうことになる。

 そしてそれを指摘する木乃々さんは、ミルちゃんが死なないための方法を知っている……。


「どうすればいいんですか!?」


 あたしが凄まじい勢いで食いついたのも、あるいは木乃々さんの思惑どおりだったのか、彼女はふっと表情を緩め、こんな交換条件を突きつけてきた。


「私たちの施設まで一緒に来てくれたら、対処法を教えてあげてもいいわ」


 その言葉に、あたしは素直に従うことにした。

 留架からは制止の声が飛んできたけど、ミルちゃんを見殺しになんてできない。

 ミルちゃんは、あたしの大切な家族なのだから。



 ☆☆☆☆☆



 あたしたちは木乃々さんに促され、車に乗り込んだ。

 運転するのは知念さん。助手席には木乃々さんが座り、あたしと留架は後部座席に乗せられた。

 木乃々さんたちの施設にはあたしとミルちゃんだけで行けばいいと思っていたのだけど。

 留架は心配してくれたようで、「僕も一緒に行くよ!」と叫んでついてきた。

 なんだかんだ言って、留架ってばあたしのことが好きなのよね。


「だって、姉ちゃんだけじゃ頼りなさすぎだから。騙されて売り飛ばされちゃうかもしれないじゃないか!」


 とまで考えるのは、いくらなんでも飛躍しすぎだと思うのだけど。

 きっと恥ずかしいから、そんなふうに言ってるだけなんだよね。ほんと、愛い奴!

 それはともかく、車の中で木乃々さんは、ムスティーク・バタイユに関する詳しい話を聞かせてくれた。


 ムスティークの研究やムスティーク・バタイユは、フランスが発祥。様々な用語がフランス語になっていることにも、その痕跡が残っている。

 蚊の生態に魅せられたラファエル・グロージャンという生物学者を中心とした研究チームによって、専用の培養設備が整えられたのがそもそもの始まりだった。

 その施設では同時に、ムスティークに血を与え続けるエルヴァーについて研究も進められ、さらにはムスティーク同士を戦わせるための舞台となる球体状の『スフィア』なんかも開発されていった。


 ただ、ラファエルの住んでいるフランスは、蚊が繁殖するには気候的にあまりいい条件とは言えなかった。そのため、主な研究の舞台は別の国へと移っていくことになる。

 現在でも使われている培養設備だと熱帯地方ではムスティークが思うように誕生してくれないとの理由から、今では日本を含めた温帯地域が主な研究の舞台となっている。

 とはいえ、世界的に見ても研究規模はそれほど大きなものではないようだ。


「日本でもまだあまり一般的に認知されてはいませんが、ムスティーク・バタイユは全国大会まであって、テレビでも放送されているんですよ」


 知念さんが運転しながら解説を加えてくれた。

 ふと、ヒモでつながれたままのミルちゃんに視線を向けてみる。

 ぶぅ~~~んと、いつもどおり軽快な音を響かせながら嬉しそうに飛び回ったり、車のシートの上に止まって休んだりと、気ままに時間を過ごしている。


 木乃々さんは、施設で培養された幼生が逃げ出し、野生化した個体だと語っていた。

 よ~く観察してみても、ミルちゃんは普通の蚊と大して違いがないように思う。

 若干サイズが大きく、くりくりした可愛い目も特徴的ではあるけど、発育がいいだけくらいに考えていた。

 そのあたりも、ミルちゃんがムスティークだから、と考えれば納得できなくもない。


 これからあたしたちが向かう場所は、ムスティークを研究するための施設だという。そこではムスティークの培養が行われ、様々な研究や開発がなされているのだとか。

 といっても、ムスティークの培養は成功率が極端に低く、ムスティーク・バタイユの試合で戦える個体はほとんど育たないのが実情らしい。

 特殊なDNAを注射した母体から生まれた蚊の中で、ごくごく一部だけしかムスティークとしての能力を持てず、しかもムスティーク自体には繁殖能力がないため、もとは蚊であっても爆発的に増やすことができないようだ。


 木乃々さんの話を聞く限りでは、この人たちは単にミルちゃんを欲しているだけのようにも思えてしまう。

 あたしと留架を連れていく必要なんてなさそうだけど、それは安心させるための罠なのかもしれない。

 施設とやらに着いたら、ミルちゃんが死なないで済む方法を早めに聞き出して、さっさと帰ったほうがいいだろう。


 車で移動してきているから、帰るのも大変そうだけど、きっとどうにかなる。

 あたしはミルちゃんを変な競技なんかに出場させて戦わせたいなんて思っていない。

 ミルちゃんはあたしと一緒に遊んであたしの血を吸って、あたしのペットとして生活してくれていればいいのだ。

 そんなふうに考えているうちに、車は目的地へとたどり着いた。




 車が走っていた時間は、三十分程度だっただろうか。意外と近かった気がする。

 また、目の前にたたずむ施設の外観も、あたしの想像を見事に裏切ってくれた。

 研究施設という響きから、どこか郊外にあるだだっ広い土地の中に何棟もの建物が点在している、といったイメージだったのだけど。

 その施設は二階建てで、住宅地の一角にひっそりと存在していた。


 コンクリート製の無骨な建物は、確かに施設と呼ぶのにさほど抵抗はない見た目ではあるものの、住宅に挟まれた場所にあるせいか、随分と狭っ苦しく感じられる。

 全体的に薄汚れていて、なんだかボロっちい印象。廃墟……とまでは言わないけど、まともな研究施設だとは到底思えない。

 建物には看板のようなものも見当たらず、入り口の脇に施設の名前が書かれた小さな木の表札がかかっているだけだった。


 非常に地味。地味すぎる。

 思わず、「頑張って!」と応援したくなるほどに。

 木乃々さんはこんな施設だというのを恥じることなく、むしろ誇らしげな表情で言い放った。


「私たちの施設、ムスティーク・バタイユ研究所『ムースバター』へようこそ!」




 施設内に招き入れられたあたしたちは、応接室へと通された。

 応接室といってもかなり狭く、しかもお世辞にも綺麗とは言えない場所だ。

 あたしと留架は、木乃々さんと知念さんに対面する形で座るよう促される。その椅子も、安っぽいパイプ椅子だった。


「言われたとおりここまで来たんですから、早くミルちゃんが死なないで済む方法を教えてください!」


 椅子に座った瞬間、あたしは相手の出方を待つこともなく、大声を張り上げていた。

 あまりにもせっかちだとは思うけど。

 あたしが施設までついてきた理由はこれだけなのだから、当然の行動と言えるはずだ。


「そうね。教えてあげる」


 木乃々さんは躊躇することなく、その方法を答えてくれた。

 でも――。


「ムスティーク・バタイユに出て戦うこと。それが唯一の方法よ」

「やっぱりこの人、姉ちゃんを騙して連れてきたんだ!」


 留架は怒り心頭、立ち上がって文句の言葉をぶつける。

 対する木乃々さんは涼しい顔を崩さない。


「騙してなんていないわ。これは本当のこと。ミルちゃんはムスティークなの。ムスティーク・バタイユに参戦するために生まれた特別な蚊なのよ。戦わなかったら、生きている意味がないってことになるわ。つまり、死んでいるも同然なの!」

「そんなの、へ理屈だ! どう考えたって騙してるじゃないか!」


 留架が怒鳴っている。

 ミルちゃんのために。そして、あたしのために。

 それはとても頼もしく、とても嬉しく思えた。


 だけどあたしは、冷静に考えていた。

 この人の――木乃々さんの言うとおりかもしれない、と。

 ミルちゃんの生きる意味がムスティーユ・バタイユという戦いの場にあるのなら、それを叶えてあげるのも飼い主としての……いや、家族としての努めとなるのではないだろうか。


「ムスティーク・バタイユに出場するムスティークには、血を与える飼い主――エルヴァーの存在も必要なの。エルヴァーの血を吸い、仲よくなることが不可欠なのよ! お願い、理葉さん。私たちの研究に協力して、エルヴァーとしてムスティーク・バタイユに参戦して!」


 必死に懇願してくる木乃々さん。その横では、知念さんも頭を下げている。

 真面目にお願いしているのだ。


「姉ちゃん、帰ろう! こんなバカな話につき合うことなんてないよ!」


 留架は怒りをあらわにして、あたしの手を引っ張って立ち上がらせようと躍起になっていたけど。

 あたしは決意していた。


「わかりました! あたし、ミルちゃんと一緒に、ムスティーク・バタイユに出ます!」


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