受付のお姉さんと麻の手袋
書くだけ書いたので投稿、誤字脱字修正は近いうちにします。
とりあえず 毎日投稿出来るよう頑張ります!
暖かく見守っていただけたら幸いです。
門番に言われたとおり、僕は村の中央にある、ギルド支部へ向かった。
そこらを歩く旅人や村人のステータスが気になったが、さっき門番に鑑定された時の覗かれてる感じと
女戦士に蹴られた記憶が『鑑定メガネ』の使用を停止させた。
そして、四メートルぐらいの建物が目に入った。
出入口の開き戸の上に少し派手な旗が風で靡いていた。
少し緊張する間もなく、僕は深呼吸をしてギルド支部のドアを引いた。
ギルド支部は、広々していた。
丸い机が3つ それぞれに丸椅子が3つあり
左隅の机は、いかにも冒険者っぽそうな三人の中年男性が、クエストの内容や報酬面で相談していた。
真ん中近く机は、無人で、
右隅の机は、素朴な私服で一人の中年男性が腕を枕にして机に寝ていた。
ギルド支部の内装を眺めながらクエストの相談をしていた中年男性の会話につい聞く耳を立てた。
「ちょっと歩くけどよ、ザザの実収集とかどうよ?」
「いやいや、近場のコボルト討伐で良くない?」
楽しそうに意見を討論しあうニ人に、もう一人は、興味なさそうにあくびをする。
「…………ふぁあぁ……決まったら教えて、後声落として……ちょっと休む……」
どうやら採取系のクエストか討伐系のクエストで悩んでいるらしい。
ワクワクすると同時に、RPGで見たコボルトが討伐される想像をしてしまったら少しテンションが落ちた。
コボルトは、確か小型の人型の魔物だっただろうか?
しかし、別のRPGでは、小型の犬人型の魔物でもあったきがする。
動物好きな自分としては、例え悪い魔物だとしても後者だったら気が引けてしまう。
でも実際、いざ戦闘になったら案外あっさりと倒せてしまうのかもしれない。
少しネガティブになりかけていたものの、それがこの世界の摂理なのだからしょうがないだろう。
そう思うことにした、ひょっとしたら戦闘は楽しい物なのかもしれないし……。
TVゲームでは、何百、何万とボタンひとつで魔物を倒したが、この世界ではそういうわけには行かない。
そもそも、この世界だと魔物はどうやって現れるのだろう?
闇の力だか闇の歪から沸いて出るのか、それとも人間と同じで生活があるのか?
前者なら何も考えず倒せそうだが、後者であれば……。
そう思うとちょっと胸が痛い。
ネガティブな気持ちは中々消えない、しかしながら、その反面色々な発見や感動があると思う。
「うん!」
誰に言うまでもなく小さく頷いた。
仮に魔物たちにも家庭があり、感情があるのなら人間たちとの争いを避けれるのなら、その仲介をしたい。
でも、レベル3でお金も無ければ、知識もない僕には何も出来ない。
そのためにも、異世界を満喫しながら強くならないといけない。
レベルを上げる方法だって、どれぐらいの効率があるのかは分からないが、モンスター討伐以外でも得られるはずだ。
現に、魔物を1匹も倒さずレベル3になっているのだから。
僕は自分自身を奮い立たせ、ゆっくりとカウンターへ近づいた。
そして、カウンターの可愛い受付嬢と目があった、受付嬢は、僕に気があるんじゃないか?というぐらい
素敵な笑みを浮かべ会釈をしてくれた。
……。
僕は思わずにやけて会釈を返した。
「いらっしゃいませ、討伐系クエストと採取系クエストどちらのご案内をご希望でしょうか?」
「……え、えっと……んーと……」
採取系が妥当だろうか?
「あ……転生者様ですね、簡単にシステムと転生者様向けのクエストのご案内をさせて頂いても宜しいでしょうか?」
※転生者…転生して間もない者を指す言葉、ネトゲで言えば初心者的意味。
今気づいた、僕この人の声質好きだ。優しく心を包み込む様な声。
仮にクエストを受けて、宜しくお願いします、とかがんばって下さいねフクロウさん!
なんて言われた暁には、頑張らざるおえない。
「おっ、おね、お願いします」
「はい、分かりました。 質問があればその都度おっしゃって下さいね、えーと……ちょっと失礼します」
そして、受付嬢は、さっき見たのとは少しデザインが違う『鑑定メガネ』らしきもので僕を覗いた。
「……っ!……」
あれ……門番に見られた時と感じが全然違う。
なんか、そわそわするというか、勝手悪いというか……でも悪い気がしない……。受付嬢が美人だからだろうか?
そして、マジマジと僕を見ている受付嬢。
(嗚呼……僕は今、身も心も見透かされてるんだ……)
そう思うと何故か、変なイメージが沸いてしまった。
受付嬢がいや受付のお姉さんが僕の生まれたままの姿を、全身くまなく観察していて
僕はただ、受付のお姉さんの胸元を見るのがやっとで……。
ふっくらした胸は、大きすぎず、小さすぎず、正にベストサイズで
飛び込んで下さいと言わんばかりだったり、男の大事なあれを挟むためにあるんじゃないかと思うぐらいだった。
前世ではそんなに胸元とか意識したことなかったのに、なんだろう……この一目惚れの様な感覚は……。
「お名前は、フクロウさんなんですね」
受付嬢は、くまなく見透かそうとしているみたいに目を細めて『鑑定メガネ』で僕の体を視姦していた。
「はい、フクロウです! 趣味は音楽鑑賞と映画鑑賞です、是非付き合ってくだ……」
「……はい?」
……はっ、名前を呼ばれて舞い上がってつい告白をしてしまった。
「え……えっと、すいません」
「いえ、いいんですが、『音楽鑑賞』と『映画鑑賞』というのは?初めて聞いたのですが」
……そこ!?
そういえば、ファンタジーではお約束として魔法科学が発展する代わりに
電化製品というものが無いはずなので映画も音楽も存在しないかもしれない。
音楽ぐらいはあるかもしれないが、『音楽鑑賞』という言葉はないのかもしれない。
それから、少し話が続いた、受付嬢は、前世などはなく、前世というものに凄く興味があるらしい。
そして、今の仕事も冒険者から様々な話を聞けるという楽しい部分があるため就いているという。
僕は簡単に『音楽鑑賞』と『映画鑑賞』について説明をした。
この世界には『吟遊詩人』という弾き語りの職業が存在するらしく、歌や音楽というものは存在するらしい。
しかし、当然テレビなどはなく映画というものも無いようだった。
そして、『鑑賞』という言葉もあまり広まってないらしい。
前世での趣味の話が終わり、話は戻る。
門番に聞いた内容と殆ど似ていた。
でも、受付のお姉さんの声質は、いつまで聞いても飽きず。
そして、気がつけば、受付のお姉さんの顔と胸元を視線が行き来していた。
そして、僕は、数日分の宿代+αにはなるという金額の3種類の植物採取のクエストを受けることになった。
そして、採取すべきの植物がスケッチされ、特徴や生息場所などが記入された紙を3枚貰った。
3枚の紙は、出来れば大事に扱って欲しいとのことだった。
「それと……」
受付のお姉さんが何やら嬉しそうにカウンターの下から何かを取り出してきた。
「な、なんでしょうか?」
「これ、どうぞ」
そう言われカウンターの上に出されたのは、少し安価そうな……何かの手袋だった。
なんだろうと思うと同時に、僕は道具袋から『鑑定メガネ』を取り出した。
『装備品 分類 グローブ:麻の手袋 防御力+2 ※攻撃力+8』
ん?……何故※がつくんだ? この辺りの疑問は、門番にでも聞こう……。
「い、いただいて宜しいのですか?」
アイテム名を確認した所で『鑑定メガネ』を道具袋にしまう。
「どうぞ、また何か前世のお話きかせて下さいね」
「では、遠慮なく、はい、また聞いて下さい!」
そして、僕は麻の手袋を装備した。
そういえば、今から植物を採取するのだ、軍手のようなものは必須だろう。
本当に優しいお姉さんだ。
僕はますます受付のお姉さんに惹かれていった。
素敵な笑顔で見送ってくれる受付のお姉さんに僕は、受けたクエストを、一刻もはやく終わらせ、お話がしたいなと思った。
それから僕は、門番の前を通り、クエスト受けたことを伝え、助言をもらい森へと足を運んだ。
改めまして、ようやく、僕の異世界生活第一歩が始まります。
………………と僕はなにか致命的なミスを犯していることに気づいた。
……
……
……
……
ああっ! ドサクサに紛れて(麻の手袋鑑定時)受付のお姉さんのステータス(個人情報)見そびれたぁっ!!……orz
※攻撃力+8 に気を取られていた。
ステータス見てもいいですか?なんて前世童貞だった自分に言えるわけがない……。orz
待たせちゃってすいません。
今から続き執筆してきます。
僅かながら編集したのでご報告を
当初1種類の植物採取クエスト予定でしたが3種類に変更しました。
それにともない受付嬢から3種類の紙を貰ったと編集しました。
植物採取といえば軍手ですよね。というわけでアイテムを貰ったことにしました。