門番と鑑定メガネと
寝る前に書いてみました、続きは、評価が増えれば増えるほどやる気出して早い更新目指します。
読み返しが不十分のため誤字脱字があるかもしれません。
※ステータスの数値はあくまで目安で変更になるかもしれません。
お見苦しい箇所があればご指摘下さい。
暫く歩くと、2メートル程のレンガの様な壁に囲まれたそこそこ大きな村についた。
手に持っていたぷにぷにしたものをどこかにしまおうと思ったのだが、
アイテム(Item)の【I】キーを念じても、小さいエラーの音がなるだけだった。
仕方なく、ポケットにしまってから、恐る恐る門番に挨拶する。
村の直径は500メートルぐらいで30軒ぐらいの様々な家や小屋が建てられていた。
村内にも畑があったが、村の周りには、更に広大な畑があった。
門番は、僕の服装を見るなり、クスッと笑ったが、すぐに気遣ってくれる表情になった。
「もしかして、転生してきた者かな?」
「あ、はい」
どうしてわかったのかが気になったが、ふと自分の服装を見てなんとなく理解した。
初期装備で歩いていれば、転生人という扱いだろうか?
門番は、転生したてとなると道具袋が必要じゃないか?と提案をしてきた。
道具袋……。まさしく探していた物だ。
ポケットにものを入れてるとどうも落ち着かない。
そして、できることなら、この木の枝を安全に道具袋の中で保管したい。
話を聞くと、一流冒険者が持ち歩く魔法の道具袋は高価らしい。
ドラ◯もんの4次元ポケットのようなものなわけだから、確かにそうかもしれない。
「オレのお下がりの道具袋であれば、安く譲らんでもないが……」
「……ほ、本当ですか? あ、でも僕お金が……」
「嗚呼、一番小さいサイズだからツケでも或いは物々交換でも……」
「サイズ……ですか?」
道具袋というのは、どうやら階級があるらしく、初心者向けのEサイズから中級者向けのCサイズ
ほぼ限りなく入るAサイズまであるらしい、この門番さんは、一番小さいEサイズをもっているようだ。
「何か持ってないか?」
「え……えっと……これ(木の枝)は駄目だし……んー……」
そうやってつい癖でポケットを漁る。 当然さっきドロップしたスライムの欠片?しかない。
ポケットから少しだけスライムの欠片を出すが、流石にこんなので交換はしてもらそうにない気がして、
スライムの欠片をポケットに戻そうとした時だった。
「……? まさか、それはスライムの雫か?……転生したてのオマエが……?」
「え?……そうなんですか、スライムの雫っていうんですか」
冷や汗を感じた。
もしかしてレアアイテムなのだろうか? そして、そのもしかしてに期待しながらスライムの雫をそっと門番に渡した。
「うぉ……、警戒心が強く、ドロップ率も低いんだよ。 よく手に入れたな」
「え? や、やっぱり?」
「頼む、損はさせないから、道具袋と道具セットでこれと交換してくれないか?」
「い、良いですけど」
後々冷静に考えれば損している可能性も考えたが何よりも、門番が凄く嬉しそうにはしゃいでいたので
つい微笑ましく見入ってしまった。
別にギャップ萌えした訳ではない。僕はホモではないです。
でもなんていうか純粋に人の笑顔ってやっぱり元気貰うもんだな……って実感する。
「あ、……出来れば、スライムの雫と交換したってのは村人には内緒にしてもらえないか?」
そう言われて一瞬だけ物凄く自分が損してるんじゃないか?とドキッとするが
ほんの少しニヤニヤしていた門番を見て、なんとなく僕は理解する。
それは僕が一度考えたことと一緒なんだろうな……と思う。
「あ、はい、じゃ、物々交換と……わからないことがあった際相談乗って下さい」
「OK! じゃ、すまんが、道具袋を取ってくるから門番頼めるか?」
「え?……あっ……えーと……?」
僕はつい戸惑った、というのも門番が何をすればいいのかわからなかったからだ。
「嗚呼……簡単な仕事だから覚えてくれよ?」
「へっ?」
そして、門番さんは、一度『スライムの雫』を僕に返すと、大して中身の入ってなさそうな麻袋を漁り
虫眼鏡のようなものを取り出した。
「これは、『鑑定メガネ』つーんだ、今みたいな万が一の時に一時的に門番を誰かに委ねるときに貸し出してるんだが……」
『鑑定メガネ』?そして、もしかして今漁ってたのが道具袋だろうか?
まさにゲームの世界に実際に居る気がして、僕は少し興奮した。
「百聞は一見にしかず、これでオレのこと覗いて見な」
「あ、はい」
僕は恐る恐る、『鑑定メガネ』に触れた、安い虫眼鏡に似た見た目で重さも予想通りだった。
そして、僕は、鑑定メガネで門番を見る。
『名前 モンロウ lv 84 98,378/941,200 (10.45%)
職業 戦士
HP 9,564/10,237 MP 970/1,030
STR 233 DEX 122
INT 60 LUK 52 』
「ブッ!……」
レベルがおもったより高いことは置いといて、門番だから『モンロウ』……も置いといて
レベルの後の数字は恐らく必要経験値だと思われるが、ばかみたいに大きい。
何?レベルアップまで94万1200も経験値いるの!?
なんか物凄く大変そうだ……。
レベル1から2は確か15だったはず、それがどういう倍率でこうなるのやら……。
そんな、経験値の数字に驚いていると
「その状態のまま、『鑑定眼鏡』を回転させの反対のレンズで見てみてくれ」
「わ、分かりました」
言われるがままに、僕は、覗きながらレンズを回した。
すると
『名前 モンロウ lv 84 98,378/941,200 (10.45%)
職業 戦士
HP 9,564/10,237 MP 970/1,030
STR 233 DEX 122
INT 60 LUK 52 』
と表示されていたのが
『名前 モンロウ 名声値 1824
状態 正常 安全 』
と表示されていた。
「えっと、名前以外にと『名声』、後、『正常』と『安全』と書かれてます」
「そっ、その状態ってやつ、それは、通常の『鑑定メガネ』に精神状態が分かるように錬金してある言わば門番専用の奴なんだが」
「錬金!……うっ……」
興奮から思わず口端から涎がたれた、いったいどんな世界なんだろう、どんなシステムが有るんだろう。
「説明すると、名声ってのは、人にどれだけ役立ったか感謝されたかってやつだ、まぁあんまり関係ないが
大事なのは、状態ってやつだな」
「精神状態なんですよね? どういうふうに変化するんでしょうか?」
「そうだなぁ……喜怒哀楽とかの感情とはちょっと違って、殺意とか、絶望とか」
「さ、殺意!?」
絶望はともかく、殺意が気になった、やはりHPが0になったらゲームオーバーの世界なのだろうか?
気になって訪ねてみたが、やはり、HPが0になると死んでしまうらしい。
そんなこんなで、僕は、門番を任された、村の外に人がいれば、すぐに鑑定メガネを使って鑑定しろと言われた。
緊張で『鑑定メガネ』を落っことしそうになったがなんとか落とすことはなかった。
その後、レベル30前後の村人の出入りがあった。状態は、問題なし(正常)。
やはり、さっきの門番はレベルが高いのだろう、でもレベルが高いからこそ門番が出来ているのかもしれない。
そして、先ほど自分が通った場所から1人の女性が此方に向かってきた。
魅入ってしまうほどではないが、美人だった。
しかし、持ち歩いているものが少し物騒だった。
モンハンで見たことのある、大剣の様なものを軽々と持っていた。
安全のためとステータスが気になったので僕は鑑定メガネで覗く。
一瞬目があった気がした。とりあえず門番の仕事中なので僕はステータスを確認する。
『名前 カルラ lv. 213 35,240/30,478,815,007 (00.00)
職業 魔法戦士
HP 34,936/35,960 MP 15,678/16,079
STR 541 DEX 119
INT 334 LUK 79 』
「ちょ……!!……えっ……あっ……ぅ……」
レベルもありえないことながら、レベルアップに対する必要経験値の数値がオカシイ。パッと見桁数がわからない。
30,478,815,007
1、10、……1000万、1億……(一、十、百、千、万、十万、百万、千万、一億)
無我夢中で指で桁数を一億まで数えた時だった。
「ちょっと覗かないでくれる?」
「へっ?」
声は後ろからした、それと同時に目の前にいた女の子は『鑑定メガネの範囲から』消えていた。
そして、鑑定メガネは意図もたやすく奪われ、茂みに放り投げられる。
殺気を感じる。
「ほんっと!……」
女戦士は左足を浮かせ、右足に重心をかけた。
「ちょ、まって門番のお仕事を…してい……」
言い切るよりも先に、モーションエフェクトがかかった
ブーイニュッ!!
わずかに響くサウンドエフェクト
そして……
「キモいッ!!」
スパンッ!!
爽快な音と共に僕は思いっきり蹴り飛ばされた。
蹴り飛ばされた痛みは、何故かなかったが、
そして、30メートルほど先の村の壁に一直線ですっ飛んでいた。
「ぐっ……」
(あれ……?)
時間経過を遅く感じる……? その代わり、手と足は、ほぼ動かない。まるで走馬灯を見る時間の余裕を貰ったみたいに、
走馬灯!? ん?ちょっと待って?レベル1がレベル214に蹴っ飛ばされた?レベル差的に死んじゃう?……?
そして、それを確信する一言が漏れる。
「あっ……やばっ……」
女戦士ことカルラさんの声が紛れも無く聞こえた。
「えっ……ええーーっ!!??」
絶体絶命、異世界生活、約2時間で終了!?……
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第一印象がお互いに最悪という設定は大事ですよね、面白くなったのかは分かりませんが、個人的にちょっぴり満足です。1章終了までにタイトルを決める予定ですが、1章は、10話以内にかきあげれたらなを目標にしております。