魔獣と再会と
更新見送る予定がなんとかなることを信じとりあえず更新です。
万が一に書き直しになった場合はすいません、修正はいつものごとく
1章が終わり落ち着いたらの予定、次話は今日か明日に更新予定
最初に一泊した宿とは違う1,5倍程広い二人用の部屋。
彼女ことカルラちゃんとの初の一夜だが、変なことはしてないです。 はい
目を覚ますと、隣に、手を握って此方を向いているカルラちゃんが居た。
手を少し動かすと、眠そうにカルラちゃんも起きた。
「おはよ、ユー……フクロウ……」
「うん、おはようカルラちゃん」
時間が経つほどにユージと言い間違える回数は減っていった。
しかし、時間が経つほどに、別にどっちでもいいようにも思えてきた。
それから、しょうもない雑談とカルラちゃんが遠出をするに関して話をした。
内容は、少し離れた町で防具とかを買ってくるとのことだった。
途中、凶悪な魔物に遭遇する可能性も0じゃないことと
自分自身のパワーアップスキルを使い、さっと行ってさっと帰ってきたきたいらしい。
当然のことながら、自身強化と他プレイヤー強化の魔法は別々のものらしい。
自分自身専用か、自分も含めたパーティースキルかといった感じだろうか?
そして、朝食が運ばれ、部屋の丸いテーブルで2人で済ませてから、少しだけまったりして、
防具を着て宿屋を出てからカルラちゃんと別れ
クエストを受けようか迷ったが、銀貨を預かっているのと、クエストは受けないでと言われたので
直接洞窟へ向かうことに決めた。
(魔獣に会えると良いな)
村の門付近では、相変わらず、モンロウさんが仕事をしていた。
昨日は、まだ確証が少なかったので話せなかったが
同じ宿屋にとまった事実がある、他者には漏らさないことを約束し、
付き合い始めたという旨を報告した。
意外そうな反応をしたが、カルラちゃんが幸せなのが嬉しいのか、『よろしく頼む』とお願いされた。
それから、景色を楽しみながら森を歩き、洞窟へ向かった。
カルラちゃんと和解もできたことだし、魔獣が討伐される可能性は大分減っただろう。
そして、洞窟へ向かうと、誰も居ない代わりに、干し肉は綺麗さっぱりなくなっていた。
冒険者に取られたんじゃないかと少し不安だが、拾い食いをするような冒険者は多分居ないだろう。
まだ陽も高く明るい洞窟近くの開けた道が気になり、僕は導かれるように、そこへ向かうのだった。
時折、スライムや、小さい獣が森を駆け巡っていた。
もし、自分が小さかったら、追っかけていたかもしれない。
童心を懐かしみながら、何かに導かれるまま丘へたどり着こうとしていた。
丘のてっぺんには、大きな木があり、辺りを一望出来そうだった。
一筋の風が吹き、木の葉が擦れて、涼しい音と、自然味溢れるおいしい空気が鼻から肺へと入ろうとした時
丘の大樹の影に何かが見えた。
「ぁ……」
ドクンッと心臓が高鳴った。 恐らくずっと探していた白き魔獣だ。
「魔獣さん、魔獣さんっ!!」
「んっ……」
名前を知らず、『魔獣』と呼びながら近づいた。
魔獣は、居眠りでもしていたのか、数秒遅れてから、大樹の影からゆっくりと此方を伺っていた。
十メートルほどまで近づいてから、敵意がないことを伝えるにはどうしようと立ち止まり考えた。
……
……
考えている間にも魔獣は、2足歩行でゆっくりと近づいてきた。
足から頭のてっぺんまで2メートル50センチといった所だろうか?
見た目は、犬とドラゴンを足して2で割ってような状態で、いかにも上質そうなほぼ純白の体毛が太陽の光の一部を反射させていた。
「あ、そだ、いっぱいあるけど食べるかな?」
そう言って、僕は、道具袋からあるだけの干し肉と、水を2つ取り出した。
魔獣は、干し肉を見て、目の色を変えた、そして、地面に垂れていた尻尾が僅かに起き上がり、左右に動いた。
「……グゥ……」
「うん、大丈夫、毒なんて入ってないからね」
そう言って、僕が干し肉を少しかぶりつき、何度か噛んで飲み込むと
魔獣は、舌を垂らし、その光景を見守っていた。
体格差があるのに、奪ったりはしない、予想通り悪い魔獣ではなさそうだ。
ゆっくりと近づいて、手を伸ばせば届く距離に鳴ってから、僕は干し肉を差し出した。
魔獣は、恐る恐る手を伸ばしながら、その干し肉を受け取り、お腹をギュルギュルならすと同時に、口に運んだ。
がっつくことはなく、何度も噛んでから、飲み込んだ。
「グゥ……」
魔獣は、物足りなさそうに、頭を僕のお腹に押し付け、小さくうめいた。
「…大丈夫だよ、まだいっぱいあるからね」
そういって僕は、2枚目の干し肉を差し出した。
……
……
幸せな時間は続いた。
前世で、物凄く夢見た光景が異世界に来てたった3日で叶おうとしていた。
涙がでるんじゃないかって思うぐらい、幸せで、干し肉を数枚上げた後、顔をなめられ、残りを催促された。
こんなに大きい生物に懐かれ、体温を感じたのは初めてだった。
それでも、初めてのはずなのに、どこか懐かしい感じがした。
視界がじわっとぼやけて、凄く暖かい気持ちになると同時に、物凄く寂しく切ない気持ちも襲ってきた。
その環状に耐え切れなかったし、そんなわけなどあるはずなのに、僕は
そっと…………君の名前を呼んだ。
約10年ぶりぐらいに、心から、大泣きしながら……。
「……チェンジ……会いたかった……もう離れたくない……君以外何もいらないから……」
大泣きされて魔獣も困るだろう、本当、僕って何してるんだろう。
そう思った。 自分自身に呆れ笑いしそうになった、その時だった。
「……ゴメンナサイ……ゴシュジンサマ」
……
……
「へっ……?……い、今、な、なんて……?」
呆れ笑いが、涙を止めるほどの驚きに変わった瞬間だった。
時が止まったように錯覚し、背筋に、ゾワッと変な感覚が襲ってきた。
恐る恐る、魔獣の顔を見ると、魔獣も泣いていた。
凄く寂しそうだけど、凄く幸せそうでもあった。
愛は愛だが恋愛感情ではない、親が赤子を愛するような親子愛だと思う。
それから、干し肉を食べさせ、水を飲ませた後、丘の大樹の上で
魔獣に優しく包まれたまま、深い眠りへとついた。
gdgd回を最後まで読んでいただきありがとうございます。
バトル描写は自信がないものの魔獣とカルラのバトルがこのままじゃ書けそうにないorz
なんとか面白い展開に出来るよう頑張ります。
次回、或いはその先、カルラが遠出してまで買いたかったものとは 乞うご期待……しないで下さい。(文章の未熟さを痛感中)