気持ちと想いと
雑ながらも心理描写は冴えているかな?とかは思います。
というより、自分が本来書く予定だったものと全然違うが、これから先大丈夫かな?……。 あ、一章はちゃんと完結させるので安心してくださいね!
ではでは、 カルラちゃんとのシーンじっくりお楽しみ下さい。
クエストを報告する、ニヤニヤしている僕を見て受付嬢は不思議そうに思っていたが
この世界を楽しんでると分かってか、受付嬢は嬉しそうに笑顔になった。
ちっち、ダメだぜ? そんな笑顔じゃ、僕の彼女のカルラさんに敵いっこないよ。
流し目でつい見てしまう、前世で言えば普通よりちょっとかわいいぐらいだ。
どうしてあんなにも魅了されていたんだろう?
それを時折考えながら、雑談して、クエストの報酬を貰った。
今回は、銀貨1枚と銅貨50枚だった。水と採取、水の方は楽と言えば楽だからそんな大した報酬じゃなかったらしい。
それから僕はギルド支部を後にする。
しかし、異世界って良いなぁ……冒険が仕事になるなんて、一緒に冒険する仲間もいたら更に楽しくなるだろうし
前世なんか…、ネットですら友達が出来ず、寂しいクリスマスを過ごした。
何度か行った、とあるイベントでは、楽しめたが後日、浮足立ってたことに気づいて憂鬱になった。
そういえば、一ヶ月後オフ会だったなぁ……。
でも、魔獣もいるし、彼女もいるし、もうぼっちの前世になんか戻りたくないね! うん。
母親のことが気がかりだが、どんなに嘆いても、考えても戻れそうにないのだ。
いわば、時間の無駄ってやつだ。
そういえば、カルラさんが来ると言ってたから、宿と言えど、飲み物と食べ物買っておいたほうがいいかな?
辛いのが苦手な人にもそこそこ人気ななカライーンジャ、すっぺムーチョも食べたいな。
どっかにコンビ…………。
……
……
嗚呼ここ異世界かぁ……。
魔法科学が発展している代わりに、普通の化学の発展は、前世ほどはなさそうで
また、様々な種類のお菓子や米飯などはなさそうだ。
とはいえ、やっぱりまともな友達も彼女もいなかった前世より、この世界が楽しい。
ふと、村を歩いていると炭火で焼かれるいい匂いがした。
反射的に口内に、唾液が湧き出る。
馴染みがある匂いと思ったら昨日の串焼き屋だった。
串焼き、カルラさんも好きかな?
所持金の数値とにらめっこしながら、とりあえず僕は6本買ってそれを道具袋にしまった。
本当は、小腹がすいてるから今すぐ食べたかったのだが、カルラさんと食べたかった。
暫く歩いて宿屋に着くと、宿屋の娘さんがいて、
「おかえりなさい、フクロウさん 服部屋にお持ちしますね」
「あ、ありがとうございます、今日も洗濯お願いして大丈夫ですか?」
「あ、はい、じゃ、洋服とホットタオルお持ちしますので待ってて下さいね」
そっか、今日もお風呂入れないのか……。
汗をかいたらお風呂!
それが現世の当たり前の日課だった。 それか一人暮らししている時は、水道代がもったいないので手早くシャワーで済ませていた。
どこかに温泉屋はないもんだろうか?
モンロウさん、いやカルラさんにでも聞いてみよう。
それから、カルラさんを待ちながら、ホットタオルで全身をくまなく拭いた。
全身を粗方拭いた後、タオルの真ん中に近い所で、男の大事な所の皮を向いて中を拭いた。
それから、タオルの大事なところを拭いた部分がなるべく内側になるように畳んでから、服を着ようとすると
ノックが聞こえた。
宿屋の娘さんかな? それにしちゃ早い、 とするとカルラさんかな?
既に下着は着終わっていたので、ためらうことなく返事した。
「開いてます、どうぞ」
「フクロウ、着たよ」
「ぁ……うん……」
ドキッとする、昨日とは別の意味で
心が優しくキュンとする、昨日はカルラさんの声を聞いたら、ビクッとしてました。命の危機を感じて
ゆっくりとドアが開く
そこには私服のカルラさんがいた。
ふりふりが少しある半袖ぐらいの薄い水色のワンピースを着ていた。
可愛いし、セクシーだった。
「お邪魔します、あれ? もう体拭いちゃったの?」
「ぁ……うん、 そういうカルラさんもしっかり着替えてるみたいだけど」
「私は良いの! …… そっか……」
カルラさんはどこか惜しそうに部屋を見渡した。
「一人用のベッドなんだね、ダブルベッドがある部屋に変えてもらってイイ?」
「へっ?」
「フクロウお金ないから、ちゃんと私が差額出すから」
「えっと……か、カルラちゃんは良いの?」
「うぅ……フクロゥ……」
へっ?
突然カルラさんが上目遣いで頬をそめ僕をじっとみた。
「ど、どうかした? カルラちゃん……ぁ……」
ようやく、無意識に、ちゃん付けで呼んでることに気づいた。
「ご、ごめん!」
「だ、大丈夫、私嬉しかった、フクロウと距離が縮まってる気がして……エヘヘッ」
カルラちゃんは、嬉しそうに笑った。
(ハグしたい……。 して良いもんかな……。)
(乳揉みたい、触っていいよな?)
(右手に同じ……)
「ぇ…… ちょ、まっ……」
「んぅ?……どうしたの? フクロウ」
そして、僕の意思とは関係なく
両手がカルラちゃん目掛けて飛びかかった。
「ごめん! カルラちゃん!!」
「へっ?……えっ、何……?」
そして、あっという間に胸の果実まで距離がなくなり、触れるかに思ったその時だった。
(いただきーっ!)
(いただきま……)
「((……ありゃっ?))」
右手、左手、僕が手に広がる胸の感触に備え、神経を尖らせていたのだが。
右手も左手も、カルラちゃんをふれることはなかった。
というより、視界からカルラちゃんが消えていた。
しかし、それだけではなかった?
「だ、大丈夫? フクロウ」
カルラちゃんの声は背後から聞こえた。
そうだった、カルラちゃんは僕の何十倍もの身体能力があるのだ。かわすことなどたやすいだろう。
それと同時に予期せぬ場所にふわっと心地よい感触が背中に広がった。胸の果実の感触がジワリ広がったのだ。
ふと、後ろからハグされたことを理解した。
下着一枚だから、より鮮明に胸の果実の感触が広がっている!!
「立ちくらみかな?…… 最初のうちは体力少ないから気をつけないとだね、ベッドに座ろう?」
「う、うん……」
心配するカルラちゃんの一言が嬉しかった。
それと同時に、お仕置きとか不意をついて触ろうとしていた自分が卑劣に感じた。
前世では、付き合って早々セックスをするようなカップルは殆どの場合が長続きしないらしい。
一ヶ月や二ヶ月ぐらいは、親密になる期間が必要らしい。
「……ごめんね、カルラちゃん」
そして、導かれるがまま僕はベッドをソファー代わりに腰を下ろした。
その少し隣にカルラちゃんも座ってくれた。
「うん? …… あ、そだ、フクロウのために、明日遠くの街まで行ってくるね」
「え? うん? ……い、いいよ? ムリしないで?」
「だって、それなりの武器と防具揃えないと危ないじゃない?」
「ぁ……うん、そうだね」
「それに万が一のことがあったら怖いからさ」
「そ、そうだね」
万が一とはどのようなことなのだろうか? 致命傷や死傷のことだろうか?
……
「エヘヘッ……私がフクロウを守るからね」
「……あ、ありがとう……」
なんていうか、ダメだ、僕だってカルラちゃんを大事にしないと……。
「ねぇ、フクロウ、私も膝枕してあげたいから、ココに寝て?」
「ぇ?……う、 うん……」
エッチな事ばっかり考えていた自分が本当に恥ずかしい。
僕はカルラちゃんを知ってせいぜい2日だ。
でもカルラちゃんにとっては、僕は、ユージでもあるわけだろうから
僕(2日)+ユージ(8年(仮))÷2 しても結構な年月分好きということになる。
4年と1日分、僕を好きだったということだ。
それから、膝枕を受ける、顔の向きは、カルラちゃんのお腹に背を向ける感じにした。
ちょっぴりガタイのイイ膝なのだが、それとは別に、カルラちゃんの体温が
他にはない世界最高の枕として変貌させていた。
「絶対……守るからね……」
「……うん、僕もやれる限り守るからね」
「……対……守っ……るから……んぐっ……」
そして、ポタリポタリとカルラちゃんの頬から雫が滴り、その多くが僕の顔に当たった。
こういう時なんと言ってあげればいいんだろう?
『大丈夫だよ?』『辛かったね?』
……
2日足らずのカルラちゃんしか知らない僕は、それぐらいしか浮かばなくて
そのどっちもが、なんか人事のように思えた。
泣きじゃくるカルラちゃんの声をしっかり聞きながら
僕は何を出来るかずっとずっと考えた。
……
……
……考えた。
…………。
……
そして、思い立った事は……
「ありがと……ユー……フクロウ」
そっと手を握ってあげることだった。
「ユージで良いよ……」
気がつけば僕の目にも涙がいっぱい溢れていた。
本当に好きだったということと、本当に辛かったということ。
そして、卑猥な妄想をした自分が凄く惨めに思えた。
「……ありがと……ユージィッ……ユージィィッ……」
それから、気がつけば、狭いベッドの上で一緒に寝ていた。
もちろん、衣類などは脱いでいない。
そういえば、ホットタオルと汚れた服の回収はまだかな?……。
見られたらマズイよね?……。
そうは思っても、すすり泣くカルラちゃんから離れることは出来ず。
……。
やがて、可愛い寝息が聞こえる頃。
僕も瞼が重くなり、カルラちゃんと向き合い、手をつないだまま、深い眠りに落ちた。