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異世界に転生したので優者になって理想郷を作る!  作者: 自由なお仕事
Act1.異世界生活はじまりました
10/58

過去の話と狂気のハジマリと

自分のバトル描写はまだまだ低く、満足の行くバトルシーンになってないかもしれませんが、楽しんでもらえたら幸いです。

強くなっても虚しいだけだった。

でも、虚しいのを誤魔化すため、あの人のことを少しでも忘れるため、私は今日も1日クエストをした。


今日の報酬は銀貨4枚、金貨を100枚以上もっている私には、はした金だ。


採取よりは、討伐が良い、冷酷、冷血になっている私が好きだ。



 8時間ぐらい前のことだ、私はクエストでゴブリン討伐にきていた。


 ゴブリンは、緑と茶色を足して2で割ったような気持ちの悪い色で、大きさは1mに満たない。


 民家に入り、物が盗まれたり、鶏が奪われたりしたらしい。


 だから、討伐クエストが出ていた。


 ゴブリンは3匹いた、すでに2匹は殺して、後1匹だった。


 もう半分以上ダメージを与え、少しふらついているゴブリン、仲間を殺された悔しさか、

 圧倒的な戦力の差か恐怖におびえていた。


「いいよ、逃してあげる」


「ゴブッ!?…… ゴブブッ!!」


 一目散に背を向けるゴブリン、それを見て私はあざ笑う。


 そして、小さく呟くのだ。


「……10秒だけね……」


 私はニヤリと笑う。

 人は私のことをなんと呼ぶだろうか?殺戮者? 鬼畜? 外道? 狂人?

 なんとでも呼ぶが良い、私は今の私が……好きっ……だから

 負傷したゴブリンは、一目散に逃げているのだが普通に走るよりは断然遅い。

 

 1……2……3……………7……


 そろそろかな?

 

 ゴブリンが視界から消えようとしていた。


 生きれていることを喜んでいるのだろうか?


 ……8……


 しかし、家族だか仲間だかを奪われて生きるのは辛いだろう。

 私は道具袋から、投擲用の投げナイフを取り出し、瞬時に追尾の魔法を念じる。


 ……9……10


「もーぅーーーーいいーっかぁぃっ!?(もういいかい)」

 それは、まるでかくれんぼの確認の掛け声のようだが

 私の目は、狂気に満ちていた。

 そして……勢い良く投擲のナイフを投げた。


……シュンッ……


 森のなかと言えど、追尾の魔法の効果で、時速80kmぐらいで障害物をよけ、やがて目標物の背中から心臓を一突きする



……ブスリッ……


「ゴブッ?……グッ……グッ……」


……バサリッ


 倒れる音だけを確認して、背を向けた。これで今日のクエスト完了だ。


 以前は、断末魔を聞いていたのだが、最近は耳障りに感じるようになり、急所を狙うようにした。


 善とか、悪とか、もうよくわからない、私はもう、心がどす黒く濁っているのだから。


 それから、3kmぐらい歩いて村に戻る、見かけない門番が居た。


 一瞬だけ目があった。 なんかわかんないけどムカつく。


 転生者なのは分かるのだが、その門番は、『鑑定メガネ』で私を見た。 


 私は、『鑑定メガネ』が嫌いだ。ましてや、『失礼します』の一言も無いのに見られるのは嫌いだ。


 そして、私のステータスを見て驚いたのだろう。


「ちょ……!!……えっ……あっ……ぅ……」


 ひ弱そうな声、虫酸(むしず)が走る。


 気がつけば、私は、殺気を制御できずにいた。


 コンマ5秒で門番の背後に回り込んだ。


「ちょっと覗かないでくれる?」


「へっ?」


 手に持っていた鑑定メガネを奪う。


 振り向こうとする門番に、私は殺気を抑えきれなかった。

 左足を浮かせ右足に重心をかけた。


「ちょ、まって門番のお仕事をし……」


 チャージ完了


 スキル、()っ飛ばし 発動


「キモいッ!!」


 そして、足に一瞬だけドシリッと重さを感じた。


スパンッ!!



「はぁ……」


 ため息が出る。 と、やばいことをしたことに気づく。


 蹴った奴は服装から見て、転生者、確実に殺してしまう。



「あっ……やばっ……」


「えっ……ええーーっ!!??」


……っち、うっさいな、助ければいいんでしょ?


 私は、高速で詠唱を始める。


「聖女の祝福、弱気の者に与えたまえっ!!」


 どうだ?……間に合ったか?


 唱え終わり、無事手の先には、黄金の光が瞬いていた。


 なんとか間に合ったようだ。そして、コンマ3秒も経たない内に、転生者は、壁にぶち当たった。


 砂埃が舞う、転生者をぶつけた村の壁、砂埃がなくなる頃、転生者は気絶していた。


 回復しないと、死んでしまう。


 そうは思っても、駆けるのはめんどくさかったので、私はゆっくりと死にかけの転生者に近づいた。


 そして、手に持っていた『鑑定メガネ』で覗いた。


『名前  フクロウ lv. 1 3/15 (20%)

職業  ?????

 HP  1/140 MP   70/70

STR 9 DEX 9

INT 9 LUK 8 』


……ふぅ……。


 なんとか死んでなかったようだ。


 そして、私は、HPを半分ちょっと回復出来る魔法をかけ、気絶した転生者を門の近くへ置いた。


 鑑定メガネは、どうやらモンロウのモノみたいだ、あいつはどこほっつき歩いてるんだろう?


 とりあえず、傍に置いておこう。


「はぁ…… なんかむかつく……」


 何にイライラしているのか自分でもわからなかった、帰って寝たら治るだろうか?



 というよりも、本気で精神的にヤバイかもしれない


 後先考えてモンロウを蹴っ飛ばしたことはあったが、ついに今日後先考えず、一歩間違えたら人を殺していた。


 ……。



 ……。



 ……。


 ヤバイ……のかな?……。



 でも、今まで何万という魔物の命を奪った私だ。


 魔物と人間の違いって? なんで人間殺しちゃいけないの?


 当然分かっていたことすらわからなくなっていた。




…………。遠い昔の記憶、今にでも忘れたい記憶……。


 数年ぶりに思い出そうとしていた。


「……ごめん、ごめんって!」


「やめてよ、本当(鑑定メガネで)覗かれるの嫌いなんだから!」


「でもさ、本当強くなったよね、一緒に目指そうね? 平和な世界の設立を」


「まぁ……暇だから付き合うよ」


「ありがとう、じゃぁ今日も特訓しよう、今日は負けないからね!」


「はいはい、どうせ私が勝ちますよー」


「言ったな、じゃ、いつも通り、あの場所まで、よーいドン!」


「えっ、ちょっと待ってよ!!」


 全く間のない『よーいドン!』に私は不意を突かれた。


 たまには勝たせてあげてもいいかな? そう思いながら、7割ぐらいのペースで、私は彼を追いかけた。


「待ってよー、ずるいよー!」


 そうはいっても加減はしている。 


 男のプライドなのか、ずるをしてでも久々に勝ちたかったのか、追いかけてる私を一度だけ確認すると彼は、全力で走っていった。


 それから間もなくだ、私が冷酷・冷血になったのは。


……


……


2,3分遅れで、あの場所こと、丘の上の大きな木の前で私は到着しようとしていた。


第一声は、そいつの、勝利の自慢かと思うと少し違った。


大きな木の後ろ側で、そいつと何かが会話をしているようだった。


「だ、大丈夫? そんなに怪我をして、僕に出来ることはある?」


……?


誰と話しているんだろう。


そこには、赤茶色い体で人型で傷ついた大きな翼を持つ悪魔がいた。


武器なのか、長く鋭利な爪を持っているが、4本中2本は戦闘による負傷か、途中で折れていて、また体の所々に出血が見られた。


かなりの負傷をしているにせよ、高レベルの魔物ということは分かった。


それでも、そいつはそいつらしく、助けようとしていた。


魔物と人間が共存できる世界を心の底から願っていたから


「……ソウカ……、デハ……貴様ノ命ヲ……寄コセ……」


「まって、危害は加えないって約束するからさ、薬も食べ物も……」


恐ろしい殺意にも動じなかった、交渉を続けようとしていた。


私は、一瞬だけすくんだが、声を振り絞って、


「危ないよ! 離れて!」


言えたのだが、勝負に勝ったことへの嬉しさか、それとも今夢に一歩近づいている嬉しさなのか、笑顔いっぱいの表情で


「あっ、カルラ、大丈夫だよちゃんと話せるんだからきっと和解……」


「和解できると思うから」……と最後までそいつは言えなかった。


そいつの満面の笑みの顔は、首半分が胴体から切り落とされゴロリと地面に落ち、


胴体の切り口の首からは、鮮血が吹き出した。


ことは一瞬で、視線を私に向けた、1秒後に、その魔物は、そいつに斬りかかって首を切り落としたのだ。


「あっ……ぁ……」


突然のことに驚いたのは、私と……そして間もなく絶命するであろうそいつだった。


「ギャハハハ……イイネ、生ヌルイ血ノシャワー……ングッ……ングッ……若イ人間ノ肉」


目の前で、幼馴染が殺され、そして食される光景


そんな光景に私は、悲しみよりも生存本能が働いた。


泣くのは、自分の身の安全が保証されてからだ。


恐怖と生存本能が涙を止めている、異常事態。


そして、私は必死に逃げた。


ひょっとしたら道具袋にあるアイテムで魔物の行動を制限させ、傷が回復し終わらない内に倒せたかもしれない。


私は、村に戻ってギルドに直行、腕の立つ冒険者が10人ぐらい居た。


私の発言に、疑うものも居たが、僅かに受けた、幼馴染の返り血に、すぐに皆の目が変わった。


その中の5人が、すぐに討伐にむかってくれるとの事だった。


正直、精神的にも体力的にもぐったりしているのだが、落ち着けば落ち着くほど憎しみが湧いてきた。


「はぁ……はぁ……案内しますから、魔物をぶっ殺して下さい、お……お願いします!はぁ……はぁ……」


すると、冒険者の一人が、体力と疲労回復の魔法をかけてくれた。


時間が経てば、回復する魔法は、私でも使えるが、一瞬でここまで楽になる魔法に私は感心した。


そして、念のためとのことで、速度アップ、女神の加護(一撃死を免れる)耐久アップの魔法をかけてもらった。


私は、冒険の大事なパートナーが死んだというのに、何故か、魔法のスキル効果に魅了されつつあった。


それから、現場付近についてから、私を含めた3人で突入。


今考えればリスキーなのだが、戦術は少し続く。


半分ほど体力が回復し終わった魔物は、人間に対する復讐心で此方に、そして、一番弱い私に突っ込んできた。


私は、防御の構えなど一切とらなかった。


殺したくて憎い、迎撃できるのであれば、私がダメージを与えてみせる。


そして、一緒に突入した、2人にガードされる。


1人が魔物を寄せ、もう1人が、魔物のスピードを、俊敏(しゅんびん)さを落とした。


これなら私でもやれるだろうか?


腰に忍ばせていた投擲用のナイフで私は斬りかかった。


「くそぉおおっ!! シネッッ!!」


しかし、魔物の皮膚は鱗でも無いのにとても硬く、私のナイフを弾いた。


隙をつけたと思ったのか、魔物がニヤリと笑った。


「っち……すまん、嬢ちゃん!」


守っていてくれた人の片方が私に飛びつき、私もろとも、地面にダイブした。


「グッ……」


庇ってもらえたのは嬉しかったのだが、私は魔物殺()りたくてたまらなかった。


しかし、私が不服の声を漏らそうとする間もなく


『ゴォーッ…』


と大きな音が鳴り、その音が聞こえると同時に、もう一人も反対側の地面にダイブした。


そして、2mあるか無いかの火球が魔物を包み込んだ。


ジュゥッ……


「ギャアアアアアアアアアアッ!! おのれ、人間メ……くっ……グギャァアアアアアアアアッ……」


断末魔が聞こえて間もなく、肉の焦げる匂いが鼻を突いた。


「グゥ……チクショォ……マダ、マダダ……俺様ハ死ナナイ……」


勢い良く地面を蹴り、ふらふらと飛び去ろうとする。


しかし、それをさせまいと、木の太い枝から、大剣を構えた戦士が見事な脚力で魔物めがけて斬りかかった。


そして、魔物の翼を大剣で貫き、地面に釘付けにすると一緒に突入した2人が、剣で心臓と首を同時に貫いた。


「グ、グガァアアアアアアアアッ!!……」


当たりは、魔物の皮膚が焼けた香ばしくもどこか嫌な匂いと、魔物の亡骸が


そして、丘の木の上には、体の半分ほど食された、幼馴染がいた。


それは、余りにもグロかったみたいで、1人の冒険者が嘔吐した。


私は、ただ、無残な姿になった幼馴染を僅かな涙を流し見送った。


悲しんでも戻ってこないのは分かっていた。


そして、そいつの言っていた魔物との共存なんて馬鹿げているのだろうと……。


魔物の亡骸はギルドが引き取り、幼馴染の遺体は、丘の上の木の下に埋められた。


それから、私は暫く、その時魔物を討伐してもらったメンバーの3人と仲良くなり暫くの間、飛躍的な成長を見せた。


1つ変わったのは、魔物討伐に何ら躊躇いがでないことだった。


私にとって、人間以外は悪……。そんな気持ちだった。

本当はソロ討伐とかしてほしかったのですが、描写力不足でした。


頭のなかのイメージが皆さんに伝わってないかもしれませんが

これからも気ままに更新していくと思います。

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