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赤と蒼


それは


それは 静かな夜

満月と満点の星空 雲もない

俺は溺れている

蒼い 蒼い 海の中 ひとりきり

魚はいない 珊瑚もない 波すら ない

己から少しずつ酸素が抜けていく

ゆっくり ゆっくり 苦しくなって

息絶えた時 目が覚める

水面に浮かぶ 細い金糸 それはどこか

懐かしい様な気がして―。




「御門兄様」


何度も見た 生まれて初めて感じた〝赤〟


「…夕月夜…」


何度も殺しかけた〝赤〟

俺の前に微笑み その髪を揺らしている


俺は 溺れている

いつか見えない海面に脚が着いた時

どうなるのか それはわからない

















私は燃えている


ここは 命なき月面

太陽の光に照らされ 輝くもの

ふつふつと沸き上がる 体の芯から

真っ赤に燃え盛る炎

それは翼となり 剣となり 盾となり

いつか私を食うだろう


激しく 優しく 私に巣食う 〝黒〟


「お前だけ幸せにしたりしないよ翠恋」


涙では洗い流せなかった〝黒〟


私は燃えている

なにものでもない 赤に。







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