表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夢のなかで

作者: はに

 偶然?必然?最近よくそういう出来事に遭遇する。示し合わせたようになにかがカチリ、とはまってゆく。

 私は起きて支度をしていた。普段はつけないようにしている香水は、個人的に気に入っていて気合を入れるための手段のひとつだ。

 ふと、ベッドの下にきらめくものを見つけた。寝る前にはなにもなかったはずなのに。

 覗き込むとそれは手鏡で、手に取ってみるとみるみるうちに私は小さくなってしまった。童話みたいだ。

 そう、これは夢だ。

 今は手鏡にすっぽり全身が映しだせてしまう。途端に部屋が広く大きく感じる。こうしてみると、かわいいと言って集めていた様々なグッズやぬいぐるみが、自分と同じかそれ以上の質量で、見下ろしている。

 キッチンつきのワンルームが別世界のようだ。私は面白がる。しかしそれを許さなかったのは、回収間近のゴミ袋の山である。ちいさくなってしまった分、嗅覚は増したようだ。そこはそのままでもよかったのに。

 夢のなかでも真面目な部分が抜けない自分にわらってしまう。とても臆病なはずなのに。

 もうそこまでするんだったら、いっそ会社に休みの連絡を入れることにしよう。そう思って、ベッドまでスーツ姿でよじのぼり、汗だくでスマホをいじる。音ゲーをやってる気分である。画面が大きい。繋げると、何やら怪しげな画面が出てきて、吸い込まれてしまった。


 はっ、と目を覚ました時見えたのは、天井だ。またこれも夢ではないのかとどきどきしながら、何事も起こらないことを確認し、支度をした。

 身に着けた香水は、やっぱり、よい香りがした。

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ