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神々の黄昏へと至る聖戦  作者: ray
1 転生したテロリスト
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 プロローグが終わって、またプロローグに近いことを書いている気しかしない。

「昌司、お前進路どうするんだ?」

 一時限目のホームルームに行われている進路調査、ほとんどの生徒が進学するこの高校において、この質問はどこ大学を狙うかという意味である。

「そうだな―――信州とか?」

「もっと上狙えるだろう。いいよなー、偏差値あるやつは。どうせランクでAぐらい出ているんだろ」

 そういわれたが、昌司は信州を第一希望として書いてみたところ、ランクはBで“もっと上”は狙いにくいところだった。

 それに彼が頭がいいと思われているのは、あくまでも彼の信条による。


 ―――何かについて完全否定するときにはその根拠をある程度調べる。また、何かについて完全肯定するときはしっかり調べる。


 それは道徳的なことがほとんどだが、何かを考える上で、それだけは守ろうと思っていた。

 身近なところで言うならば、原子力発電を廃止するべきか、というところなどである。

 彼は完全に理系なのでその興味の方向はそういったものと、道徳的なところに行くことがほとんどだ。


 ―――なお、彼は原子力発電に関しては、条件付で廃止すべきでないと思っている。

 事故の前、日本の電力は大体、六割が火力、三割が原子力、残り一割が水力等その他である。

 原子力が抜けると、単純計算で元の電力の七割の発電量になる。さらに発電量を増やすために火力発電を動かし始めたりしているので実際はもう少し多いのだろうが、そこは今は考えない。

 七分の六が火力だ。つまり、約85パーセントが火力発電でまかなわれているという計算になる。

 そこでたまに聞く原子力が無くてもいい理由に今のままでも電力が足りているということがあげられているが、今は不況の問題もあって工場が全て全力で生産しているわけではないし、東北の被災地ではいまだ瓦礫が残っており、そこにまた家を建て、人が住み、工場を建てて生産することを度外視した発言であり、これからに目を向けていない愚か、もしくは被災地にこれ以後の発展をさせないあまりにも傲慢な考えである。

 それならば、原子力発電を動かして放射能漏れをしたらどうするつもりだ。

 そういう人もいるだろうが、まさしくそのとおりだ。否定しないし、否定する気もない。

 答えとしては『十分に注意して、今後起きないように尽力する』としか答えられないだろう。

 もちろんそれで納得するならば原発反対という考えは生まれない。

 だが、日本のエネルギー事情は深刻だ。石油、天然ガスは完全に他国からの輸入に頼っている以上、それを運ぶ海路を遮断されれば、日本はおよそ二週間で干からびる。

 言い方を変えれば日本に対し敵意を持つものが二週間、たった二週間耐えるだけで日本という国は直接的な戦闘を行わずに敗北する。

 さらに、閉鎖するものを日本は“防衛”といって自衛隊を派遣できるのか?大いに疑問は残る。

 どうせまたいろいろなところに叩かれて最終的に自衛隊を派遣するのに躊躇して手遅れになりそうな気がする。

 まあ、その議論は今回関係ないのでおいておくと、結論として、日本が圧倒的なエネルギー弱者であるということだ。

 ある意味ではそれによって均衡が保てているとも思うのだが、それもまた別の話だ。

 とにかく、エネルギー弱者である日本はある程度のリスクを負ってでもエネルギー獲得に尽力しなければならないのであって、わずかなリスクなどに唆されて躊躇する暇は無いのだ。


 そういった理由があって昌司は日本は原子力発電を持つのに反対しない。

 条件は、ほかのエネルギーによって代替可能ならば(コストや持続性、実用性を兼ね備えることを前提とする)、それにすぐに切り替えることだ。



「またなんか考え込んでやがる。

 まあ、いつものことだが……断片的に聞き取れることを考えるとエネルギー問題に関することか?」

「―――だから、日本が原子力発電を持つことに反対はしない」

「終わったか?」

「悪い、ちょっと暴走してた」

 そういって昌司は頭を下げ、苦笑いをした。




 下校時、昌司は友人に問われた。

「なあ昌司、今朝ぼそぼそつぶやいていたことに関してだが」

「聞こえていたのか、まあいいか。

 ―――で、何を聞きたいんだ?」

 そういって質問に備えると、

「“日本はエネルギー弱者であることで均衡を保っている”ってどういうことだ?」

「面倒な質問だな。

 かなり憶測が含まれるんだが、簡単に言うと、日本はエネルギーという点のせいで多くのディスアドバンテージを背負っている。それは周知の事実だな」

「まあ、そりゃあそうだ。石油とかを買うのに何億という金を支払っているだろうし」

「俺もどれぐらい支払っているのか知らないが、その金があればもっと研究とかの技術、老人ホームや病院などの福祉、医療施設とか、そういったものにも金を使えただろう。

 そういったところに金が使えたらもっと経済が上手く動くかもしれないし、もっと技術が向上するかもしれない。金って言うのは、そういった可能性の芽なんだ」

 そういうと今度も暴走を始める。

「日本は戦敗国だ。戦争で負けた、負け犬だ。某A国には国土に基地を持たれ、それによって問題も発生している。飼い主に飼われた動物が、飼い主よりも優れていたら、飼い主はどう思うか、それから得られる利益を得ている間はいい。が、嫉妬などから握りつぶされる可能性もある。

 日本は世界一といえるかもしれないほどの技術の国だ。

 だが、そこに生産能力は無い。だから他国はそこに原材料を売って、その高い技術力を持って高品質のものを製造してもらっている。原材料が無いからこそ、他国は損害だけでないんだ。だけど、原材料すら買ってもらえないとなれば経済的に圧倒的な弱者になる」

 息継ぎのために何度か止まるが、基本的にノンストップで続く。

「誰がそんなものを無視する? 日本が戦争しないなんて言って仕掛けられていない理由なんて基本的に利益がほとんど無いから以外の何があるのか……。

 技術なら製品を買える。戦争をする経費を考えたら大損だ。それに某C国は日本を敵視することで内部の不満をとどめているところがある。その敵に消えてもらっては困るんだよ。

 ある意味ではあのやり方はとってもいいと思うよ。明確な敵を作り出すことで中での不満を隠し、外にその不満をぶつけさせる。完璧ともいえる」

「えーと、要するに、日本は材料が無いのに料理を作って出そうとするレストラン?」

「―――肯定も否定もしにくい例えをありがとう」

「どういたしまして」

「ほめてない。

 まあ、簡単に言うとこれからテニスの大会をするときにラケットをほかの人から借りて出場して、それで上位に入るような感じかな?

 ―――ちょっと違うけど」

 そういって帰宅する。

 今日もまた日常が過ぎ去っていく。



「なあ、聞いたか?」


「聞いた! 聞いた!! 日本にも利用可能なエネルギー資源が見つかったんだってね」


「これでエネルギー問題も解決だな!」


『―――先日見つかった新エネルギーに関する総理の会見は今日の正午を予定しており―――』


「総理はなんていうのかな?」


「後は資源さえあればいうことがないんだけどな!」


「これでまた日本も元気になる!!」


『―――えー今回見つかった新エネルギーに関しては、国連との協議の結果、利用、採掘等、全てに関して国連との共同開発が進められるという方向で―――』


『中本さん、これによってまた日本もよくなるんですよね?』


『そうですね、日本の深刻なエネルギー問題はこれで解決するわけですし―――』



「―――――――――」



『―――具体的に新エネルギーとはどういった経緯で見つかったんですか?』


『いたるところを探しているうちに偶然という形ですね―――』



「―――――――――」



『新エネルギーの発見に伴い、株価は上昇、為替も円高が進み―――』



「何で―――誰も国連との共同利用に関して何にも言わないんだ?」



「―――今日はボーナスがいっぱい入ったからな」


「わーい、おとーさんありがとー」



「―――おかしいだろう。利用が日本だけでなく、他国が利用することが!

 何故購入じゃないんだ? 開発だけじゃないんだ!? ただ日本は失っているだけじゃないか!?

 ―――それなのに、何でみんな喜んでばかりで今、現実を見ていないんだ? こういうときにこそ裏が隠されていないか注意しなければならないのに!」



『日本の新エネルギーのおかげでわれわれも助かっている。これからも親密な関係を築いていきたい』


『新エネルギーが見つかったことで確信した。日本はまたよみがえると!』


『東日本大震災のことが忘れられそうになっている今、東北で新エネルギーが見つかった意味は大きいと思いますよ』





 ―――半年が過ぎ、いまだに他国は何の対価も支払わずに採掘を進める。

 日本の領土を侵犯し、地下資源を奪う。

 さも当たり前のように、それが当然であるかのように振る舞う。

 それは―――違う。

 圧倒的に間違えている。日本はそんな国ではない。お前たちの都合のいいようにしていい国じゃない!!!




 ―――各地でレジスタンスが立ち上がり、抵抗を続けている。

 地元で行われたレジスタンスが自衛隊に追われているのを見て、思わず怒りを覚えた。

 ―――何故お前たちは国民ではなく、他国民を守るのか、何が自衛だ。と。




 ―――レジスタンスをかくまった。

 彼らの思想には同意権だったし、同じような憤りを覚えるものとすごすのは、気持ちがよかった。

 そうして、僕はレジスタンスに参加した。




 ―――銃器の扱いを覚え、爆薬などの使い方を覚え、一通りのことができるようになると、始めて人を殺した。

 露西亜の要人。爆薬に地雷、陽動、狙撃、考えられるだけの手を尽くしてようやく一人殺した。後悔はしていない。そして、これはとうとう最後まで新聞に載ることは無かった。




 ―――主要基地を爆破した。

 使用した爆薬の量を最小限に抑え、敵の持つ兵器に引火させて威力を高めた。

 日本よりも安全に気を使わない装備は簡単に引火させられた。

 もちろん、それまでにも打てるだけ手は打っている。一週間以上の偵察に、徐々に混ぜていった毒、上下水道のパイプラインを壊し、衛生状態を悪くし、最後には電線すら断った。




 ―――最近では、敵も警戒の度合いが高まってきた。

 新米がたまに見つかり、殺されている。

 必要以上に近づくなとは言っているのだが、どうやら追いすぎたようだ。拠点の変更のペースも上がっている。




 ―――元自衛隊員は頼もしい。

 こちらが策を考えるときにはほかの案や、こういったことがよく考えられていると、出してくれる。

 行き詰ったときに頼りになる存在だ。

 彼らに最終的には頼りきってしまうところが多いが、作戦と暗部の仕事なら、負けないように努力を続けている。




 ―――お正月に包囲網戦があった。山狩りなどを行ったそれで仲間の10分の1が捕まるか殺された。

 拠点を至急変更し、後から現れたものは少しでも不審だと思う行動があった地点で殺して処分した。

 後で知ったことだが、あの作戦のことを後に“鮮血の元旦”と呼んでいるらしい。無駄な名前だ。それに血が舞ったのは完全にあちらが攻めてきたからだし、基地の爆破による巻き込みはある意味では当然の方法だろう。

 しかし、このままでは逃げる場所も無くなる。いい加減に決着をつける必要がある。




 ―――立場上、お得意の数に任せた爆撃をするわけにいかないからか、アメリカはさほど脅威ではない。最も脅威なのは数の多い中国と露西亜、だが、その両方が孤立しているので拠点爆破が最も簡単だ。

 特に中国はその製品が粗悪なので仕掛けを仕掛けるのも簡単だし、武器弾薬を盗むのも大体ここからだ。特に爆薬では重宝している。

 露西亜からは油の類が大量に盗めているので、火責めが最近の主流だ。




 ―――一度、自分から売り込んできたという女を与えられたが、使わずに部下にやった。

 翌朝に寝床に侵入してきたので迷わず殺した。

 女だからといってもナイフ一本あれば寝ている男を殺せる。油断はしない。




 ―――敵から降伏勧告を受けた。

 今降伏すればその後の待遇を良くしてくれるらしい。

 興味が無かったので無視した。




 ―――弾薬が少なくなってきた。補充が間に合わない。だんだん厳重になっていく警戒を掻い潜って盗むのはいい加減に限界が来ている。

 一度強襲を仕掛けなければ、弾薬が尽きて何もできなくなる。

 そうなる前に手を打たねば……。




 ―――強襲作戦で弾薬を手にした。

 考えうる限りで最高の成果だったが、その分犠牲者も多かった。一ヶ月ぶりの戦死者が出たのは少しつらい。




 ―――人員は減る一方だ。

 敵に降伏しに出たものがいたら拠点を変える必要がある。

 ほとんど毎日変更しないといけない。これでは奪った弾薬が無駄になる。

 隠れ家の爆破による掃討は最近効かない、持込を禁止されている火炎放射器で焼き払われる。何度も録画して動画サイトにアップしてやった。これで風評被害が出るだろう。




 ―――日本の土地が狭い所為か、だんだん逃げる場所が少なくなってきた。

 人員も減ってきているし、そのおかげで隠れ家を作りやすいのとは皮肉な話だ。




 ―――誕生日が過ぎていた。

 誰にも祝われることの無い誕生日は初めてだったが、それと同時に自分の誕生日を忘れたのもはじめてだった。

 気がついてみたら誕生日から一週間以上が経っていた。

 なんだか妙に寂しくなった。




 ―――まだ残っている女性を狙って男が夜這いをやりかけた。

 もちろん厳罰を与え、以後このようなことが無いようにしっかりと注意している。

 合意の上でないのは当然のことながら、何かあったときにすぐ動けなくなる“行為”は最近では自粛するように呼びかけていた。

 二重の意味で罰した。




 ―――女性が欲求不満で男を誘い、行為を行ったものが続出した。

 これ以上ためておくことは不可能だと判断し、一日だけ許した。

 もちろん、前日のうちに隠れ家の防備を完璧にした上で、だ。

 その間俺は見張りに徹した。




 ―――女性に襲われかけた。

 命を狙う意味ではなく、貞操の意味で、だ。

 数少ない若い男である俺を狙った。とのことであるが、ルールを守らないやつには罰を与える。理由がそれ以前に解消できたものだ。情けをかける必要は無い。




 ―――レジスタンスの中の“己の中の正義感に従ったやつ”以外は恐らくもういないだろう。

 その場の流れや、勢い、そういったものに流されたやつはもう屍になったか、逃げたかのどちらかだ。

 今いる奴らこそが精鋭たち。もうすでに21人しかいないが、これが俺たちの最高の面子だ。




 ―――とうとうアメリカが爆撃機を出そうとした。

 さすがに住民運動やらが激しく、実行には移せなかったが、危なかった。

 アメリカお得意の数と火力にものを言わせた殲滅戦は、内側の敵を破るのには適していないようだ。

 だからテロには弱いのだろう。




 ―――人は極限状態になるといろいろとすごいらしい。

 見えないはずの弾丸が見えたりするのは当然のこと、視野が広がり、あらゆるものがスローになって見え、頭はしっかりと、スムーズに回る。

 そうなったら、そうなれたら死は無い。すぐに戦場でなれるやつが生き残っていった。




 ―――銃自体の寿命などでまともや武器の危機に陥った。

 露西亜は狙われ続けたことで懲りたのか、あまり近づいてこないし、あまりにもガチガチに防御を固めている。

 中国から武器を盗むのは粗悪品が多いため怖くてできないし、なかなかに手が無かった。

 しばらく銃器の扱いには注意して、敵の武器を利用しよう。




 ―――メンバーは13人、発足一年を迎えたのは13人だった。

 もちろんこの13人は精鋭だ。ほかのところで戦う同胞たちも含めたらもっといるだろう。

 銃器はもはや手足の一部となっていた俺たちにできないことはない。

 一騎当千とまでは行かなくとも、一騎当十ぐらいには絶対になっている。相手が新兵ばかりなら一騎当百にもなりえるだろう。




 ―――裏切られた。

 あいつめ、とうとう裏切った。俺たちを裏切って、みんなの信頼をぶち壊して、自分だけのうのうと生き延びればいいさ。

 あいつが地獄に現れたとき、俺が、俺たちがお前を歓迎してやる。

 それまではせいぜい現世を楽しめばいいさ…………。




 ※注意:これらは完全なるフィクションです。

 作中の行動を肯定するものではありません。絶対にまねをするなとは言いませんが、全て自己責任でお願いします。


 また、これらの政府の行動は、作者の主観や思考が色濃く出ているため、あまり当てにしないでください。それについての突っ込みもなしでお願いします。


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