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神々の黄昏へと至る聖戦  作者: ray
1 転生したテロリスト
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 これでようやくひと段落つく。

『臨時ニュースです。

 先日の政府の会見で総理は、新エネルギー資源をめぐる問題において、アメリカと共同開発を進める方針で決定しました―――』


『エネルギー資源をめぐる問題において総理は、各国とともにその利益を分配することを確約し、それとともに開発技術の共同出資を決定しました』



『本日午前8時ごろ、日本解放軍を名乗る武装集団により開発区が襲撃され、各国の要人にも被害が出たとの情報が入りました。

 これについて首相は―――』




『日本解放軍を名乗るテロリストが日本各地で暴動を起こし、警察のほかに自衛隊が出動し、鎮静化を図り、これまでに民間人への被害は千人以上に及ぶとの情報が入りました。

 これについて防衛省は―――』





『岐阜県に住む高校生男子がテロリストとして暗躍し、主要国の要人を暗殺しているとの情報が入りましたが、それについて各国は否定しているようです』





 自動小銃を肩に担ぎ、はるか遠方に見える敵の主要地を見据え、罠などに十分注意して少しずつ進む。

 夕方に出発し、到着ごろには夜になっている予定である。

 退路を確保しつつ注意深く進み、敵と遭遇してもやり過ごし、基地の奥深くへと入り込んで爆弾を仕掛ける。

 見えにくいが重要な場所に爆弾を仕掛け終わったらすぐに逃げ出し、ある程度の距離をとったら次に敵の司令官を狙う。

 敵司令官を見つけたら深呼吸して一度呼吸を整えてから息を止め、一発だけ打つ。

 それとほぼ同時に足で爆弾の起爆スイッチを押し、爆発させる。

 結果を見ずにそのまま確保した退路をとおり隠れ家に逃げる。

 結果は見なくてもいい。司令官は死んでいたらいいが、外れていても主要な場所には爆薬を仕掛けたし、武器庫なども吹き飛んでいるはずだ。これである程度は戦力を削れただろう。

 さすがにここで空爆を仕掛けるわけには行かない。それほどまでに後の歴史からみて悪役になるのを彼らは恐れている。だから俺たちはテロリストで、彼らは連合軍。テロ沈静のために派遣された“必要な”戦力だ。

 しかし、最近では何かが変だ。

 俺が最初に見たときとは違って決行時には人が少ない。

 あまりにもおかしい。基本的に司令官と物資を狙っているから狙いは達成しているが、始めのうちはそれ以外にも多くの将兵に被害が出たが、今はそんなこともないし、武器庫の爆発もあれほど弱くは無かった。

 隠れ家に戻ると仲間たちへ報告し、食事を取る。

 最後に水を飲み、意識が暗転した。

 そして気付いた。裏切ったのか。と。


 ―――意識が戻った。

 もう無いことだと思っていたのだが、ありえている。

 手足は十分に動かず、硬いところに寝かされている。

 何も見えず、捕らえられたことを知った。

「おい、起きたか?」

「ああ、ちょうどお目覚めのようだぜ」

 日本語ではないが、英語か何かだろう。意味はわからないが、俺のことを話しているらしい。

「これからお前には拷問をかける。

 すぐに答えてくれたら楽に死ねる。まあ、死ぬ前に聞きたいことはあるか?」

「じゃあ、誰が裏切った?」

「山本達彦って言うやつだ」

「そうか、じゃあ、どうでもいい。勝手に拷問でもしていてくれ」

 もう口を開くつもりは無かった。

 知識として自白剤などないことは知っていたし、痛みなどもうどうでもよかった。

 それから始まったのはとても口にできない拷問ばかりだ。

 最終的に彼が息絶えるころには、それはもう血だるまであり、それでも一切口を開くことなく彼は死んだ。



 ―――こうして未来を考えて行動した青年は、ただ凶悪犯として死に、その名を歴史の片隅へと刻まれた。

 実際とは違うことを書かれ、客観性などどこにも無い歴史の元、平成の日本における大悪党として……。


 ペースはもっと落ちるかも……見てくれている人はすみません。

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