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アルの還る場所  作者: 無名の記録者
第6章 真相への手がかり
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第4話 効率の痕跡

 続いて、リオたちは遺物の設計書らしきものに目を移した。


「この異常な設計や配置、わからないところだらけだけど、なんだか美しいな」


 研究者の一人が感嘆を漏らす。


「確かに。無駄がない感じがすごい」


 別の研究者も感心したように言った。


 リオには芸術のセンスはない。

 しかし、線の真っすぐさ、交わり、並行、直角の織り成す秩序には、なぜか目を奪われるものがあった。


「これ……」


 リオは紙から目を離し、マグナ・オルビスを見つめる。


「設計図の線と、ひび割れのような線……似てますね」


 その言葉に、周囲の研究者たちも次々と集まり、低い声で確認する。


「本当だ……」

「言われてみれば確かに……」


 リオの心臓が軽く跳ねる。

 興奮と少しの不安が混ざった感覚だ。


「ヴァルセリオ先生、野外訓練の時のあれ、ありますか?」

「ええ、ここに……」


 リオは、野外訓練で拾った薄片を虫眼鏡で覗く。

 目を凝らすと、思わず体が前のめりになる。

 マグナ・オルビスのひび割れよりも細やかな線が刻まれていた。


「すごい……こんな小さなものに、何でこんな線を刻んだんだろう」


 隣で机に腰を預けていたアレンが眉を寄せる。

 リオは顔を上げた。ふと疑問が浮かび、眉間にしわが寄る。


「これで結界を作ったのかも、と聞きましたが……動く瘴気魔獣に結界の核──結界の中心となる装置──を持たせますか?」

「これ、瘴気魔獣が持ってたのかい?」


 問われて、頷く。


「そんなことをしたら、結界の端の人は何度も叩きつけられ、ボロボロになります」

「確かに……」

「実用的じゃないな」


 研究者たちは眉を寄せ、頭をひねる。


「これも、動かせなかったんですか?」


 リオが問いかけると、研究者が肩をすくめる。


「色々試してみたけど、まったく反応がないんだよ」


 心底残念そうだった。


 リオは少し安心する。

 だが、胸の奥に冷たさが残る──何か、まだ完全には理解できないものがある。


「これは、初めて確認された形状ですから。ここで推測は切り上げ、次の資料に移りましょう」


 ヴァルセリオに促されて、リオは深呼吸して頷いた。

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