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アルの還る場所  作者: 無名の記録者
第4章 連環の輪
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第7話 夜に思索する

 リオとユリウスは、ヴァルセリオと一緒に書院区(アーカイブ)のヴェルディア学園に戻っていた。


「リオ君は、古代語が読めるんですね」


 ヴァルセリオに穏やかに問われて、リオは頷く。


「父さんに教わったんです。でも、あまりに当然のように教えてくれたので、驚きました」


 リオはため息をつく。


「俺、学園に来るまで、普通に使われてる言語だと思ってたんですよ」


 ヴァルセリオが気遣うような目を向けてくる。


「あの人は…相変わらずですね。ズレてるというか……」

「先生もご存知ですか?そうなんですよ、何でもないような顔してとんでもないことをするので、周りは振り回されて大変なんですよ」

「わかります……」


 リオとヴァルセリオは、一緒になってしみじみと頷く。


「あれ?どこかで聞いた話だな」


 ユリウスは遠い目をし、ほとんど独り言のように呟いた。


 *


 男子寮の近くまで来て、ヴァルセリオと別れた。

 そのまま寮に入り、リオは自室の扉を開け、隣室の扉を開けるユリウスに笑いかける。


「ありがとう、先輩!今日、すごく楽しかった!」


 ユリウスはふっと口角を上げる。


「僕も。じゃあね、おやすみ」

「おやすみなさい!」


 ユリウスはひらひらと手を振って、部屋の中へ入っていった。

 リオも部屋に入って、扉を閉める。


 部屋は静まり返っている。

 いつものように、魔法を使って一瞬で身を清め、制服を脱ぐ。

 ぼふりとベッドに飛び乗り、俯せのまま肘をついて頭を支えながら、思案する。


 狩人と聖導教会──人類を守る矛と盾。

 その大切な組織の反応を、じっと盗み見ているかのような事件の連鎖。


 被害が少なく済んだのは幸いだが、一歩間違えれば大きな事件に発展しかねない。


「本当に、嫌な感じだ」


 リオは眉間にしわを寄せ、苛立ちを押し込めた。

 一生懸命生きる人々を、まるで嘲笑っているように感じた。

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