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アルの還る場所  作者: 無名の記録者
第3章 仲間との絆
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第8話 夜の振り返り

「古代の遺物って、なんかこう、くすぐるものがありそうでないよね」

「そうかな?」

「どっちかというと、俺は瘴気の方が興味ある」

「うわ、本気で言ってる?それ」


 今日もまた、リオは隣室を訪れていた。

 昨日と違うのは、ベッドにくつろぐユリウスと向かい合って話していることだ。


「“知って理解すれば、恐れる必要はない。”」


 リオは心の中でヴァルセリオの姿を思い浮かべながら呟いた。

 ユリウスが首を傾げる。


「何それ?名言?」

「うん、俺は名言だと思う」


 リオは椅子の背を両手で持ち、ぐるりと回りながら続ける。


「瘴気って、まさにそれだと思うんだ。正体がわからないから恐れられていた。でも、それが何か理解できれば、人は立ち向かうことができる」

「ふーん…まあ、確かに」

「けど不思議だよね。ただの人の想いなのに、どうしてそんな力を持つんだろう」

「力?」


 リオは頷く。


「見たでしょ、今日の瘴気魔獣。魔獣も強いけど、瘴気魔獣に変化した途端、戦闘力が飛躍的に上がるんだ。それって、瘴気の力がすごいからじゃない?」


 ユリウスは難しい顔をする。


「でも、ただの人の想いでしょ?」

「うーん」


 リオは考えながら、椅子ごとくるくる回る。

 目が回ってしまった。


「難しいことは錬環区(アルケイン)の学者や研究者に任せておけばいいよ」


 ユリウスが慌てて椅子を止める。

 目が回ったリオは床に倒れた。頭を打つ。痛くてリオは呻く。


「ばか、これ以上頭がよくなったらどうするんだよ」


 ユリウスが手を引いて起こしてくれる。


「そしたら、世界の真理でも解き明かそうかな」

「何だ、それ」


 二人はひとしきり笑いあった。


「明日、授業は午前だけだからね。午後は街に行ってみるか?」

「本当!?行きたい!」

「どこに行きたいか、考えときなよ」


 リオは元気に頷く。明日も楽しみだ。


 でも、今日は疲れた。

 リオはあくびをしながら、人差し指をくるくる回して詠唱を紡ぐ。

 さっさと身綺麗にして寝よう。

 ついでにもう一人分、ユリウスも綺麗にしてあげよう。


「リオ!?」


 ユリウスの焦った声。

 リオは無視して指をくるくる。


「リオォォオオオ!」


 今日も学園は平和だった。

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