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アルの還る場所  作者: 無名の記録者
第2章 日常に潜む違和感
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幕間 ヴァルセリオ先生

 放課後、リオは職員室に呼ばれていた。

 目の前には、腕組みをして口元にだけ笑みを浮かべる担任のヴァルセリオ。


「リオ君。呼び出された理由、わかりますか?」


 リオは周囲を見回す。呼ばれたのは自分だけだった。


「ヴァルセリオ先生」

「はい、何ですか?」

「呼ばれた理由はわかります。でも、俺だけが呼ばれた理由はわかりません」


 ヴァルセリオがふっと笑みを消した。

 少し驚いたように、リオを見つめる。


「イリスさんとユリウス君は先に呼ばれました。学生として十分な対応だったので、労いと事の詳細を聞くためです」


 リオは小さく頷いた。


「リオ君だけ別で呼んだ理由は──叱る必要があるからです」

「俺は褒めてくれないんですか?」


 眉尻を下げるリオに、ヴァルセリオはすぐに続けた。


「褒めないとは言っていません。あの人数の学生を守りつつ、魔獣を倒した。それは素晴らしいことです」


 リオの表情が少し明るくなる。


「でも、だからこそ私は叱ります。リオ君は確かに強い。しかし、ここは学園です」


 ヴァルセリオが真っすぐリオの目を見つめる。


「ここでは、貴方は守られるべき存在です。決して無理をしてはいけません」


 その言葉は、すとんと胸に落ちた。

 ヴァルセリオはリオを卑下しているわけではない。

 先生として、生徒を思いやった言葉だった。


 それがわかったから、リオは胸の重さを解かれるように、素直にうなずいた。


「頼みますよ。……貴方に何かあったらと思うと……」

「え?」


 聞き取れなかったリオに、ヴァルセリオは軽く咳払いした。


「とにかく、自分の身の安全を第一に考えること。わかりましたね」

「はい、先生」


 リオはぺこりと頭を下げ、職員室を後にした。

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