ありがとう
光に包まれ私は目を閉じた。しばらくして目を開けるとそこは自分の部屋だった。どやって戻って来たんだろ?階段を降りてリビングに行くと母がこちらに走ってきた。「帰ってきたのね!よかった…」母は泣きながら私を抱き締めた。「お母さんごめんね。」しばらく母に抱き締められていた。部屋に戻って時計を見ると私が家を出て一週間たっていた。そんなにいたようには思わなかった。そういえば…あの子は誰だったんだろ?私のこと知ってるみたいだった。あの不思議な出来事から半月たったとき「これもういらない?」と母が持ってきたのは、見たことのある家だった。「お母さんそれ…」「これがどうかしたの?」まさしくあの迷いこんだ家そのものだった。「あなた小さい時これすごく大事にしてたじゃない。ほら家の中に女の子が座ってるでしょその女の子あなた親友だ!なんて言って」「親友…」そうだあの女の子はこの人形だった。小さい時から自分は一人だって思って、父がプレゼントしてくれたこの人形だけは私を大事だと思ってるってだから寂しくなかった。あの子はこの人形だったんだ。私は自然と涙がこぼれた。「どうしたの?」「大事なものだから捨てないで。」私は母からその家を受け取り机に置いた。「ありがとう。気付かせてくれて。ありがとう。」私が人形に向かって言うと「一人じゃないよ。みんなあなたをあいしてる。」そう人形が言ったような気がした。




