第九話 襲撃
ホークは部下を引き連れ、古城からすぐ近くの拠点へ足を運んだ。
そこでホークが目にしたのは、見張り役の死体と、空になった拠点の金庫だ。
「一体、なにが、あった? 」
「ど、どうやら昨夜、各地の拠点が昨夜襲撃を受けたらしく........金庫の中には、この紙切れがありました」
拠点を管理していた手下から、ホークは紙切れを奪い取り、紙に書かれた言葉を読み上げた。
「『汚い金は頂いた。ほっほっほっ』........。少し遅れのサンタクロースのつもりか? とんだプレゼントだな。ハハハハハハ」
「ホ、ホーク統括? 」
大笑いしているホークに、拠点を管理していた部下は恐る恐る訊ねる。
その訊ねの返答は言葉ではなく、一発の魔法弾だった。
鮮血が舞い、床には赤い水たまりができる。
幹部と手下たちは一斉にホークの顔を見た。
その顔は憎悪に満ち溢れており、額には縦に太く青筋が張っていた。
「今すぐだ!!今すぐに!!イーサン・ディガーを探し出してこいっ!!!!」
手下たちは目の前で起こった事に動揺していたが、建物内に響き渡るホークの怒号でハッと我に返り、建物を飛び出していく。
「なにぼさっとしている!? てめえらもだ!! 今すぐに探し出せ!!!」
うろたえていた幹部たちもホークの怒声を聞き、我先にと建物を飛び出していった。
誰にもいなくなった室内の椅子に、ホークはどかっと腰をかける。
右手についた鮮血をハンカチで拭きながら、ホークは呟く。
「イーサン....ディガー。後悔はするなよ? 」
ホークは血走った目で、邪悪な笑みを浮かべた。
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