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第三話 容体

※追記 2023/5/21

イーサンとテッド先生のセリフの一部を修正しました

「テッド先生。あの子は? 」

「一応安心じゃ。奇跡的に神経に傷はついておらんから後遺症も心配ないの。じゃが、しばらくは安静にしないといけないがの」


今俺がいるのは街のはずれにあるテッド医院だ。中心街にも病院はあるが、診療費がバカ高い

その点、テッド医院は安く、医療費も相応の値段だ。

なによりも名医、テッド・ノウの腕は確かだからだ。

この二つの理由で俺はここに通い続けている


「それにしても、この子は運が良かったの。お前さんが連れてくるのが遅かったら死んでたかもしれん」

「出血死、してたと? 」

「それもあるんじゃが、栄養失調じゃの」

「栄養失調? 」

「こっち来て見てみい」


テッド先生は獣人が横たわるベットへと手招きした。

俺がベットに近づくと、テッド先生は獣人の耳の毛を数本で手で抜き取った。


「簡単に毛が抜けるじゃろ? 毛の生え代わりの時期はとっくに終わっとるし、普通は力を入れてようやく抜けるもんなんじゃ。典型的な栄養失調の例じゃの」

「......」

「お前さんに一つ聞いてもいいかの? この子は一体どうしたんじゃ? 」

「マフィアの連中に追われていて、追っていた奴らはこの子のことを商品と言っていた。おそらく......何処からか逃げ出して、逃げている時に撃たれんだろう」

「人身売買という訳じゃの......何ともまあ胸糞悪い話じゃ」

「ああ。その通りだ」


ピー、ピー、ピー、ピー、ピー


沈んだ場の空気を吹き飛ばすように、病院の壁にある絡繰り時計が病院の診察終了の音を鳴らす。


「診察終了の時刻じゃ。この子の目が覚めたら、お前さんにすぐ連絡するわい」

「ありがとう、テッド先生。」

「うむ」


俺は空間移動で一階の自分の店へと戻った。

目が覚めたら気になっている事を聞きたくて、店を閉め、夜遅くまでテッド医院にいたが、結局猫の獣人の目が覚めることはなかった。


気になっている事とは誓約だ。この町に来たばっかりの頃、俺はここら一帯を支配していたマフィアに殴り込みをかけ、ボスと直接、ある誓約を交わした。

その誓約が書かれている誓約書には、“人身売買を行わない”と明記されている。


明日、冒険者ギルド長兼街の情報屋のカーロ・フォインにさっそく話を聞きに行かなれば。


【最強の死神と黒猫の救世譚】を読んでいただきありがとうございます!

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