表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/36

第十七話 イーサンvs爆裂野郎①

※追記 2023/5/9

フェニックスの使う魔法の名称を変更しました。

 俺は機関銃を構え、フェニックスは戦斧を構えた。


 構えるのと同時に、俺はフェニックスへと即座に弾丸を放つ。


 術式が織り込まれた、魔力を帯びる弾丸。一発一発が高価な逸品だ。

 その高価な逸品が一秒間に十数発と、烈火の如くフェニックスに迫る。直撃する寸前――


「爆!!」


 弾丸は空中で起きた爆発により進路を変え、城壁へと当たった。


 臆することなく撃ち続けるが、魔法陣が生成され、小さな爆発を連続で起こり弾丸は爆風によって逸らされた。


 カチッ、カチッと虚しく弾切れの合図の音が鳴る。


 この男......強い。

 脳筋のような見た目に反して、魔力の操作は緻密かつ


 銃弾はダメだな。仮に運よく数発当たったとしても、あの黄金の鎧を数発で貫通することは厳しいか。

 なら――


 空間魔法で創造空間から一本のナイフを取り出す。

 

 名匠によって鍛えあげられた、純オリハルコン製のナイフ。付与魔法で【殺傷能力強化】【威力補正】の魔法が付与されており、俺の今持っている武器の中で二番目に強いものだ。


「空間移動!」


 一瞬でフェニックスの後ろ頭上に移動する。

 視覚外からの攻撃、首元へと勢いよく振るったナイフは――――戦斧によって受け止められた。


 カキィンッと、金属と金属が共鳴する。


「!」

「ぬううぅぅぅん!!!」


 フェニックスは後ろの空中にいる俺に対し、身体を捻りながら野球選手がバットを振るように、戦斧を斬り上げる。


 風の音ともに、戦斧が高速で目の前に迫る

 瞬時に頭を下げ、前髪を数本斬られたが失明は免れた


 着地し、床を蹴って後ろに下がり、フェニックスから距離を取る。

 フェニックスを見ると、興味深そうな表情を浮かべていた。


「ほほぉ~、空間魔法か!!なるほどな、噂で聞いた「魔導士を一気に100人以上殺害した」だの「北の勇者に勝った」というのは、尾ひれがついた出鱈目な話じゃなさそうだな!!」

「どうやって、避けた? 」

「ガハハハッ!!感知魔法よ!!どこに移動しようと、我は常に貴様を捉えているぞ!!」


 感知魔法か......俺の空間魔法と相性最悪だな。ツイテないぜ。

 空間移動で後ろを取ってから、不意打ちは駄目だな。


「さて次は我の番だな!!爆――」

「!!」


 直径2mほどの魔法陣が床に生成される。

 すぐさまに空間転移で、生成された魔法陣から離れた場所に転移し、古びた長椅子を持ち盾代わりにする


「烈!!!!」


 大広間に轟音が鳴り響き、熱波と衝撃波が襲ってくる。


 近くにあった四脚の古びた長椅子は爆風により、砕け散りながら四方八方へ飛来する。

 砕け散った長椅子の破片が、頬をかすった。


「続けていくぞ!!!」


 またしても床に魔法陣が生成され、カッという閃光を放つ。

 空間転移で移動するが――


「無駄よ!!」


 移動した床に魔法陣が生成される!

 くそったれが!!


 転移、転移、転移、転移、転移!、転移!!、転移!!!、転移!!!!


「爆裂!!爆裂!!爆裂!!爆裂!!爆裂!!爆裂!!爆裂!!爆裂!!」


 空間転移し、爆裂魔法を避けるためにまた転移する。


 大広間の石板にはヒビが入り、窓ガラスは木片と衝撃波によって割れてしまっている。

 床のあちこちは赤黒く焼けただれており、転移する場所が一秒毎に減っていっている。


 創造空間からスタングレネードや魔導閃光手榴弾を取り出し、視覚外から投げて反撃を試みているが、それも察知され作動する前に壊される。


 くそっ!!このままじゃ負ける!


 魔力量は完全にフェニックスが格上、先に魔力切れが起こるのは俺だ。

 いたちごっこになっているが、大量の魔力の消費による反動、爆発による熱風と衝撃波によるダメージ、限界だ。制限時間は残り僅か。


 どうする?奴を倒すには?


 空間転移でフェニックスを掴んで、フェニックスごと上空へ空間転移して叩き落とすか?

 いや、仮に上空へ空間転移することが出来ても、逃げる前に爆発魔法で致命傷だ。

 フェニックスの爆発魔法の発動までの時間は.7秒から.8秒。空間転移の発動直前にドカンだ。


 どうする?奴を倒すには?


 フェニックスを倒すには、奴が認識できない程の速攻が必要だ。それもあの黄金の鎧を貫く程、威力のある攻撃。


「すばしっこい。なら? 避けられぬようにするまでよ!!」


 床は一瞬で魔法陣に覆われた!

 数えきれない程の魔法陣が、爆裂をせんと閃光を放つ。


「空間転移!なっ!? 」

「逃げられはせんわ!!」


 天井近くへと空間転移するが、空中にも無数の魔法陣が生成される。

 すでにそれらの魔法陣からは、閃光が漏れ出していた


 空間魔法から防御用の球体状の魔導具を取り出す。

 即席のバリアだ。スイッチを即行で押す。


 頼む、耐えてくれ!!


 眩い閃光が全身を包み込むーー



【最強の死神と黒猫の救世譚】を読んでいただきありがとうございます!

面白いと思ったらポイントの評価とブックマークの登録をお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ